テーラーメイドはなぜカーボンフェースにこだわったのか
テーラーメイドの最新モデル「ステルス」シリーズの全貌が明らかとなった。一番の目玉は、カーボンを60層に重ね合わせて作られたフェース構造になるだろう。構想を練り始めた2000年から22年間の歳月をかけて完成させたテクノロジーとあって、同社がチタンウッドの終焉とともに「新時代の幕開け」と大きく打ち出したこともうなずける。
カーボンでしか実現できないこと
では、なぜそこまでカーボンにこだわり続けてきたのか? 担当する高橋伸忠プロダクトディレクターは、「チタン素材では不可能だった軽さ」を挙げた。
「従来モデルよりもフェースを約50%軽量化(43→24g)できたことで、ヘッド重量を変えることなく、後方の重さを自然に際立たせる構造に仕上げることができました。重さがあるチタンフェースでは、それ以上に後方を重くすることでしか重心位置を後方にもっていくことができませんでした」
軽さといえば、「SIM2」シリーズで採用されたアルミニウムも同じ魅力を持つ。非常に軽量でクラブ作りに適した素材とも思えるが、高橋氏はアルミには欠点があるのだという。
「アルミはカーボン以上の軽さを持ちますが、インパクトの衝撃に耐えられるほどの強度がありません。『SIM2』ではヘッド後方に配置しましたが、フェースに採用できる素材ではありません。カーボンのように、層として分けることができず、厚さでしか勝負できない点も採用が難しい要因でした」と、カーボンの優位性を強調した。
「カーボンのもうひとつの魅力は強度です。実は70、80層とテストを繰り返し、我々が適度と判断した答えが60層。重ねすぎては硬すぎるし、薄すぎては耐久性が心配。複雑化したカーボンを60層に重ね合わせ、ナノレベルでの表面加工によって、高い強度と大きなたわみをもたらすことができました。重量を軽減することで、フェース面積も『SIM』より20%拡大することが可能になりました」
過去モデルのマイナス評価を糧に
また、高橋氏は打音の改善に尽力したことにも言及。「これまで国内限定販売の『グローレ』シリーズでもカーボンフェースの採用に踏み切ったモデルはありましたが、カーボンならではのややこもり気味の音や鈍い打感という部分で、多くのユーザーからマイナスの評価をいただきました。そんな悪い面も、しっかりと今作の開発に反映しました。特に打音は、音声・音響の研究を行っている日本音響研究所で、ゴルファーが心地よく感じる音域を含んでいることが実証されました」と、打音専門の開発チームを同社内に設けるほど、こだわり抜いたことを誇らしげに語った。
カーボンフェースの軽さと強度を手に入れるため、試行錯誤を繰り返し続けた22年間。紆余曲折がありながら費やした長い年月は、それだけ理想のカーボンヘッドを実現することの難解さと、完成への強い執念を物語っているようだった。(編集部・内田佳)
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