攻めたトリプルダイヤ! 上級者がしっかり叩ける正統進化「QUANTUM ◆◆◆」/谷口拓也 #深夜試打
3層構造の「TRI-FORCEフェース」を採用し、高いボールスピード性能を追求したキャロウェイ「QUANTUM」シリーズ。中でもツアー・上級者向けモデル「QUANTUM ◆◆◆ ドライバー」は、ヘッド体積450ccの洋なし型フォルムで操作しやすく、強弾道を生むロースピン設計に仕上がっている。そんな操作性に富んだ一本を、ツアー通算2勝の男子プロ・谷口拓也が試打評価した。
「左を消して、フェードで叩ける上級者モデル」
―率直な印象は?
「ひと言でいうと、“トリプルダイヤモンド(◆◆◆)らしい”クラブ。いちばんの特徴は、左へのミスが出にくいところで、長年『◆◆◆』を使ってきた人なら、ヘッド形状にも違和感なく構えられると思います。アドレス時の顔つきも、いかにも上級者向けという印象です。もちろん、決してやさしいクラブではありません。力を抜いて振ると、ボールが右へスーッと抜けていく怖さももちろんある。使いこなすには、ある程度しっかり振っていく必要があり、使用する“人”を選ぶモデルだと思います」
―飛距離性能は?
「ボールスピードはしっかり出ていましたし、前作よりも少し向上している印象があります。飛距離を伸ばすうえで、やはり重要になるのはボールスピード。そこに適正なスピン量が組み合わされれば、確実に飛距離性能は高まります。ただ、単純にスピン量が少なければいいというわけではありません。2200~2500rpmあたりの適正値に収まるかが重要です。シャフト選びやウエート調整まで含めてしっかり合わせ込めれば、アマチュアゴルファーでもトータルで15~20yd伸ばせる可能性は十分あると思います」
―球のつかまりは?
「つかまり性能はかなり抑えられています。基本的にはフェードでコントロールしていくタイプのクラブで、ドローを打とうとすると、少し難しさを感じます。左へのミスを嫌う人や、フェードを持ち球にしたい人には、かなりハマると思います。打点がフェース先端に寄ったり、フェースが開いて当たったりすると、右へ大きく抜ける可能性もあります」
―寛容性については?
「正直、寛容性が高いクラブではありません。ヒールヒット時でもボールスピードが極端に落ちにくい部分は感じますが、方向性のミスまで大きく助けてくれるタイプではないですね。ミスをクラブ側が補正してくれるというより、自分で球筋をコントロールできる人が、その性能を引き出していくクラブ。そういう上級者向けの性格が強いモデルだと思います」
―打感の評価は?
「打感は、シャープで操作性の高いヘッド形状と、非常にマッチしたフィーリングです。こうした操作性重視のモデルは、“ボコッ”としたやや重めの打感のほうが、自分でボールを動かしている感覚を得やすい。実際には、フェース面にボールを長く乗せて操作しているわけではありませんが、今作も重めの打感で“自分で打っている感”はしっかり残る。打感とヘッド形状、さらにフェースの弾き感が、うまくかみ合った印象を受けました」
―どんなゴルファーに合いますか?
「ターゲットはかなり明確です。左へのミスを嫌う人、フェードヒッター、そしてハードヒッター向けですね。それ以外のゴルファーには、少しハードルが高いモデルだと思います。アマチュアでも競技志向の上級者や、パワーのあるプロ向けという印象。ただ、シャフトを少しやさしめに替えたり、フレックスを落として先端の動きを調整すれば、扱いやすさを高めることは可能だと思います。常に全力で振らないと扱えないスペックにするより、フィッティングで自分に合った組み合わせを見つけることが重要です。明確に上級者へ向けた“攻めた◆◆◆”といった印象です」
“真価”を発揮するには技術とフィッティングが必要?【総合評価4.2】
【試打結果(平均)】
総距離:265.9yd
キャリー:244.6yd
HS:46.0m/s
初速:67.0m/s
スピン量:2861rpm
打ち出し角:12.3度
【飛距離】4.5
【打感】4.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI GRAY 60 for Callaway(硬さS)、24 VENTUS BLACK 6(硬さX)
・使用ボール:横須賀グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン、横須賀グリーンゴルフ
谷口拓也(たにぐち・たくや) プロフィール
1979年9月17日生まれ、徳島県出身。2003年のプロデビュー年に賞金シードを獲得。04年『アイフルカップ』で初優勝し、賞金ランク20位で最優秀新人賞を受賞。08年『サン・クロレラクラシック』で2勝目。数多くのトッププレーヤーを指導したコーチ、ピート・コーウェン氏に師事しレッスン技術を学ぶ。妻は国内女子ツアー3勝の一ノ瀬優希。