「予算自由っスか!?」ギアマニアの妄想ショッピング “夢の14本”を中古で組んだ
ゴルフクラブだって、コストパフォーマンスに優れていたほうがいいに決まっている。しかし、宝くじが当たったらどうだろう…。編集部から「おカネに糸目をつけずに14本を選んでみてほしい」とリクエストされた。今回は筆者の妄想にお付き合い願いたい。
あの時、買っておけばよかった…限定発売のドライバー
「どれだけ高くてもイイなら、新品にすれば?」。それはある意味で正しいが、中古市場には新品ではすでに手に入らないクラブがあるのをお忘れなく。一度売り切れると、なかなか再販されず中古でも高値になるモデルも存在するのだ。
キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンドMAX」(2024年)はそんな逸品。中古では非常にレアで、新品価格(11万1100円)とほぼ同じ値段が付けられている。「トリプルダイヤ」と「MAX」を足して2で割ったような絶妙な性能に心をくすぐられる。
7月に発売されたプロギア「RS MAX」(2024年)も操作性と寛容性のバランスに優れたドライバーで、筆者はメチャクチャ好み。初速もよく出る。最近の中古ショップは新製品でもすぐに店頭に並ぶケースがあり、6万円台で見つかるかも。
フェアウェイウッドは流行りモノを どうせ使わない3Wの代わりに…
ヘッド体積の小さい、再ブーム到来のミニドライバーは、ほとんどが数量限定モデルのため中古市場では割高価格で推移している。ドライバーショットのヘッドスピードが40m/sに届くか、届かないか…の筆者にはあまり必要性はないのだが、どうせラウンド中に使わない3Wの代わりに入れてみたい。そして、“直ドラ”をやりたい!
シャローフェースのテーラーメイド「バーナーミニ」(2023年)が、形状的に直ドラがやりやすそうだ。お値段は5万円前後。ロフト角は11.5度と13.5度がラインアップされているが、後者を選ぶ。
その他のフェアウェイウッドは米ツアーで人気のテーラーメイド「Qi10」(2024年)を合わせたい。松山英樹やキーガン・ブラッドリー、アダム・スコット(オーストラリア)ら契約外の選手にも人気がある。3万円台後半が相場。5Wと7Wまで入れたい。ちなみにスコットは9W(日本未発売)を使ったこともある。
ユーティリティはド定番を
ユーティリティはキャロウェイ「パラダイム スーパーハイブリッド」(2023年)。相場は3万円台後半と高値だが、チタンヘッドでミスに強く、抜群の安定感がある。値段が下がったらゲットしたいと思っていた逸品だ。
ピン「G430ハイブリッド」(2023年)はロフトバリエーションの多さや、純正シャフトの種類の豊富さで売り上げを伸ばしている。コスパにこだわるなら前作の「G425」や前々作「G410」などがオススメだが、今回は最新作を選んだ。2万円台後半が相場だ。
アイアンは美しさに惹かれるものを
予算の制約がないと、憧れの逸品を選びたくなる。例えば、エポンやロッディオといった地クラブと呼ばれるパーツブランドのアイアンだ。マスダゴルフ「JM-H2」(2023年)は尾崎将司監修のアイアンで、ソールの薄さにちょっとビビるが、意外と打ててしまう。ミスヒットにも驚くほど強い。
ピンのフォージドモデル「ブループリントS」(2023年)も価格が落ちにくい。アスリート向けだが、驚きの使いやすさが魅力。ブレードタイプの「ブループリントT」はカッコいいがやはり手強い。Sならなんとかなりそう。どちらもセットで15万円前後だが、性能は間違いない。
ウェッジは新品がイイんじゃない?
正直なところ、ウェッジは消耗品と考え、予算があるなら新品をお勧めしたい。ただ、今回は新品では高価なPXG「シュガーダディ2」(2022年)を紹介。フェースだけではなくヘッド全体を無垢の金属から削り出して作っているのでスピン性能も高い。
もしくはタイトリスト「SM10」などを新品で揃え、50度、54度、58度などとバリエーションを増やすのもいいだろう。
パターは「リスペクトできるかどうか」
ミーハーな筆者はネオマレット型のオデッセイ「LIMITED EDITION JAILBIRD 380」(2023年)が欲しかった時期があった。新品以上の価格が付いた時期もあったが、「AI-ONE CRUISER JAILBIRD」(2024年)という同じコンセプトでインサートが異なるモデルが発売されたこともあり、最近は落ち着いている。
スコッティキャメロン「ファントム 5.5」(2024年)や、ピンタイプ製造の本家としてのプライドをクオリティの高さに感じるピン「PLD ミルド アンサー 2 マットブラック」(2023年)など、製品としてリスペクトしたいパターを買いたい。
妄想は楽しい。コースや季節、コンディションに応じて、セッティングに幅を持たせる番手をオトナ買いするのもアリだ。7Wか、UTか?アイアンは何番まで?ウェッジを増やす?完ぺきな14本を目指すだけでなく、対応力に優れた20本をそろえるというお金の使い方も、頭の片隅にでも入れておいてほしい。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。