扇風機つきベストを着てプレーしたら…アウト?/ルールQ&A

扇風機つきベストを着てプレーしたら…アウト?/ルールQ&A

暑い日に「扇風機つきウェア」を着てプレー。猛暑の中でも快適なプレーが楽しめた。でも同伴競技者から、「プレーの援助違反では?」のクレームが。冷却ファンつきベストはアリ?

流行の扇風機つきベストを着用した際のルーリング

■1
「暑さ対策」でプレーの援助にはあたらず問題ない。罰はない。

■2
プレーの援助「異常な用具の使用」とみなされ2罰打。

■3
プレーの援助「異常な用具の使用」とみなされ競技失格。

扇風機つきベストを着てプレーしたら…アウト?/ルールQ&A

暑いんだからいいでしょ?ダメ?

◇◇◇◇

正解は「1」

高温多湿な日本の環境にマッチした「扇風機つきウェア」ですが、規則に厳しいゴルフ界ではこの革新的な機能はどんな扱いになるのでしょうか?

現在、ゴルフルールを司るR&AやJGAからこれらの扇風機つきウェア(ファン付きウェア・空調服)の着用を禁止や許可する公式な統一見解や特例規則は発表されていません。

規則書の中で該当する項目をチェックすると、まず「用具の使用(規則4.3)」で、ゴルフはプレーヤーの判断力、技術や能力によって挑戦するゲームであるという原則に基づき、プレーの援助となるような用具の使用については細かな制限があります。

そのうちの用具規則「4. 衣服」では、コンプレッション(筋肉を締めつける)衣類の使用、姿勢矯正帯(ガードル)の使用は許可される反面、エネルギーを蓄えて放出するようにデザインされた衣類は「異常な用具」とみなされ違反とされます。

また別の規則「アドバイスと援助」では、「風雨などの気象状況から自分自身を保護するための行動(例/傘をさしてプレーする、雨合羽を着る)は禁止されていません(規則10.2b)。

勘案の結果、このウェアが暑さ対策、熱中症対策のためだけのウェアなら問題なく、違反にはならないと判断します。同様に首元を冷やす「ネックファン(首掛け扇風機)」や凍らせたクールネックリングもOKでしょう。

ただし、競技などで使用する場合は、念のため当該ゴルフ場や競技委員会に確認を取ることをおすすめします。(ルール解説&イラスト/小山混)

ーーーーーーーー
<ゴルフ規則>(抜粋)
規則4.3 用具の使用
規則4.3はプレーヤーがラウンド中に使用する可能性のあるすべての種類の用具に適用する。ただし、適合クラブと適合球でプレーすることの要件はこの規則ではなく、規則4.1と規則4.2で扱われる。
この規則は用具の使用方法だけを対象としており、 プレーヤーがラウンド中に持ち運ぶ用具を制限するものではない。
規則4.3a 認められる、禁止される用具の使用
プレーヤーはラウンド中に自分のプレーを援助する用具を使用することができる。ただし、次のことによって潜在的な利益を生み出してはならない:
・ゲームの挑戦に不可欠である技術や判断の必要性を人工的に無くしたり、軽減する用具(クラブと球以外)を使用すること。
・ストロークを行うときに異常な方法で用具(クラブと球を含む)を使用すること。「異常な方法」とは、意図された使途とは根本的に異なる方法や、ゲームをプレーすることの一部としては通常は受け入れられない方法を意味する。
この規則は、プレーヤーがクラブ、球、その他の用具を使用して行う行動を制限している他の規則の適用に影響しない(例えば、クラブや他の物をプレーヤーが位置を合わせる援助とするために置くこと(規則10.2b(3)参照))。

この規則に基づいてプレーヤーのラウンド中に認められる、そして認められない用具の使用の一般的な例。
(1)距離や方向の情報
認められる
・距離や方向に関する情報を得ること(例えば、距離計測機器やコンパス)。
認められない
・高低差を計測すること。
・距離や方向の情報を解明すること(例えば、プレーヤーの球の位置に基づき、推奨されるプレーの線やクラブの選択に関する情報を得るために機器を使用すること)。
・球に方向を合わせる援助となるアラインメント機器(用具規則の定義参照)を使用すること。
委員会の措置、セクション8;ローカルルールひな型G-5
(委員会は距離計測機器の使用を禁止するローカルルールを採用することができる)参照。

(2) 風や他の気象条件に関する情報
認められる
・天気予報から入手可能なあらゆる種類の気象情報(風速を含む)を得ること。
・コースの気温、湿度を計測すること。
認められない
・コースの風速を計測すること。
・風に関する他の情報を得るために人工物を使用すること(例えば、風向きを評価するために粉、ハンカチ、リボンなどを使用すること)。

(4)オーディオとビデオ
認められる
・プレーしている競技に関連しない出来事についてオーディオを聞くこと、ビデオを見ること(例えば、ニュースレポート、BGM)。しかし、そうする場合、他の人に配慮を示すべきである(規則1.2参照)。
認められない
・気を散らすものを排除するため、またはスイングのテンポに役立てるために音楽や他のオーディオを聞くこと。
・ラウンド中にクラブの選択をする、ストロークを行う、またはプレー方法の決定をするときに、プレーヤーを援助するためにその競技のビデオを見ること。ただし、プレーヤーは電子ビデオスコアボードなどのゴルフ競技会の観客のためのビデオを見ることができる。
委員会の措置、セクション8;ローカルルールひな型G-8
(委員会はラウンド中のオーディオ・ビデオ機器の使用を禁止、または制限するローカルルールを採用することができる)参照。

(5) 手袋やグリップ補助具
認められる
・用具規則の要件に適合する単純な手袋を使用すること。
・松脂、粉や他の保湿剤、乾燥剤を使用すること。
認められない
・用具規則の要件に適合していない手袋を使用すること。
・手の位置やグリップ力に不当な援助を与える用具を使用すること。

(6)ストレッチ機器とトレーニングまたはスイング補助器具
認められる
・一般的なストレッチ(練習スイングを行う場合を除く)のための用具を使用すること。その用具がデザインされている目的が、ストレッチのためなのか、ゴルフのときに使用するため(例えば、肩に沿って乗せられるアラインメント棒)なのか、またはゴルフに関連しない目的のため(例えば、ゴムチューブやパイプの切れ端)なのかは関係ない。
認められない
・いかなる種類のゴルフトレーニング補助器具、スイング補助器具(例えば、アラインメント棒、加重ヘッドカバー、ドーナツ型重り)、不適合クラブをプレーヤーがストロークのための準備やストロークを行うときにプレーヤーを支援することにより潜在的な利益を生じさせる方法で使用してはならない(例えば、スイングプレーン、グリップ、アラインメント、球の位置、姿勢の支援)。

前記の用具の使用の更なるガイダンスと他の種類の用具(例えば、服装と靴)は用具規則で閲覧できる。
特定の方法で用具を使用することができるかどうかについて疑問のあるプレーヤーは委員会に裁定を求めるべきである(規則20.2b参照)。

医療上の理由のために使用する用具
(1) 医療上の例外。 プレーヤーが次の条件を満たせば、病状を緩和するために用具を使用しても
規則4.3の違反とはならない:
・プレーヤーがその用具を使用する医学的根拠を持っている。
・その使用によってプレーヤーが他のプレーヤーよりも不当な利益を得ることはないと委員会が裁定する。
(2) テープ、または類似のカバーする物。 プレーヤーは粘着テープ、または類似のカバーする物を医療上の理由のために使用することができる(例えば、ケガの防止や、すでにあるケガを保護するため)。しかし、テープとカバーする物は:
・過剰に付けてはならない。
・医療上の理由のために必要以上にプレーヤーを援助するものであってはならない(例えば、プレーヤーがクラブをスイングする援助とするために関節を固定してはならない)。
テープや類似のカバーするものをどの場所に、どのように付けることができるか疑問のあるプレーヤーは委員会に裁定を求めるべきである。
規則4.3の違反の罰
・最初の違反の罰 一般の罰。 違反がホールとホールの間で起きた場合、罰は次のホールに適用する。
・2回目の違反の罰:失格。 この罰は、この2回目の違反の種類が最初の罰の原因となった違反のものとはまったく違うものであったとしても適用する。この罰は最初の違反の後に介在する出来事(規則1.3c(4)参照)があった場合にだけ適用する。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

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小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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