スライスの構造を解き明かす ~Dプレーン理論~
Dプレーン理論とは
弾道が曲がる原因の新しい理論
Dプレーンとは、インパクト時のフェース向きとスイング軌道が作る平面のことで、インパクトと弾道の関係性を正しく理解するための新たな理論です。近年急速に進化した弾道計測機器とスロー映像で実測されたデータに基づくものといわれています。
Dプレーン理論は1999年に提唱されており、世界各地で広まっていますが、日本ではあまり知られていません。今までのレッスンではなかなか上達しなかった人にとって、上達につながる可能性を秘めています。
インパクトの瞬間をスロー動画で分析
ハイスピードカメラによるインパクトの瞬間です。ボールの飛び出す方向は、「スイングの軌道」ではなく、「フェースの向き」に大きく影響していることが、みてとれます。
ボールはフェースの向きに飛び出す
インパクト直後から、ボールは軌道方向ではなく、フェースの向いた方向に従って飛んでいきます。解析を重ねた結果、ドライバーでは約85%、アイアンでは約75%という割合で、フェースの向いた方向に球が飛び出していきます。つまり打ち出される方向は、ほとんどフェースの向きに従うのです。
フェース向きとスイング軌道がズレるとボールは曲がる
さて、打ち出されたボールの曲がり方は、どのように決まるのでしょうか?それは、フェース向きだけではなく、フェース向き(赤い矢印)とインパクト時のスイング軌道(青い矢印)のズレ(後述するDプレーンの傾き)によるものです。フェース向きと軌道が一致していればフェース向き方向に直進し、その角度差が大きいほど曲がり幅も大きくなります。
Dプレーンで曲がり方が直感的にわかる
フェース向き(赤い矢印)に対して、スイング軌道(青い矢印)が左にズレれば右に曲がります。逆に、スイング軌道が右にズレれば左に曲がります。こういうと、ちょっと分かりにくいはずです。そこで、フェース向きとスイング軌道の作る平面を「Dプレーン」とし、その平面の傾きで考えるとイメージしやすくなります。フェース向きに対してスイング軌道が左にズレていれば、Dプレーンは右に傾くのでスライスし、その逆だとフックします。従って、写真の場合、スライスすることになります。
サイドスピンは存在しない
ボールの回転は、サイドスピンは存在せず、バックスピンのみ発生します。このバックスピンの回転軸が水平なら真っ直ぐ飛び、右に傾けば右へ、左に傾けば左に曲がります。この回転軸の傾きはDプレーンによって決まります。バックスピンの回転軸はDプレーンにいつも垂直になっているので、Dプレーンが右に傾けば、バックスピンの回転軸も右に傾くので、ボールは右に曲がります。逆に、Dプレーンが左に傾けば、ボールは左に曲がります。
補足1:スイング軌道の誤解「スイングプレーン≠インパクトの瞬間のスイング軌道」
ここで使われているスイング軌道とは、スイングプレーン全体の向きではありません。あくまでインパクトの瞬間のスイング軌道です。たとえば、スイングプレーン全体がターゲットに対して真っ直ぐ向いていても、ボールが左寄りにあれば、インパクトの瞬間のスイング軌道が左を向く(アウトサイドイン軌道)ことになるのです。
補足2:ボールの曲がり方は、打点位置に大きく影響する
ボールの曲がり具合は、Dプレーンの傾きに従いますが、これはスイートスポットでミートしていることが前提となります。ミスヒットして、トウ側に当たればフックし、ヒール側に当たればスライスします。これを「ギア効果」といいますが、敢えてギア効果を利用し、Dプレーンによる曲がりの影響を低減しているトッププロもいます。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
- ルール マナーゴルフ規則 マナー
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