構えやすく打ちやすいぶっ飛び系「ヤマハ インプレス UD+2 アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるのは、メーカー純正のカーボンシャフト「MX-519i」、SRフレックス。シャフト先端側にタングステンが含まれたシートが装着されている。
まずは9番アイアンから構えると、クラブの長さとヘッド形状に戸惑いを感じた。通常の9番よりも1インチ長く、ロフトが立っていることに加え、フェース形状が面長。アドレスから“+2番手”を実感し、7番を構えているかのような感覚になる。
打ってみると、弾き感は前作以上だった。ボールの飛び方も9番ではなく7番という感じで、ショートアイアンとは思えない鋭く強い弾道だ。
9番のロフト角は33度だが、ショートアイアンらしくボールはちゃんと上がる。飛距離を計測してみると、キャリーで150ydだった。
続いて7番アイアン。こちらもフェースの弾き感が強く、ボールは鋭く前に飛び出す。アイアン型ユーティリティを打っているかのような、球離れが早い感触が手に伝わる。
7番のロフト角は26度。一般的なアイアンよりロフトがかなり立っているが、ボールはいい感じの高さで上がる。ただしスピンは多くない。スピン量に関しては5番と同じぐらいだ。
飛距離は普段の7番よりも20ydはキャリーが伸び、ランを含めると30ydほど伸びた。フェースの弾きが強いのに加え、ストロングロフトでスピンが少ない。この3つの効果で、7番でも楽にキャリーが170ydを超えてくるのだ。
7番で弾道計測すると、打ち出し角は15~17度で、スピン量は3900~4400回転ほど。
前作と明らかに異なっているのが、つかまり具合だ。前作よりも重心距離が少し伸びたことで、インサイドからヘッドが入っても、つかまり過ぎるミスや引っかけのミスが出づらく、直進性が高くなっている。
ソールは幅広で、バウンス角はほとんどない。ソールの跳ね上がりが少ないので、ダウンブローに打つよりも浅い入射角で払って打つ方がヘッドの抜けがいい。
純正シャフト「MX-519i」は、切り返しで中間部分がしなり、インパクトにかけてはシャフト先端のしなり戻りがやや大きめ。ボールがつかまりやすく、かつ高弾道が打ちやすいシャフトだ。
これまで同様、超ストロングロフトで+2番手の飛びを約束してくれる「UD+2」。今回のモデルチェンジで、つかまり一辺倒から脱却し、スライサー以外のゴルファーにも扱いやすくなった。加えて、前作よりもフェースの反発性能が向上し、ボール初速が増している。