「ステルス」&「ローグ ST」1Wの性能をマトリックス図で比較
1月の新製品発表から、ゴルフ界を大いににぎわせているテーラーメイド「ステルス」とキャロウェイ「ローグ ST」シリーズ。ドライバーは計7モデルがそろい、メーカーの垣根をこえて最適な一本を見定めたいゴルファーは多いだろう。今回は、レッスンスクール「ゴルフテック」の三田貴史コーチが、各シリーズの傾向やモデルの特性について解説する。計測データを元に作成したマトリックス図とともに、クラブ選びの参考にしてほしい。(※可変ウェイトモデルはニュートラルの状態に設定)
「ステルス」重心はセンター寄り 「ローグ ST」はつかまる傾向
縦軸は「バックスピン量」で、上に行くほどスピン量が多くなり、下に行くほど少なくなる。横軸は「球のつかまり」で、左に行くほどつかまりが良く、右に行くほど抑えられた性能となる。比較の参考として、2021年モデルのテーラーメイド「SIM2 MAX ドライバー」とキャロウェイ「エピック MAX ドライバー」を配置した。
まず三田コーチは、「ステルス」3モデルの傾向について「過去のテーラーメイドは、フェース上の重心位置がトウ側に寄るものが多かったのですが、今作ではセンターに集まっています」と分析する。重心がトウ側からセンターに寄ると、ギア効果によってボールがつかまりやすくなる。図を見ても、つかまりを過度に抑えたモデルはなく、スタンダードの「ステルス ドライバー」と低スピン設計の「ステルス プラス ドライバー」はほぼ同じ。逆に「ステルス HD ドライバー」は、ドロー設計ながらつかまり度合いがやや抑えられているように映る。
一方の「ローグ ST」4モデルは、「『エピック』に寛容性を持たせたシリーズ」と言うだけに、低スピン設計の「ローグ ST MAX LS ドライバー」を除く3モデルが「ステルス」よりも“つかまりやすい”エリアに配置された。中でもドロー設計の「ローグ ST MAX D ドライバー」と軽量設計の「ローグ ST MAX FAST ドライバー」は、その特徴を顕著に示しており、シリーズ内で差別化が図られていることがうかがえる。
トレンドは低スピンから高初速へ?
近年のツアー系モデルは低スピン化が進んでいたが、今作では両シリーズとも極端にスピン量が少ないモデルは見られなかった。三田コーチは、傾向の変化について以下のように推察した。
「もしかしたら、PGAツアーの選手から、これ以上の低スピン化は不要という要望があったのかもしれません。ボール初速を出すために、低スピン設計にすることは簡単かもしれませんが、抑えすぎると打ち出し角とのバランスが崩れてしまいます。ある程度のスピン量を確保し、適正なバランスを維持しながら飛距離を出すために、初速を出す構造にせざるを得なかったのかもしれません」
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