リシャフトしたらアラ不思議。HS40m/sがどハマり「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」
年明けの発表から話題のキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズドライバーが2月2日に発売される。さらなる飛距離性能と安定性の向上を目指して開発された「Ai スマートフェース」が、スピン量や打ち出し角、方向性などを補正してくれるという。今回は操作性に優れたアスリートモデル「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド ドライバー」について、ヘッドの特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。そして、アスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打してクラブの性能を評価する。
クラブの特徴は? シリーズの中で唯一60g台の純正シャフトを装着
【ミタさん】
これまで「パラダイム Ai スモーク」シリーズドライバーを打ってきましたが、トリを飾るのは上級者モデルの「トリプルダイヤモンド」。前作「パラダイム トリプルダイヤモンド ドライバー」と同様にヘッド体積は450ccで、セレクトストア限定発売のモデルです。
【シオさん】
見た目は、これまで打ってきた3モデルよりもシャープでカッコイイです。前作と見比べると、ソールの形状は変わっていますがウエートの配置は似ていますね。
【ミタさん】
はい、ソールの前方に2g、後方に14gのウエートが配置されています。前作からウエートの重さは変わっていませんが、クラブの総重量は約4g重くなりました。また、純正シャフトは「TENSEI 55 for Callaway」から「TENSEI 60 for Callaway」に変更され、フレックスSで約9g重くなっているそうです。
【ヨシダくん】
60g台の純正シャフトが採用されて、よりアスリート好みのモデルになっていそうですね。他にも進化した点はありますか?
【ミタさん】
前回も説明しましたが、新搭載の「Ai スマートフェース」は、モデル毎に異なるレベルのユーザーデータをAIにインプットし、想定ユーザーの打点傾向に合わせて最適弾道になるよう開発されました。「トリプルダイヤモンド」では、フェース中心部に集まる打点に対応し、着弾地点のバラつきを軽減するような設計になっています。
【シオさん】
ヘッドスピード40m/s前後の私には手に負えないような雰囲気が漂っています(苦笑)。
【ヨシダくん】
前作からどのように変わったのか、試打して確かめてみましょう。
試打した印象は? 50g台のシャフトに差し替えたら、大変身!
【シオさん】
構えてみると、コンパクトでとてもきれいな顔をしています。アドレスでポンと置いた時にすわりがいい。フェースアングルもオープン過ぎず、とても構えやすいです。前作と比べてヘッド後方の厚みが減って、ラクに球を上げられそうな安心感があります。ツアープロが使うモデルですが、見た目だけで言うとアマチュアの私でもなんとか打てそうな印象です。
【ヨシダくん】
シオさんが言うように、前作よりもすわりが良くて構えやすい。たしかにロフトは寝ている訳ではないですが、高い球が打てそうな見た目をしていますね。ソール側を見てみると、前作同様に移動式ではなく埋め込み型のウエートになっていて、シンプルな構造で僕好みです。
【ミタさん】
試打した印象はどうですか?
【ヨシダくん】
フェースがややオープンなので、つかまらなさそうだなと思っていましたが、やはり左に行きませんね。ハードヒッターの僕でも思い切って左に振っていけます。いい感じのフェードボールが打てました。試打データを見てみると、バックスピンもしっかり入っていて、ボール初速が71m/sも出ていて驚きました。
【ミタさん】
せっかくなので、次はもう少しヘッドスピードを上げて打ってみてください。
【ヨシダくん】
思いっきり振ってみたら、力強いドローボールになってトータルで303yd。しっかり振っても弾道の曲がり幅が狭く、新フェースの弾道補正能力と初速性能の高さに脱帽です。このヘッドのポテンシャル、ヤバいかもしれない…。
【シオさん】
いや~、私にはなかなか手強いですね。安定して右に飛んでいて、インパクト時に自分が右に打ったことがハッキリと分かりました。ダウンスイングでフェースが開いたまま戻ってくるような感じが気になります。ただ、打感はシリーズの中で一番よくて、しっかりとボールがフェースに乗る感覚もあり、すごく心地のいいフィーリングでした。
【ミタさん】
右には曲がっていますが、試打データを見てみると、打ち出し角が17.8度とシオさんにしては高弾道で飛んでいますよ。シリーズの中では、高初速・低スピンモデルとして展開されていますが、前作よりも打ち出しは高く出ていました。つまり、前作よりもやさしくなっていると言えるかもしれませんね。
【ヨシダくん】
バックスピン量が落ちないのもすごいですね。普段からスピン量が少なめのシオさんが、ドライバーで2800回転以上を連発しているところを見たことがないので、驚きました。しかもボール初速がしっかり出ていて、初速性能の高さを感じます。
【ミタさん】
今回は純正シャフト「TENSEI 60 for Callaway」のフレックスSで試打してもらいましたが、「パラダイム Ai スモーク ドライバー」を試打した時に装着していた50g台のシャフトと比べてどうですか?
【ヨシダくん】
全く印象が違います。60g台のフレックスSはものすごくしっかり振っていけるシャフトです。ヘッドスピード50m/sの僕がマン振りしてもボールが吹け上がることなく、強弾道で飛ばせました。
【ミタさん】
今回の純正シャフトは、ニッケルチタンファイバーとカーボンを組み合わせてトルク値を抑えることで鋭い弾き感を実現し、ハードヒッターでも満足できる振り心地になっているそうです。シオさんはどうでしたか?
【シオさん】
60g台のシャフトは私には少し重いですが、タイミングが取りやすくてすごく振りやすいです。ただ、何度打っても右方向に飛んで行くので、もう少し軽めのシャフトで試してみたいなと思いました。
【ミタさん】
シオさんが「トリプルダイヤモンド」を使う場合は、先端が動いてフェースがクローズに当たるような走り系のシャフトだと、もう少し曲がり幅が抑えられるかもしれませんね。スタンダードモデルに装着されている50g台のシャフトで打ってみたら、方向性が改善する可能性があります。シャフトを差し替えて、打ち比べてみましょうか。
【シオさん】
(シャフトを入れ替えて…)これ、いいかも。曲がり幅が減ってほぼストレート弾道になりました。キャリーも約25yd伸びています。シャフトの重さを変えただけで、弾道が見るからに変わって驚きました。しかも、これまで試打した3モデルよりもバックスピン量は多くなっています。私のようなヘッド速度のアマチュアでも、自分に合ったシャフトに差し替えるだけで、トリプルダイヤも打ちやすいモデルに変わりました。
まとめ
【ミタさん】
2人そろって高評価をつけた「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド ドライバー」。シリーズの中でも最も難しいとされるモデルですが、試打データを見てみるとHS50m/sのヨシダくんだけでなく、HS40m/sのシオさんもシャフトを50g台に変更することでいい結果が出ていました。弾道が安定し打感もいいので、上級者だけでなく中級者にも挑戦して欲しい1本。現在アスリート向けのモデルを使っていて、弾道の高さやスピン量の少なさに悩んでいる人にピッタリだと思います。
【ヨシダくん】
前作と打ち比べてみましたが、球が上がりやすくてミスに強いので、これまでよりも幅広いゴルファーが扱えるモデルに進化していると思います。球の高さを抑えたい方は、ソールに設置されているウエートの位置を入れ替えることで浅重心になるので、試してみてください。
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイ パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:TENSEI 60 for Callaway ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Regio Fomula MB+ 55 ●硬さ:S
ヨシダくん:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED 6 ●硬さ:X
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
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- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
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