浅重心の新作マレットが早くも2勝目 ツアーで人気の理由を探る
国内男子ツアー「中日クラウンズ」で、3位から最終日をスタートした稲森佑貴が鮮やかな逆転優勝を決めた。稲森といえば正確無比なティショットで知られるが、一方で注目されているのが好調なパットを支えたオデッセイの「ELEVEN(イレブン)パター」だ。今季1勝の比嘉一貴のほか、片山晋呉、秋吉翔太ら7人が同大会で使用するなど、切り替える選手が増えているという。男子ツアーで存在感を増している理由を、プロゴルファーの中井学がプレーヤー目線で考察する。
プロにとって“鬼に金棒”
今年2月に登場した新作ネオマレット型パターの特徴は、ソール前方のトウとヒール側にそれぞれ10gのウェイトを配置し、重心をフェース側に寄せる“浅重心”に設計されていること。ヘッドがブレにくい慣性モーメント(MOI)量を確保しつつ、ブレード型パターのような高い操作性を持ち合わせるという。ラインアップは、ネック形状やスコアラインのデザインが異なる5種類。比嘉はダブルベントネックの「ELEVEN TOUR LINED パター」、稲森はセンターシャフトの「ELEVEN CS TOUR LINED パター」で勝利した。
中井プロは、この高いMOIと操作性を両立させた性能こそ、男子ツアーで使用率が上がっている一番の要因に挙げる。
「これまでマレットは、重心を後方に持ってくることでMOIを上げてきましたが、例えばオープン・トゥ・クローズでストロークをするような操作に全く対応できなくなっていた。特に男子は、フェースの開閉を使って打つ選手がけっこう多いんです。ELEVENは、重心が浅くなって操作性が上がったうえにミスヒットにも強い。これは、プロにとって“鬼に金棒”という感覚ですね」
大ヒットの初代「2ボール」も浅重心だった
また、ELEVENが受け入れられている理由は、2002年に発売されて大ヒットしたネオマレット型パター、初代「ホワイトホット 2ボール」がプロの間で根強い人気を誇っていることと無関係ではないようだ。
「いまだに初代2ボールを使うプロが多い理由は、重心が浅いからなんです。日本のグリーンは表面がキレイで極端に曲がるラインが少ないため、直線的にしっかりと打てることの勝負にもなる。その点で長けているマレットで、かつ高い操作性を備えています。そのあとに出た2ボールは、重心を深くすることでMOIは上がっていきましたが、結果的に操作性を下げてしまった。ボクも、初代2ボールを手元に残しているひとりです」
近年は、他社からも重心位置を浅めに設計したネオマレットパターが登場し始めている。大型ヘッドでもスムーズに動かせることは、速めのテンポやリズムのストロークにも順応しやすいメリットがあるという。プロ・アマを問わず、浅重心のネオマレットが今後のトレンドとなりうるのか注目だ。
中井 学 プロフィール
1972年生まれ、大阪府出身。14歳でゴルフを始め、高校卒業後に米カリフォルニア州のシトラスコミュニティカレッジへゴルフ留学。帰国後はコーチングに専念し、プロから初心者まで幅広い層から高い支持を得る。2015年に43歳でプロテスト合格。
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