花粉症キャディ50人に聞いた! 他ではあまり教えたくない“ここだけ”の対策法
気温も緩やかに上昇し、いよいよゴルフ場も本格的な春のシーズンに突入しつつある。だが、花粉症のキャディにとっては年間最大の試練…。一般ゴルファー以上に花粉と長時間向き合っている彼女たちだからこそ知り得る情報はないか――。今回は実際に花粉症と戦うハウスキャディに緊急アンケートとヒアリングを実施。ベテランから若手までリアルな声を集め、“ここだけ”の具体策を聞き出した。
3位「マスク」2位「目薬」を抑えて1位になったのは…
まずは普段からどういう対策をしているのか? 一般的な対策法から複数回答してもらい、その割合の高さでランキングを作成。すると、「飲み薬」が50人中47人(94%)とかなり高い割合で第1位に。次いで2位「目薬」が75%、3位「専用マスク(※フェイスカバー、フィルター付きを含む)」42%と続いた。
一般的に花粉症対策といえば、「マスク」や「目薬」を思い浮かべる人が多い。だが、花粉症キャディの間では、「飲み薬」が圧倒的に支持されていることが分かった。理由を考慮すると、「プレー中にくしゃみを連発できない」「お客様の前で頻繁に鼻をかむわけにいかない」といった、接客業ならではの事情が想像できる。
【キャディさんの花粉症対策ランキング(計50人)】
・第1位:飲み薬 47人(94%)
・第2位:目薬 38人(75%)
・第3位:専用マスク 21人(42%)
・第4位:防止用スプレー 17人(34%)
・第4位:食事管理 17人(34%)
・第4位:よくはたく 17人(34%)
・第7位:睡眠 6人(12%)
・第7位:鼻にワセリン 6人(12%)
・第7位:鼻うがい 6人(12%)
・第10位:専用素材の衣服 3人(6%)
・第10位:専用メガネ 3人(6%)
他にも上位の回答を見ると、「食事」「睡眠」など、日常生活レベルでの対策を取り入れている人が多い。長年培われてきた経験をもとに、仕事の準備の一環として対応しているかが分かるアンケート結果といえるだろう。
その人に合った調合で効果抜群!「漢方薬」
「飲み薬」と答えた人の中でも、特におすすめの対策法として「漢方薬」を推すのはキャディ歴34年、花粉症歴40年以上という“両方とも”大ベテランの遠藤さんだ。
「ことしは昨年に比べて花粉の量を多く感じています。いつもは2月末からスギの飛散が始まる感じでしたが、ことしは2月初旬から飛び始め、すでにピークが来ている状態です(3月第1週取材)」
遠藤さんは、毎年シーズン前になると耳鼻科に相談し、体質に合わせて漢方薬を処方してもらっているという。「漢方は、患者個人に合わせて調合してもらえるのが良いところ。私の場合、鼻水や目のかゆみが出やすい体質なので、その症状に合わせた分量で処方してもらっています。朝晩しっかり服用しておけば、一日中ゴルフ場にいても楽ですね」
長年花粉症と付き合ってきた経験から、「自分の体質を理解している医師に相談することが一番の近道」と語る。
目の周りを塗るだけのお手軽対策法「塗り薬」
体内から症状を和らげる「飲み薬」に対し、キャディ歴35年・花粉症歴20年の阿部さんは、手軽という理由から「塗り薬」を愛用している。「目の周りに塗り薬をつけています。かなりピンポイントな対策ではありますが、これが意外と効果的です」
阿部さんによると、マスクをしている状態で最も花粉症の症状が出やすいのが「目」。ここを防御することで症状の発生をかなり抑えられるという。「市販のクリームだと汗や風で取れてしまうものも多いですが、耳鼻科で処方された薬は効果の持続性が違います。周囲を塗るだけで目のかゆみ、発疹などのアレルギー症状が出にくく、18ホールが終わるまで効果が持続するので安心して仕事ができます」
外で長時間働くキャディにとって、持続性は重要ポイント。朝の準備段階でしっかり対策を済ませておくことが、一日を乗りきるコツという。
青魚、コーヒー…コースに出る前に!「食事管理」
ベスト3に続く対処法として注目したいのが、4位に入った「食事管理」。ゴルフ場のレストランでも、花粉症対策につながるメニューを取り入れている例もある。
花粉症対策に効くと言われている青魚を使ったメニューを提供しているのが、愛知県豊田市にある丘陵コース「三甲ゴルフ倶楽部 京和コース」。レストランマネジャーの原田さんは、その理由について「青魚にはDHAやEPAが豊富に含まれています。特にEPAには抗炎症作用があり、アレルギー症状を抑える効果が期待できます。レストランのメニューでも、青魚を使った料理は常にオードブル販売数トップ3に入る人気です」と説明する。
さらに意外な対策として挙げられたのが、「コーヒー」だ。「コーヒーには赤ワインにつぐ量のポリフェノールが含まれていると言われています。実は、緑茶やココアより多いという研究結果もあるそうです。ポリフェノールにはヒスタミンの生成を抑える働きがあり、鼻水や目のかゆみの軽減が期待できます」
同コースではホットコーヒーのおかわりが自由。キャディの中には、ラウンド前に一杯飲んでからスタートする人も少なくないという。
根本的な体質改善を目指すなら「舌下免疫療法」
長年の花粉症を「根本から治したい」と考え、体質改善に取り組んでいるキャディもいる。
幼い頃から重い花粉症に悩まされてきたというNさんが実行しているのが「舌下免疫療法」だ。これは原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り込み、体を徐々に慣らしていくことで、アレルギー反応そのものを弱めていく治療法。スギ花粉症の場合は、専用の治療薬を舌の下に置き、一定時間そのまま保持したあとに飲み込むという方法で、毎日継続して行う必要がある。
「私の場合、朝起きたらすぐに薬を舌の下に置くようにしています。毎日欠かさず続けるのは容易なことではありませんが、3~5年ほど続けることで効果が出ると言われていますし、実際に以前より症状が軽くなってきた実感があります」とNさん。
即効性のある対策ではないものの、長くゴルフ場で働き続けるキャディにとっては、花粉症そのものを和らげる“根本対策”として注目されているようだ。
現場で培われた“リアル”な花粉症対策
今回のアンケートから見えてきたのは、キャディらが日々の業務の中で試行錯誤しながら、自分に合った対策を見つけているという事実。飲み薬をベースにしながら、塗り薬や食事管理、さらには体質改善の治療まで。それぞれの対策は決して派手ではないものの、長時間屋外で働くスペシャリストだからこそ習得した“リアルな知恵”といえる。
ゴルフ場で一日を快適に過ごすために――。現場で培われた知恵を、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。(編集部・内田佳)