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“科学者”デシャンボーの肉体改造 カギは「体幹」と「支える」筋肉

腕とシャフトが“ブレない”一本の棒に変化

――デシャンボー選手の肉体改造で印象的なのが上半身の大きさ。筋肉の付け過ぎはスイングの邪魔にならない?

吉田 デシャンボー選手は、自身のSNSで、高負荷をかけたマシントレーニングなどを紹介しており、上半身のトレーニングもかなりガッチリやっています。ただ、スイング時の上半身の使い方を見ると、腕のパワーを使うという要素はありません。腕をシャフトと一体化させ、上半身はそれをキープさせるようにしています。

クラブと腕が一本の棒のようになり、腕をシャフトに見立てるイメージです。ヘッドスピードが速い人が硬いシャフトを使うのと同じで、腕をトルクの少ない、剛性が強いシャフトのように鍛えたのだと思います。

スイング時は、両腕と胸の空間が変わらないようにキープしています。そのため、パワーを出すために上半身に筋肉をつけたというよりも、下半身の出力に耐えられるだけの筋肉をつけたと考える方が正しいかもしれません。

肉体改造はメリットしかない? 初心者が注意すべきこと

――スイングの観点から、肉体改造はメリットとデメリットのどちらが大きい?

吉田 メリットの方が大きいです。現在のPGAツアーでは飛距離が一番重要と理解し、それを計画的に実現させたのはすばらしいことです。ケガをしないようにすることもトップ選手のスイングにとっては重要なポイントでしょう。コモコーチは、身体に無理をさせない、ケガをしにくいスイング作りをするのに長けています。

――アマチュアが参考とする際に気を付けることは?

吉田 フィジカルトレーニングをほとんどのゴルファーがしていないと思うので、取り組んだ方が効果は出ると思います。ただ、正しい方法で適切な部位を鍛えることが大切です。やみくもに筋肉をつけるのではなく、体をちゃんと動かせる状態にして、筋肉の神経回路を整えてから、負荷をかけたトレーニングをすると良いでしょう。まずは、どの筋肉を鍛えるかの意識を持ってから取り組んだ方が良いと思います。

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一見するとシャツがはちきれそうな筋骨隆々の姿に目を奪われがちだが、肉体改造のポイントは、見えにくい部分の体幹強化にもあったようだ。次回では、「デシャンボーのように…」までは無理かもしれないが、飛距離を伸ばしたいゴルファーに向けてフィジカルトレーナーの中村俊介氏に効果的なトレーニングの初歩を聞く。

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