シャープなヘッド、低スピンで飛ばす「ピン G410 LST ドライバー」
打ってみると?
試打クラブは、ロフト角10.5度。シャフトは純正装着される「ALTA J CB RED」のSフレックス。これは国内女子ツアーで活躍する鈴木愛も使用している。ワッグルすると、中間から先端にかけてしなりを感じる。
据わりの影響もあるが、「G410 PLUS」と同様に、スタンダードポジションでヘッドをポンと地面に置くと、フェースが開く方向に少し回転する。
ウェートがノーマルポジションであるのを確認し、スイングしてみた。1発目は軽いフェード弾道。前作の「G400 LSテック」に比べるとつかまりが良くなっているが、「G410」の3つのモデルの中ではつかまりが一番控えめだ。打感は兄弟モデルと同様に、フェースの弾き感が増しているのが手に伝わり、鋭く力強くボールが飛び出す。
ドロー弾道をイメージして打つと、ストレートからわずかにドロー弾道となった。ヘッドがゆっくりターンするので、インサイドからヘッドを入れてもフェースが被りづらい。自分のイメージよりも左に曲がる度合いが少なく、感覚的にはドロー気味にヘッドを入れるとストレート弾道、フックを打つつもりでヘッドを入れると、コントロールが利いたドロー弾道が打てる。
次に、ウェートをドローポジションに入れるとつかまりが良くなり、インパクトでイメージ通りにヘッドがターンする。ストレートに入れるとストレート弾道、インサイドからヘッドを入れると、ドロー弾道が打てる。スイングの仕方でも変わると思うが、個人的にはドローポジションの方が、イメージ通りの弾道が打ちやすい。
最後にウェートをフェードのポジションに入れると、インパクトでフェースが被る感じがまったくない。ストレートに打つつもりでスイングしたら右にプッシュアウト気味にボールが飛び出す。つかまりは悪くなるが、チーピンのミスはまず出ない感じだ。
ヘッドの慣性モーメントの大きさに関しては申し分なく、芯を外して打った時、打点が左右にずれた時でもヘッドがブレにくく、飛距離も方向性も安定している。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測すると、打ち出し角は13度前後で、スピン量は2300~2600回転。フェース上側で打つと、スピン量が減って2100回転前後となり、キャリーとランで飛距離を稼げた。
「G410 LST」は重心が少し浅いのだろう。「G410 PLUS」や「G410 SFT」に比べると、200回転ほどスピンが少ない球がオートマチックに打てる。
「ALTA J CB RED」は、トップからダウンスイングへの切り返しで、シャフトの中間部分がやや大きめにしなり、インパクトゾーンでは先端がスピーディーにしなり戻る。インパクトゾーンで先端が大きめに動くのでつかまりが良く、かつ高弾道が打ちやすく仕上がっている。
「G410 PLUS」と打ち比べると、明らかにスピンが少ない弾道が打てる。左へのミスが出づらい特性は前作「G400 LST」譲りだが、弾道調整機能でドローポジションにすると、程よい低スピン弾道となる。
直進性の高い弾道でさらなる飛距離を求めるゴルファーにとっては、前作よりもやさしく飛ばせるドライバーになっている。