やさしさと操作性を求めるアスリートに「ピン i210 アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるシャフトは、日本シャフトの「NSプロ モーダス3 ツアー105」のSフレックス。
まずは7番アイアンから打ってみた。1発目から打ち出しが高く、スピンも適度に効いた弾道。ロフト角は33度で、最近の飛び系アイアンに比べると大きめなので、高弾道でグリーンにピタッと止まる球が打てる。球の上がり方に関しては、「i200 アイアン」にとても似ている。
ヘッド形状は前作とあまり変わらないが、打感の違いは非常に大きい。バックフェース側に埋め込まれたエラストマーCTPが拡大したからだと思うが、インパクトでのフェースの弾き感が薄まっており、ボールを包み込む感触が手に伝わる。マッスルバックの重厚な打感とは少し異なるものの、非常にソフトで前作よりも球離れが遅く感じる。
インパクトでのボールの飛び出しはやや早めなのに、打感がソフト。これは今までにない感触だが、前作以上に吸い付く感じがする。
ソール幅はそれほど広くはないが、バウンス角が大きく、インパクト時にソールがしっかり地面とコンタクトする。ダフりのミスに強く、ダウンブロー軌道でヘッドを入れた方が抜けがいいアイアンだ。
見た目通りに操作性も高く、アウトサイドからカットに入れると左から右に曲がるフェード、インサイドからヘッドを入れると右から左に曲がるドローが打てる。スイートエリアもキャビティ効果で適度に広く、操作性を保ちつつ、ミスの許容範囲も広くなっている。
弾道は高めで、スピン量も多め。弾道計測してみると打ち出し角が20度前後で、スピン量は5400~6000回転。前作に比べるとスピン量は少し減っているが、それでも最近の7番アイアンにしてはスピンがしっかりかかる。これは、重心位置が少し下がったことが影響しているのかもしれない。
「NSプロ モーダス3 ツアー105」は、切り返しで手元がしなる「ダイナミックゴールド」を軽くしたフィーリングがあり、吹け上がりを抑えた弾道が打ちやすいシャフトだ。
「i200」に比べると、明らかに打感がソフトで飛距離性能も向上しており、ミスに対する寛容性、操作性に関しては「i200」を踏襲している。打感の良さを求めるゴルファーや、適度なやさしさを求めつつ、操作性の高いアイアンを使いたいアスリートゴルファーにとっては、非常に満足度が高いアイアンである。