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「二刀流で引き出し倍に」“アプローチ国宝” 松山英樹 トークレッスン(後編)

松山英樹の生命線といえば、ドライバー?アイアン?それもそうだけど、やっぱり思い浮かぶのはアプローチだろう。広大なエリアを転戦するPGAツアーで、どんな芝質にも対応し、第一線で戦い続ける寄せの技術。今までほとんど明かすことがなかった国宝級のアプローチの片りんを語る。後編では「二刀流」の理由や、後輩とのQ&Aを紹介する。(聞き手・構成/服部謙二郎)

打ち分けの基準は…「フィーリングが合うか合わないか」

松山がアプローチで2本のウェッジを使い分けていることをご存知だろうか? 状況によってロフト角56度か60度を選ぶ。その基準、打ち方の違いを直撃すると…。

第一声で「打ち方は一緒です」ときっぱり。打ち分けの基準は「足(ラン)が使えるかだけではなくて、自分のフィーリングが合う方」だという。ライ、スピンの入りやすさ、エッジからピンまでの距離、グリーンの傾斜などあらゆる状況から答えを導き出している。

「60度は上げるのも、転がすのもどっちも使いますね。結局どういう球が打ちたいかによって変わるので、時には56度を開いて使うこともある。56度と60度で同じようにフェースを開いて打ったとしても、 球の高さやスピン量が変わります。56度の方が(60度より)スピンが入りそうだなっていう雰囲気の時はそっちを使います」と、あくまで寄る確率が高いほうを使う。「でもエッジからピンまでの距離がないところで56度を持つことは基本ないかな。最終的には、どちらを使うのがいいのかという状況判断がとても大事だと思っています」

状況判断が実を結び、見事なパーセーブを見せたシーンがことしもあった。8月のプレーオフシリーズ初戦「フェデックスセントジュード選手権」最終日の18番ホール。ボギーにするとフェデックスカップポイントランク50位以内から漏れて次のステージに進めない絶体絶命の状況で、グリーン右奥から3打目のアプローチを見事に寄せた。

距離は約18ydで、ライはファーストカット。グリーンは下り傾斜、ピンの奥には池が広がり、とても簡単ではないように見えた。松山は60度のウェッジをチョイスし、フェースを開いてしっかりと振り、フワッと球を上げて、落ちてからトロトロと転がしてピンそば50cmに寄せた。「1mを残したくなくて、残ったら(パットが)外れると思っていました。ライがファーストカットだったこともあり、スピンが入りづらくて落ちてから転がってくれたのも良かった。ラフだったら“スーパー難しかった”し、フェアウェイだったら(スピンが入って)止まっちゃう可能性もあったので、自分の中ではイメージしやすかった。打った瞬間、『あっ、寄ったな』と思いました」

練習ラウンドで、そのグリーン右奥からチェックしていたのは言うまでもない。2本のウェッジを持ち(あるいは早藤将太キャディがもう1本を持ち)、同じシチュエーションでそれぞれを使っておく。つまり、アプローチしそうな場所から「寄せやすいのがどちらのクラブのどういう打ち方なのか」を事前練習し、偶然が多い状況を“必然”に変える準備を常に行っている。

この状況判断はバンカーショットでも同じ。「バンカーで56度も使います」と、選択肢の中から最良の答えを瞬時に導き出している。ちなみに、そんな松山でも「どうしても苦手」というバンカーがある。そのひとつが「WMフェニックスオープン」が行われるアリゾナ州TPCスコッツデール。2016、17年と連覇した相性の良いコースのバンカーがまさか嫌いだなんて…。

「スピンが入らないバンカーが嫌いなんですよ。砂が多いとか少ないじゃなくて、砂質がなんかスピンを入れづらい」。TPCスコッツデールのように白っぽい砂質だと、スピンがかかりにくいのだろうか。「確かにマスターズも白くてスピンが入りにくいですが、それも年によって変わる。オーガスタは『かかる年』もある」。毎年同じコースでも必ずバンカーのスピンのかかりやすさを見極めてから試合に臨むという。かかり具合に応じて、マネジメントも変えているのだ。

普段あまり多くを語らない松山だけに、実はこうした地道な作業を毎週のように行っていることは意外と知られていない。それが平均スコアになって表れているのは間違いなく、長年PGAツアーの第一線で戦っている男の行動は、非常に説得力がある。

後輩たちからアプローチの名手への質問

さて、そんな松山英樹へ、海外での戦いを控える2人の後輩から質問を預かり、代わりにぶつけてみた。まずは中島啓太からの質問。

Q:(中島啓太)
ピンまで本当に近い「5~7yd」で大きくしっかり振る勇気がありません。たくさん失敗しないといけないと思うのですが、“勇気の出し方”を聞きたいです。練習するしかないとは思っていますが…。

A:(松山英樹)
自分はゆっくり振れないから、逆にゆっくり振れる方がすごいなと思う。ゆっくり振れて、(グリーンで)止まる自信があるならそれでもいい。でも自分の場合は、実際に振っているように見えるだけで、みんなが言うほどそこまでスピードは出てないんだけどな…。確かに(速く)振った上で柔らかい球を打つのは、なかなか難しい。だから自分の場合は柔らかい球が出るクラブ、そのバウンスの作り方などを探してきた。啓太もどういう球を打ちたいかによって、クラブを研究したりするのはアリかなと思います

続けて東北福祉大OBの後輩・金谷拓実からの質問。

Q:(金谷拓実)
松山さんのアプローチって、見ていると変な“遊び”がない。ロブを打とうと思っても(力を)抜いたりせず、手加減がないんですよね。いつも同じ打ち方で上げたり転がしたりしていて、バンカーも同じようにやっている。難しいところにいったら、ちょっと緩ませたりする選手もいるのに…。感覚を“わざと出さないように”打っているのか、元からそれが一番フィットしているのか。ライが悪かったりしたら自分の感覚で動きが出てしまうけれど、それが松山さんには全くない。どうやっているんですか?

A:(松山英樹)
うーん、そう見えているんだって感じですね(笑)。実際は、ガンガンひじを抜いたり、手をこねたりして、わざと打ったりとかは全然しているんですよ。本人じゃないから分からないですよね。それもやっぱり先ほど言ったように、その場の状況次第。本当に嫌なところ(ライ)だったりすると、ひじを抜くのも使わなきゃいけないですし…。(そう見えていないのは)なんか面白いですね。その上で、距離感を頑張って作るようにはしています。球の高さで距離感も変わってくるので、「これだけ振ったらこの距離」というのは決まりはないです

ことし1月の「ファーマーズインシュランスオープン」では、松山が中島にアプローチを教える姿があった。桂川有人岩崎亜久竜など、ツアーの後輩からアプローチを聞かれるシーンが年々増えている。「見ていたら『こうした方がいいのにな』って思う時が多々あるんです。聞かれたら、『こうしているよ』って具体的な打ち方を答えています」。中島はその時に松山から教わった“剛ラフ”でのクローズスタンスの打ち方を、今シーズンずっとやり通していたのは、記憶にとどめておきたい。

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