「明るいスリーウッド計画」中古で3Wを買う時の失敗しないコツ
1Wを除くと、最も長くてロフト角が小さいクラブが3Wだ。理屈では主に地面から打つクラブの中では最も飛距離が出るものの、キャディバッグの中の14本で一番難しいと言われている。ツアープロでも3Wを入れていない選手もいるのが実情だ。私見ではヘッドスピードが43m/s以上で、シングルハンデの腕前がないと使いこなすのは難しいと思うのだが、一番と言えるほどよく聞かれるのが「やさしい3Wを教えて」である。私の答えは一貫して“そんなクラブはない”なのだが、今回はできるだけ使いやすい3Wの選び方を紹介する。
やさしい3Wの中身を考えてみよう
「やさしい」と聞くと、まず“ミスヒットに強い”というフレーズが思い浮かぶだろう。ただし、ティアップをしない上にクラブが長いと、そもそもヘッドにボールを当てることが難しい。まずは“フェースに当てやすい”ことを考える。
クラブの持つ「やさしさ」が効いてくるのは、フェースに当たってから。そこからようやく、ボールが上がりやすい、ボールをつかまえやすい、ミスヒットに強いという性能が表現される。ただし、小さいロフト角でボールを上げるためには、ある程度のヘッドスピードが必要なことはお忘れなく。
ボールに当てやすい&芯でとらえやすい3Wはシャフト選びがカギ
ヘッド選びはもちろんだが、シャフト選びも大切だ。自分に合うシャフトだとクラブの芯でボールをとらえられる確率が上がる。ツアープロの多くはフェアウェイウッドのシャフトを“コレ”と決めてなかなか替えない。「グラファイトデザイン ツアーAD DI」(2009年)を選ぶ松山英樹、「PT」(2006年)を使い続ける上田桃子などが代表的。見つけるのは難しいが、自分の好きなシャフトが入っている3Wを探す、もしくはリシャフトするのもオススメだ。
愛用シャフトがない場合は、使っている1Wと似たタイプのモデルを選びたい。その際は同じ硬さを選ぶことが大事。重量も大切で1Wよりも軽いシャフトを選ばないように。少し(10g程度)重いシャフトか、同じ重さを選んで欲しい。
ボールが上がる&つかまるは「ロフト角」がキモ。大き目が無難
3Wというと、ロフト角15度がやたらと多いが、意外ともっと大きいものも存在する。例えば「プロギア LS」(2021年)の3Wは16.5度。4Wでは?とツッコミを入れたくなる設定だ。ボールが上がりやすくてつかまりも良く、スピン量も多くてオススメしたい3W。1万円台後半から見つかるだろう。
また、テーラーメイドやキャロウェイ、本間ゴルフが展開している「3HL」という設定がある。こちらもロフト角が16.5度と絶妙だ。「キャロウェイ パラダイム」(2023年)は、可変スリーブなのでロフト角を増やすこともできる。3万円台前半からが相場。
「本間ゴルフ ツアーワールドTW747」(2018年)は1万円を切る価格が魅力。9000円前後で見つかるだろう。”15度と1.5度しか差がないじゃないか”と思うかもしれないが、この差はかなり効く。“3”にこだわるなら、「名前だけ3W」のロフト角が大き目を探すと良いだろう。
ミスヒットに強い=慣性モーメントが大きい3Wは?
ボールがフェースに当てられるようになったら、ミスヒットに強いヘッドを選びたい。慣性モーメントが大きいヘッドは「ピン G425 MAX」(2020年)が代表的だが、オススメは「G425 SFT」(2020年)。MAXのロフト角14.5度に対し、SFTは16度と大きくボールが上がりやすい。さらに、フェース角がクローズ気味なのでスライスしにくい。2万5000円前後が相場となる。
ピンは純正シャフトのバリエーションが多いのも魅力。SFTの設定は「G410」(2019年)、「G400」(2017年)にもあり、どちらも1万円台後半が相場。予算に応じてこちらも探してみてはいかがだろう。
あえて言いたい「オススメしない3W」
中には簡単にオススメできない3Wもある。ズバリ、ツアープロの中でもクラブ契約フリーの選手が選んで話題になる3Wだ。ボールをしっかりフェースに当てられるプロが手に取る3Wは低スピンで飛距離性能が高い、ぶっ飛びモデル。比重の軽いチタンボティで、超低重心化された3Wは慣性モーメントも小さくなりミスヒットに決して強くない。
プロならその飛距離性能をいかんなく発揮できるが、ミートが不安定なアマチュアはやはり慣性モーメントが大きくミスヒットに強い3Wを選ぼう。
大事なことなので繰り返すが、3Wは14本の中で一番難しいと言われている。“ない”とわかっているのに、やさしい3Wを探し求めて中古モデルを買い替え続けた筆者みたいな行いはやめにしたほうが良い。3HL? 4W? いや5Wで十分だ。それでもなんとか探したい人、気持ちはとても理解できる! そんなあなたの参考になればうれしい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。
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