自分に合う「GTSドライバー」はどのモデル?フィッターは何を見て、どう選ぶのか“思考回路”をのぞき見
■なぜ、ロフト角を「10度」から「9.25度」へ立てたのか?
スピン不足が見つかったにもかかわらず、次に行ったのはロフト10度のヘッドを9.25度へ立てる調整だった。「球がさらに上がらなくなるのでは?」。そう思うゴルファーも多いだろう。しかし、ここにプロとしての緻密な計算がある。
「打ち出し角は14.3度と、すでに十分に高く上がっていました。つまり、ヘッド側でこれ以上高さを出す必要はない。むしろ少しロフトを立てることで、エネルギー伝達効率を上げてボールスピードを最大化します。足りないスピン量はロフト角で無理に増やすのではなく、次に合わせる『シャフトの挙動』で十分に補い、引き上げることができると踏んだのです」
ロフトの数字だけではなく、弾道全体を見ながら最適解を探る。ここにフィッターならではの視点があった。
■なぜ、自分では絶対に選ばない「65X」のシャフトを提案したのか?
続いての提案は、三菱ケミカルの『テンセイ 1Kホワイト RIP 65X』というシャフトだ。アマチュアゴルファーなら、「65X」の文字を見ただけで「硬すぎる、重すぎる」と躊躇するスペックだ。
「みなさんスペックの文字を見てアレルギーを持たれますが、私たちが見ているのはスペックではなく、シャフト全体の『動き方』。切り返しの強さやタイミングを見たときに、Nさんには手元がしなり、先端がしっかりしたこのホワイトが合うと確信しました」
結果は明快だった。ボールスピードは約62m/sから64m/sへ向上。スピン量も2500rpm前後で安定し、この日最長となる231ヤードのキャリーを記録した。「自分では選ばないスペック」が最適解になる。それもフィッティングのおもしろさだろう。
■なぜ、あえてウエートを逆にして実験したのか?
最後に行ったのが、GTSの大きなテクノロジー進化である「前後ウエート」の入替テストだ。GTS2のソールには、標準で前方に11g、後方に5gのウエートが配分されている。井上氏はこれを(前方を5g、後方を11gに)入れ替え、フィッティングを促した。一般に「後方ウエートを重くすれば、深重心になってスピンが増え、球が上がりやすく、やさしくなる」といわれている配置だ。
だが、実際にスイングすると、スピン量は一気に「3475rpm」まで急増し、球は高く吹け上がって飛距離は20ヤード近くロスしてしまった。
「ゴルフにおける『やさしさ』の定義は人それぞれ。インパクトで自然とロフトを効率よく使えるスイングの人にとって、後ろが重すぎるヘッドはインパクトでフェースが寝てしまい、余分なスピンが増えて飛ばなくなる『難しいクラブ』に化けてしまうのです」
GTS2ならウエート入れ替え機能、GTS3・GTS4は前後ウエートの重量比率をカスタム調整することで、重心特性を自在にコントロールできる。フィッターにとっては、それだけ多くの引き出しを持っているということ。だからこそ、どんなスイングタイプにも妥協なく向き合える。
その中で今回の編集部員Nに最適だったのは、標準設定(前方11g・後方5g)。データと体感の両面からその答えが導き出された。
■なぜ、このセッティングへたどり着いたのか?
濃密なセッションを経て、最終的に導き出された最適解は以下の通りだ。
ヘッド:GTS2(ロフト 9.25度/D1調整)、ウエート:標準設定(前方11g/後方5g)、シャフト:テンセイ 1K ホワイト RIP 65X(45インチ)
「たまに出る左への低いダックフック」という悩みの一因は、1700rpm台まで落ち込むスピン量不足にあった。井上氏はまずGTS2で原因を特定し、ロフト角10度のヘッドを「9.25度」に立てることでボールスピードを高め、アドレス時のフェース面の見え方による入射角度、スピン量の安定性が向上。自分では選ばない「65X」のシャフトを合わせることで、振り心地の改善もあり、適正な打ち出しの高さと安定したスピン量(2500rpm)を確保した。
「大切なのは、コースに立ったときに、何の迷いもなく安心して振り切れることです」。GTS2からスタートし、ロフト、シャフト、ウエートと一つひとつ検証を重ねた結果、スピン量は安定。ボールスピードも向上した。
■答えは、スペック表ではなく「フィッターの思考回路」の中にあった
多くのゴルファーは、スペック表やクチコミを頼りにクラブを選ぶ。しかし、その情報だけでは、自分のスイング特性やインパクト時のデータまでは見えてこない。
「タイトリストは、アスリート向けの難しいクラブメーカー」-。そんな先入観を抱く人にこそ、「タイトリスト フィッティングセンター 東京」はおすすめだ。タイトリストがGTSに多彩な選択肢とウエートシステムを用意したのは、どんなゴルファーのどんな個性的なスイングに対しても、完全に寄り添える「選択肢の幅」を提供するため。
そして、無限の可能性の中から、自分に合う1本をデータと経験で正確に選び出してくれるフィッターの「思考回路」に触れたとき、ゴルフは変わるはずだ。ドライバー選びに少しでも迷いを感じているなら、羽田で極上の答え合わせを体験しない手はない。
撮影:角田慎太郎
協力:タイトリスト フィッティングセンター 東京(東京都大田区羽田空港1-1-4 Haneda Innovation City 1F)

























