女性の初心者になったつもりで

女性限定でレッスンを続けていますが、定期的にレッスンに通って、今では80前後でラウンドできるようになった女性もいれば、一度もクラブを握ったことのない、まっさらな状態でレッスンを受ける女の子もいます。

女性限定のレッスンを通じて、今感じていることは、男性も女性に見習うべき点が多いということ。男性の場合は力があるので、いかようにも振れてしまい、しかもある程度飛んでしまうので、悪い癖が定着しがちです。その点、女性は非力なので、しっかりとスイングのツボを押さえてヘッドを走らせなければ、うまく飛ばすことすらできません。

しかし、スイングのツボといっても、別に女性限定というわけではないんです。無駄な力を使いがちな男性にも、是非実践していただきたいポイントがあります。これまでのスイングをすべて忘れて、女性の初心者になったつもりで、このレッスンを実践してもらえば、ヘッドをビュンビュン走らせるコツをきっと掴めるはずですよ！

まずはグリップからやり直しですよ！

初めてクラブを握る女性の初心者になったつもりで、一から手ほどきしていきましょう。まず、男性にありがちなのは、グリップを力いっぱい握ってしまうこと。テークバックからガチガチになり、インパクトではさらに力が入ります。

そんなことでは、ヘッドが鞭のようにしなやかには走ってくれませんよね。では、どうしてグリップに余計な力が入ってしまうのでしょうか？グリップの基本から始めましょう。

ウィークグリップは無駄な力が入ります

特に非力な女性の場合、左手の甲がターゲット方向に向くようにウィークに握ってしまうと、テークバックでクラブを持ち上げることすらできません。握力や腕の力がないからです。

ところが男性の場合、どんな風に握っても、力があるのでテークバックできてしまいます。ここがまず改めるべき点。女性だと上げることすらできないのに、男性は余計な力を使って上げることで、しなやかなグリップを、テークバックの最初から損なってしまうのです。では、無駄な力が入らないグリップとは何でしょうか・・・？

左グリップは上から握ること

まず、左腕を脱力してダラーンとぶら下げてみましょう。そうすると、手の甲はどんな向きを指すでしょうか？左手の甲がターゲット方向に正対する人はいませんよね。脱力すれば、ターゲットよりも右方向に手の甲が傾くはずです。

そして、そのダラーンと垂らした左手の向きのまんま、左手のグリップを作りましょう。そうすると、上から握るような感じになりますよね。自分からは2つのナックルが見えるような感じです。ダラーンと垂らした状態のまま握ること。これがポイントです。

左手を上から握ると余計な力が入りません

非力な女性の場合は、このように握ることで、テークバックするときに力が入れやすくなり、クラブが持ち上がらないという問題が解決します。一方男性は、余計な力を一切省いた、最小限の力でテークバックすることが可能になるんです。

テークバックの早い段階で、こんな風にコックを入れれば、シャフトが立ってきて、シャフトの方向に沿って持ち上げる感じになるので、さらにクラブが軽く感じられます。手首に妙な力を入れなくてもスッと上げられるので、しなやかなリストが保たれるのです。

正しい前傾姿勢でアドレスすること！

女性の初心者に対して、真っ先に教えることは、左手のグリップの仕方と正しい前傾姿勢の2点。グリップに前傾姿勢。いまさらなんて言わないでくださいね。女性の初心者になったつもりで、スイングを今一度リセットするのが目的なんですから！

前傾姿勢を作る基本は、足の付け根から上体を前傾させること。初心者の女性には、足の付け根にクラブを当てて、そこから上体を傾けることを教えています。では、どうして足の付け根から前傾姿勢を作ることが肝心なのでしょうか？

腕の通り道を確保すること

足の付け根から前傾姿勢を作る目的は、スイングで腕の通り道をしっかりと確保するためです。スムーズな腰の回転を生み、テークバックからフォロースルーまで、腕が詰まることなく、エレガントに振りぬくための基本です。

侮ってはいけませんよ。足の付け根から折らず、骨盤が寝てしまている人が実に多いからです。これでは腰がスムーズに回転できません。インパクトからフォローにかけて、左に腰が突き出すような動きになり、体が止まって、腕を振りぬく通り道がなくなると、右にプッシュしたり、手先だけが返って引っかけたりと、良いことなしです。

グリップと前傾姿勢。この超基本を踏まえた上で、次回はヘッドをビュンビュン走らせるための、練習プロセスをご紹介していきます。お楽しみに！

【撮影協力】ファミリーゴルフプラザ銀座ミズノゴルフスクール