ミズノ「ST-X 220 ドライバー」の評価は！？

ミズノ ST-X 220 ドライバーをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】

ミズノの世界戦略モデルとして、国内3代目となる「ST」シリーズ。なかでもつかまりやすいドローバイアス設計「ST-X 220 ドライバー」は、今季の国内女子ツアーで快進撃を続ける西郷真央の使用モデルとあり、注目度は増すばかり。そんな話題作をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？

• 1WのHS30m/s台・西川みさとの場合
• 1WのHS50m/s台・万振りマンの場合

「グローバル感とそれ以前の強みのMIX」

持ち球のドローが素直に出るつかまり設計で高評価に

―率直な印象は？
「ミズノ『ST』シリーズ以降で、断トツにスイートエリアが広く、ミスヒットに対する寛容性が高いドライバーです。またヘッドの操作性が良く、とにかく振りやすい。過去のミズノモデルを比べても、完成度はNo.1といえるくらいの出来に仕上がっています」

ヘッドを返しやすく つかまりやすい設計を追求した「ST-X 220」

―完成度はNo.1…？
「はい。今までの『ST』シリーズは硬い音、硬い打感のイメージが強かったのですが、そこが適度にマイルドになり、飛距離は落とさず、スイートエリアが広くなった分、とても安心して振り抜けます。アドレスして上から見た印象では、クラウン後方がやや落ちていて、シャローヘッド気味に変化しているようですが、それほど特徴的な形状ではなく、多くのゴルファーに受け入れられるヘッドとなっています」

前作よりやや全体的にフラットになった印象の形状

―何が一番変わった？
「初代『ST200X ドライバー』は一発の飛びを感じるモデルで、前作『ST-X ドライバー』はそれを大型化したモデル。高慣性モーメントの方向にシフトしていると思っていたのですが、今回は、その両方のいいとこ取りをした形となっています。重心深度や重心距離のバランスが絶妙で、投影面積と振り心地がちゃんと連動している。試打前のイメージと試打後のフィーリングが一致する素直さ。正直、これほどのバランスの良さは、ミズノのドライバーでは久しぶりと思えるほどです(笑)」

バックヒール部に配置された13gウエイト

―打感の評価は？
「ディスタンスorスピン系を問わず、どんなボールを使っていてもアジャストしてくれるほど、打感が秀逸です。それほどの対応力を持ち合わせているので、国内女子ツアーで活躍できる現状もうなずけます。ミズノは20～30年前から名器と呼ばれるドライバーを生んできましたが、それらと肩を並べるほどの打感と打音の良さを感じます」

幅広いラインアップの中から「ツアーAD GM D」をピックアップ

―カーボン比率が上がった効果は？
「カーボンの比率云々よりも、後方の13gウェイトを生かすための余剰重量を生んだことで、高慣性モーメントの効果が強く出ています。これまで同社ドライバーは、うまく当てたときとそうでなかったときの差が大きかったですが、今作では多少ミスヒットしても、しっかり飛ばせる感覚が残ります。それほど重量配分と重心位置が洗練している。そのあたりは十分、海外ブランドを模範にしている気がします。ただ、打感と操作性の良さは自社らしさを維持しているので、海外でも国産寄りでもない、新しいミズノの魅力が詰まったドライバーではないでしょうか」

「マイナス点はソールデザインが前作と似ているくらい」と筒

―どのような人向き？
「ミズノドライバーと聞くと、ゴルフ歴の長い人からすれば、時代ごとに印象が変わっているように思います。『ST』シリーズになってからは、誰にでも使えるグローバルモデルとして定着していますが、特に今作では、それ以前に誇っていた同社の強みも合わせ持っています。固定ファンもさることばがら、ぜひ若いゴルファー層に、ミズノドライバーの魅力を体感してほしいと思います」

打感満点◎を含む高得点【総合評価4.5点】

【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：ツアーAD GM D(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

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