時間との闘いの中で正確さも必要

（上）伝票で自分の担当組を確認／（下）カートを車庫からマスター室前まで出して準備

（S吉）朝6時半、まだ眠いです。想像はしてましたが、キャディさんの一日は朝早いですね。

（笹川）はい。では、まずカートの準備をします。お客様がいらっしゃる前に準備しますので、急ぎますよ！

（S吉）了解！

…数十台あるカートを次々と車庫から出して、マスター室前に並べていく…

（笹川）終わったら、今日自分がつく組の伝票が出ているので確認します。他の組と間違えないようにしっかりチェックしてくださいね。その後は、お客様が到着されたら、お預かりしたキャディバッグをカートに乗せて、出発まで控室で待機です。

（S吉）まさに時間との闘いっていう感じですね。で、今日は私もラウンドにつかせてもらえるんでしょうか？

（笹川）申し訳ありません、それは無理ですね。C.A.Sのサービスレベルには、先ほどもお話したとおり、数か月の研修を経験してはじめて達することができるので。今日はS吉クンにはバックヤードをやってもらいます。

（S吉）わかりました。一人前のC.A.Sにはそう簡単にはなれないってことですね…。でも、いつも表に見えているだけではないキャディさんのお仕事が体験できるので、それは望むところです。いつかのコースデビューを目指して今は修業させていただきます！

（笹川）（…この人、本気でキャディを目指すつもりかしら？？？）

キャディは体力・知力ともに要求される仕事

（上）C.A.Sどうしは情報交換で常にレベルアップの努力をしている／（下）お客様に楽しんでもらうため「プロ意識」を徹底

（笹川）それでは、私のつく組の出発まで多少時間がありますので、ご質問などあれば控室で待機中にうかがいます。

（S吉）はぁ～、すでに腕や足がパンパンです。キャディさんのお仕事って、思っていた以上に体力勝負の部分が大きいですね。

（笹川）健康第一、体力第一というのは間違いないですね。体力作りで、コース前の急坂をランニングしたり、筋トレしたりもしますよ。

（S吉）でも体力だけじゃなくて、ゴルフの知識やコースのことも知っておかなければならないですしね。

（笹川）はい。私も実は6年前に入社した時はゴルフクラブのことをほとんど知らなくて苦労しました。今でも、歴の長いお客様から色々教わることもあったりして、まだまだ努力が必要だなと感じています。

（S吉）ゴルフは奥が深いですからね～（なぜか、ちょっと偉そうに）。他にご苦労される点はありますか？

（笹川）安全第一ということも常に忘れないようにしています。自分がついた組の安全を守るのもキャディの大切な役目なので。打球事故や落雷事故の防止、体調を崩されたお客様への対応など、ゴルフのプレー以外でも配慮する部分は多いんですよ。

（S吉）総合的なサービス力が問われるわけですね。

（笹川）はい、そうなんです。あとは、どんな時でも笑顔を忘れないこと。サービスの基本です。でも、急いでいたり気持ちが焦っている時などはどうしても笑顔を忘れがちです。常に意識して、自然にできるようになるには、やはり訓練と経験がものを言います。

（S吉）やっぱり、自分がお客さんだったら、無愛想よりも笑顔のキャディさんの方がうれしいですもんね（…と、作り笑顔をするS吉クン）。

（笹川）S吉クンの笑顔も中々ですよ。…と、ここで私のつく組のスタートが近づいてきました。すみません、S吉クンには待っていてもらって、ラウンド後のお仕事を手伝っていただこうと思います。

（S吉）了解しました。それでは、続きは笹川さんが戻ってきた後の次回「後編」で！

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