「全番手を同じ感覚でスイングできる」コブラ キングフォージドツアーアイアン ワンレングス

全番手が同じ長さ「コブラ キングフォージドツアーアイアン ワンレングス」を試打レポート

【ミーやん】アイアンの全番手が同じ長さの「ワンレングス」（ONE LENGTH）のアイアンは、PGAツアーのブライソン・デシャンボーが使用していることで注目を集めています。デシャンボーといえば、自称“ゴルフ・サイエンティスト”の理系プロゴルファーです。ちなみにボクも理学部出身なので、なんだか親近感が湧いちゃっています。そんな彼が使っている道具だから、このアイアンには期待しています。

【ツルさん】通常のアイアンセットはシャフトの長さが違うので、番手ごとのヘッド重量とライ角がフローするように作られています。でも、このアイアンセットの番手で異なるのはヘッドのロフト角だけです。つまり、ワンレングス用に専用設計されたヘッドが使われています。長さ、ライ角、スイングウエイトを全番手で統一してあるので、クラブとして考えるとシンプルな作りですよね。

ミーやんがキングフォージドツアーアイアンの5番、7番、PWを試打したときの弾道計測値。パワーがないと飛距離（キャリー、最下段）の差が作りづらい

【ミーやん】今回は番手ごとの弾道と打ちやすさを比較したいので、5番、7番、PWの3本を計測しながら試打してみましょう。まず5番を構えてみると、ロフト角に対してクラブ自体が短いです。ミート率が上がりそうな安心感がありますね。ボクは普段、5番アイアンは球が上がりづらくて打ちこなすのが難しいので26度のユーティリティを使用していますが、このワンレングスの5番アイアンなら無理なく打てそうです。でも、実際に打ってみると、やはり弾道が低いですね。これだとグリーンの奥まで転がってしまいそうです…。

【ツルさん】クラブが短いとヘッドスピードが落ちるので、当然、球が上がりづらくなって飛ばしづらくなりますよ。ワンレングスの5番アイアンは、言いかえれば短尺になった5番アイアンです。当てやすいけれど、ミーやんのパワーだと球の高さがつらくなりますね。

【ミーやん】7番アイアンに持ちかえてみると、こちらは普通の印象です。というか、このアイアンのヘッドは構えやすいし、けっこう打感がいいです。インパクトの余計な振動が抑えられていて、「グシッ」としたフィーリングです。ロフト角はそれほどストロング設定ではないので、7番アイアンの飛距離はロフト角なりといった感じになります。ヘッド性能自体には安定感があって、かなり打ちやすいです。

【ツルさん】ヘッド自体は、ヘッドがブレづらい中・上級者向けモデル。構えやすくて、なかなかいいヘッドですよね。ボクが打っても、全体的にミーやんと結果は変わりません。通常のアイアンと比べると、5番は打ちやすいですが、弾道が低くなって5ヤードぐらい飛ばなくなります。逆にPWになると、通常よりもシャフトが長いぶん5ヤードぐらい飛びますね。

【ミーやん】PWは、どうも慣れないせいか、構えたときに違和感があり、モジモジしてしまいました。それと、5番から7番アイアンと、番手ごとの飛距離差が出づらいです。

【ツルさん】そもそも番手は、距離を打ち分けるために必要なものです。長いゴルフクラブの歴史のなかで、ロフト角と長さを変えたアイアンセットが距離を打ち分けるために適しているとされてきたのには、やはり理由があったのですね。飛んでしまうPWはグリップを余らすように短く持って打てばいいけれど、ミドルアイアンで飛距離の差を出しづらいのは、どうしようもありません…。

【ミーやん】全番手を同じ感覚で振れるのは、メリットだと感じますが、短い5番アイアンでもきっちり飛ばせるパワーがないと使いづらいかなと思います。