伝統の“らしさ”はそのままに…平均飛距離が上がる「3」 タイトリスト「GTS3」ドライバー
タイトリストが公式に発表したばかりの新ドライバー「GTSシリーズ」は、PGAツアーではすでに50名近い選手が使用しているという。今回紹介するのは、その中でも浅めの重心設計による高い操作性能と、初速性能を持つ「GTS3」だ。シリーズの中でもプロ、アスリート御用達の印象が強いが、今作はどのように進化したのか。ギア知識が豊富なミタさんがヘッドの特徴を解説。飛距離性能、打感、構えやすさを、アスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
左右方向だけでなく、前後方向のウエート調整機能をプラス
【ミタさん】
今回紹介する「GTS3」は、「GTS」シリーズの中でも、アスリートゴルファーが最も気になっているモデルでしょう。PGAツアーでは絶好調のマシュー・フィッツパトリック(イングランド)が使って2勝しています。
【シオさん】
歴代の「3シリーズ」は競技ゴルファーがよく使っていましたからね。新作への関心は高いと思います。
【ミタさん】
「GTS2」の寛容性が高くなったなかで、「GTS3」はタイトリストらしさをしっかり継承しています。
【コウタロウ】
構造的には何が変わったのですか?
【ミタさん】
「GTS2」同様に、ヘッド後方部分が360度のカーボンコンポジット素材になって、ボールスピード&安定性をさらに高める重心ポジションを実現しています。
【コウタロウ】
正直に言うと前作の「GT3」の時点でかなりボールスピードが速くなったと思いました。あれ以上はなかなか難しいかなと…。
【ミタさん】
カーボンコンポジット素材のPMP(プロプライエタリー・マトリックス・ポリマー)を開発したチームにとっては、「GT3」の段階ではまだまだ開発の余地が残っていたらしく、「GTS3」の構造を最初から目指していたそうです。
【コウタロウ】
完成度が高いと言われた「GT3」ですが、タイトリストとしてはまだ完璧ではなかったということですか。
【ミタさん】
そのようです。まだ、その段階では実現が難しかったのかもしれませんね。
【シオさん】
大きく変わったところで言うと、ヘッド後方部にもウエート調整機能が追加されましたね。
【ミタさん】
カスタムフィッティングの視点から見ると、これはかなり大きいです。ノーマルの「GTS3」はやや浅重心設計ですが、別売りのウエートと入れ替えれば重心を深くすることもできますし、超浅重心にすることもできます。前作から継承されている5段階のSure Fit CGポジションと組み合わせると、セルフフィッティングで前後左右の細かい調整が可能になりました。
伝統の洋梨顔。遊びで使えるドライバーではない
【シオさん】
アドレスしたときの印象は「GT3」と大きく変わっていない。タイトリストらしいディープの洋梨顔です。
【コウタロウ】
タイトリストはやっぱり面長ですよね。洋梨型でフェースがタテ方向に長く見える。たしかに上級者は好きかもしれませんが、つかまえにいきたくなる顔とも言えます。トウ側が少しだけ開いて見える、いわゆる「逃げ顔」ですね。
【ミタさん】
打った印象はどうですか?
【シオさん】
「GTS2」に比べると、右にいく感じが強くなった。アスリートゴルファーを想定して、つかまりを抑えていると思います。いつも通り右に打ち出しても、そこから右方向に曲がってしまう打球が多かったです。
【ミタさん】
弾道データを比較すると「GTS2」に比べてボールスピードが約1m/s落ちて、飛距離も10ヤード以上ダウンしています。シオさんの場合、ウエートやSure Fitホーゼルをドロー方向に調整してもう少しつかまるセッティングでも良いかも。
【コウタロウ】
振り感は「GTS2」より「GTS3」の方が好きですし、飛距離性能も申し分なし。そして何より、打った瞬間の打球イメージと実際の打球がバッチリ合います。やっぱりコントロールしたいゴルファーは「3」になるんでしょうね。
【ミタさん】
コウタロウは「GTS」シリーズの中で「GTS3」が一番飛んでいました。ロフト9度にしては、バックスピン量も1800~2000回転で安定していました。
【コウタロウ】
「GTS2」同様に、ボールスピードとスピン量の安定感はあります。ただ、打点がブレるとそれなりに曲がります。予想はしていましたが「GTS2」よりもシビアではありますね。助けてくれるというより“攻められる”印象の方が強いです。
【ミタさん】
どんなゴルファーに向いていますか?
【コウタロウ】
前作同様に、振り抜きの良さと操作性を求めるゴルファーです。また「GT3」よりも、初速が安定しているので、前作からのスイッチするメリットも大きいと思います。ウエートの調整・変更でより自分仕様に出来ることもあり、「3」ユーザーからの満足度はかなり高いでしょう。
【シオさん】
しっかりフェースをスクエアに戻せて、コントロールする技術がある人に使ってほしい。どちらかと言えば、フェードヒッターの方が相性が良いでしょうね。
【ミタさん】
寛容性が上がった「GTS2」と比較すると、「GTS3」はタイトリストらしいアスリート仕様を継承した“狙って飛ばせるドライバー”です。モデルとしての立ち位置も前作同様と考えていいでしょう。「GTS2」が直進性が高いのに対して、「GTS3」は操作性が高い。その分、ミスヒットに対してはシビアになってくるので、やはり大きく芯を外さないゴルファーがユーザー対象になりそう。ウエートの調整幅が広がったことで、より自分好みの「3」にできることも大きな魅力です。
【コウタロウ】
ここまでハッキリとした洋梨型ドライバーも少なくなりました。競技ゴルファーのなかでも、90年代・2000年代の形状を使ってきたベテランゴルファーが好きなドライバーです。
まとめ
試打したクラブのスペック
タイトリスト GTS3ドライバー
●ロフト角:9度(コウタロウ)、10度(シオさん)●シャフト:テンセイ プロ ホワイト 1K 65(コウタロウ)、テンセイ プロ ブルー 1K 55(シオさん)●硬さ:共にS
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。