顔も形も性能も平均点以上の優等生ヘッド スリクソン「ZXi」ドライバー試打
11月9日に発売したスリクソンの新「ZXiシリーズ」。ドライバーは「ZXi MAX」「ZXi」「ZXi LS」「ZXi TR」の4機種だが、今回はスタンダードタイプの「ZXi」を紹介。ギア知識が豊富なミタさんが特徴を解説し、飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打して分析した。
スピン量、MOI、操作性が「真ん中」のドライバー
【ミタさん】
今回はスタンダードモデルのスリクソン「ZXi」です。
【コウタロウ】
松山英樹選手が使った「LS」とか、スリクソン初の「MAX」は話題になりましたけど、スタンダードの「ZXi」はちょっと地味な存在になっていませんか?
【ミタさん】
決して地味ではないですけど、極端にスピン量が少なかったり、慣性モーメントがいちばん大きいというタイプではないので派手なドライバーではありません。
【シオさん】
簡単に言うと、どういうドライバーですか?
【ミタさん】
すごくバランスが良いドライバーです。スピン量も慣性モーメントも操作性も“ど真ん中”というタイプ。
【コウタロウ】
平均点が高いタイプのドライバーなんですね。
【ミタさん】
そうです。もちろん他のモデル同様にセンター部分はスリクソン史上最も薄いフェースになっていますし、i-FLEX構造によってフェースやヘッドのたわみを最大化しています。メーカーのテストデータでは、前作の「ZX5 MkII」と比較するとボールスピードは1m/s以上も上がっています。
【シオさん】
ちなみに前作で言えば「ZX5 MkII」と「ZX7 MkII」のどちらに近いですか?
【ミタさん】
どちらかと言えば「ZX5 MkII」寄りですが、重心は「ZX5 MkII」より低くしています。
【コウタロウ】
プロゴルファーもテストしているんですか?
【ミタさん】
松山英樹選手もテストしていて「すごい弾きますね。振り抜きやすくて、打感もいいです。ストレートな顔で構えやすくて、ターゲットに合わせやすいです」とコメントしていました。
【シオさん】
高評価ですね。打つのが楽しみです。
「MAX」よりつかまりがイイ!振りやすさは満点
【シオさん】
スリクソンらしいオーソドックスな顔で構えやすい。この顔(形状)が嫌いな人はいないと思います。
【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?
【シオさん】
慣性モーメントを抑えているので、自分のフィーリングでヘッドを動かせます。振りやすいせいか、私は「MAX」よりもつかまりが良く感じました。ベテランでテクニックがあるゴルファーほどインパクトのタイミングを合わせやすいと思います。
【ミタさん】
「MAX」より飛距離が出ましたね。
【シオさん】
決してスピンが少ないヘッドではないので、弾道も低すぎず、高すぎずというちょうどイイ高さです。
【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?
【コウタロウ】
私のヘッドスピード(50m/s)だとバックスピン量が2500回転を超えてしまって、スピンが入りすぎてしまうくらいでした。アスリートモデルというよりも、セミアスリートモデルという印象です。いちばんビックリしたのは全然、曲がらないこと。
【ミタさん】
球筋は安定していましたね。
【コウタロウ】
良い意味で個性がないから誰からも嫌われないドライバーだと思います。
【ミタさん】
個性がない?
【コウタロウ】
ボールスピードで言えば「LS」の方が速いし、寛容性なら「MAX」、ヘッド形状は「TR」の方がカッコイイ。だけどボールスピード・寛容性・形状のバランスがいちばん良いのが「ZXi」。幕の内弁当みたいな感じです。(笑)
【シオさん】
言っている感覚はわかる気がする。誰が打っても80点以上はつけてくれるドライバーだと思いますし、振りやすいドライバーを探している人にとっては100点だと思います。
【ミタさん】
ドライバーの性能は、ボールスピードやスピン量、寛容性や操作性など、どれかに特徴を持たせるとそれ以外の部分が犠牲になるトレードオフの関係ですが、「ZXi」は各性能が高いレベルで共存できているのでしょうね。
【ミタさん】
「ZXiシリーズ」4機種の中で最もバランスがとれたドライバーなので、ターゲットゴルファーの幅が広い。100を切るレベルのアベレージゴルファーから90台前後のセミアスリートも使えますし、カスタムシャフトをつければヘッドスピード45m/s以上のパワーヒッターも使えるヘッドです。クセのないドライバーが好きな人にオススメです。
【コウタロウ】
発売直後は「MAX」とか「LS」の方が人気あると思いますけど、ロングセラーになるのは「ZXi」のような気がします。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
スリクソン ZXi ドライバー
●ロフト角:10.5度(写真は9度) ●シャフト:ディアマナ ZXi50●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
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