シニア世代のアスリートもイケる 玄人好みの“げんこつドライバー” スリクソン「ZXi TR」試打
11月の発売以来、好調なセールスを続けているスリクソン「ZXiシリーズ」。今回はドライバー4機種のうち、唯一、ヘッド体積450ccの「ZXi TR」を紹介。その特徴をギアの知識が豊富なミタさんが特徴を解説、飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
「ZXi」シリーズで唯一の450cc。でも「LS」ほどハードではない
【ミタさん】
今回紹介するのは「スリクソン ZXi TR(以下TR)」です。
【コウタロウ】
「TR」って、「ZXi LS(以下LS)」とターゲットが被っていませんか?
【ミタさん】
どちらもスピン量は抑えていますし、アスリートモデルです。ただ「LS」がヘッド体積460ccなのに対して「TR」は450ccです。
【シオさん】
ということは「LS」より難しいの?
【ミタさん】
そこは微妙なところです。ヘッドサイズは小さいですが、スピンは「LS」よりも少し増えるので弾道は高くなりやすい。ボールの上がりやすさで言えば「TR」になりますが、寛容性は決して高くありません。共通のテクノロジーとしてフェースセンターを最薄にして、周辺部を厚くした「i-FLEX」設計で、ミスヒットしたときの飛距離のロスを抑えています。
【コウタロウ】
ヘッドサイズを小さくするメリットは?
【ミタさん】
操作性の良さです。「TR」は4機種の中で最も重心距離が短く、慣性モーメントも小さいので、ヘッドをコントロールしやすい。自分の持ち球がしっかり定まっていたり、ドローやフェードを自在に打ち分けたいゴルファーには向いていると思います。
【シオさん】
ヘッド後方部にウエート調整機能もついていますね。
【ミタさん】
標準だとヒール側に10グラム、トウ側に4グラム。逆にするだけで、球筋が真逆になるくらい変わると思いますよ。
【コウタロウ】
純正シャフトは?
【ミタさん】
「ベンタス ZXi6」です。フレックスSで重さが59グラムでトルクが4.3。先端部の挙動がおとなしめで純正シャフトとしてはハードな部類に入るでしょう。
【コウタロウ】
そのスペックなら、カスタムシャフトにしなくていいかも。
フェースに乗る打感でコントロール性がとにかく高い
【コウタロウ】
アドレスした印象としては、ヘッドが小さい感じはあまりしません。トウ側にボリュームを持たせた洋梨顔で、つかまりすぎないイメージがとても湧きます。「ZXi」4機種の中で一番好きな顔です。
【ミタさん】
打った印象はどうですか?
【コウタロウ】
ボールスピードで言えば「LS」が上だけど、「TR」の方がフェードボールは打ちやすい。飛距離性能よりも、操作性の高さを強く感じられるドライバーです。フェードでランを抑えながら、フェアウェイにボールを置くイメージを出しやすい。この雰囲気は昔ながらの“スリクソンらしさ”が感じられて、どことなく懐かしい。シニア世代の玄人ゴルファーも好きなドライバーだと思います。
【ミタさん】
シオさんはどうでした?
【シオさん】
今回テストした「TR」のロフトが9度ということもあって、もっと難しいかなと思っていましたが意外と打てました。10.5度の「LS」よりもスピン量が平均で200回転ほど多く、どちらかと言えばスタンダードの「ZXi」の操作性をより高めたような印象です。あと、ヘッドのフォルムが美しい。フェースからヘッド後方に大きく伸びた形状が多いなか、これはコンパクトでフェースの高さがしっかり見えるディープ形状。私の世代に近い、50代以上のゴルファーが好きな顔だと思います。
【ミタさん】
球筋も安定していましたね。
【シオさん】
フェースに乗る感覚があるので、ボールをコントロールしやすい。「MAX」や「LS」とは打感が違っていて、食いつき感がしっかりありますよ。
【ミタさん】
コウタロウはウエートを入れ替えてみてどうでしたか?
【コウタロウ】
私はプルフェード(少し左に出て、センターに戻ってくる球筋)が持ち球ですが、スタンダードのポジションで十分にフェードが打てます。ウエートを逆(ヒール4グラム、トウ10グラム)にするとかなりつかまりにくいヘッドになるので、普段スタンダードモデルやMAXを使っている方は相当シビアだと思います。
【ミタさん】
スリクソン「ZXiシリーズ」で最も操作性が高いドライバーです。ただし、弾道は高弾道の「ZXi」と中弾道の「LS」の中間くらい。ゴルファーとしては中・上級者で、寛容性よりも操作性を求めるタイプと相性がいいでしょう。ヘッドスピード42m/s前後の競技ゴルファーにピッタリです。決してオートマチックにつかまるヘッドではないので、スライサーが使うのはNGです。
【シオさん】
50代以上のシニアゴルファーでも意外と打てます。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
スリクソン ZXi TRドライバー
●ロフト角:9度 ●シャフト:ベンタス ZXi6●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
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