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「スイングはゆっくり振るべき」という言葉をよく耳にする。レッスン誌やティーチングプロもそのような主旨のアドバイスは多い。では、本当に『ゆっくり』でよいのか? 特にドライバーショットは飛距離を稼がないといけないのに、ゆっくり振っていてよいものなのか。今回市原弘大プロに伺うのは、ドライバーショットでのスイングリズムの考え方についてだ。
まずは一般アマチュアの市場調査から。平均90台ゴルファーは『ゆっくり』派が67%(18人中12人)で多数派に。理由は「ミート率が重要だから」(T元さん)、「ゴルフを始めた頃からゆっくり振れと言われてきた」(NSさん)など。やはり皆同じような認識を持っているようだ。
アベレージゴルファーは『ゆっくり』という意見が多かったが、果たして市原弘大プロの見解は……!?(以下、市原プロの解説)
アマチュアの方と同じように僕たちプロも「ドライバーで飛ばしたい。飛距離を稼ぎたい」と思っているのは同じです。1ヤードでも遠くへ飛ばすには、ヘッドスピードを上げる必要があります。ですから『ゆっくり』では、ボールをより遠くへは飛ばせないのです。
「えっ、『ゆっくり』が正解じゃないの?」と思った方も多いでしょう。アマチュアの方から「プロはなぜ『ゆっくり』振っているのに、飛距離が出るのですか?」とよく聞かれます。しかし、それは実際に『ゆっくり』振っているわけではなく、『速く』振っているけれど『ゆっくり』に見えるだけなのです。
『速く』振っても『ゆっくり』に見える理由は、体の使い方にあります。僕たちプロのスイングは常に下半身が先行し、それに上半身や腕が連動し、最後にクラブが付いてきます。体の動きに対し、ヘッドは常に遅れてくるもの。体とヘッドの時間差によって、『ゆっくり』振っているように見えるのです。
多くのアマチュアの方は、どうしても手や腕でクラブを操作しがちです。下半身と上半身が一緒に動いてしまったり、下半身より上半身が先行したり……。こういうスイングは、体の上下の時間差が生まれず、逆に『速く』見えてしまいます。
上半身にも余計な力が入っているので、見た目には力感があるので体だけ『速く』振っているように見えます。ですが、強引に手を『速く』動かしているだけで、実際のヘッドスピードは速くありません。
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