タイトリスト GT2 ドライバーを筒康博が試打「『i』と『R』の良さが凝縮」
刷新されたスピード&やさしさ ご意見番クラブフィッターの評価は!?
タイトリスト GT2 ドライバーをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
新たなネーミングで始動したタイトリスト「GT」シリーズ。新素材ポリマーで作られた超軽量クラウンを採用。余剰重量を最適配分することで浅低重心を実現させ、低スピンながら打ち出し角を確保してボール初速を大幅にアップさせた。そんな同社自信作から、飛距離性能と安定性を両立した「GT2ドライバー」をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。
「前作を持っていてもつい欲しくなる! 納得の好フィーリング」
―率直な印象は?
「モチッとしたやわらかい打感が気持ちよく、インパクトの瞬間にボールを長く手に持っているような、球持ちの良さを感じます。結果的に逆球もほぼ出ずに、なんとなくボールが前に伸びていく印象を受けます。ミスヒットしたときにフェース面での横滑りが少なく、サイドスピン量が減っている感覚で直進性の高さを実感できました。現在『TSR3 ドライバー』を2年近く使っていますが、まだ買い替えるタイミングではないと思いながらも、つい欲しくなってしまった次第です…(笑)」
―前作までと一番変わった部分は?
「数字でも表れていますが(総距離:平均252.6yd)、それ以上に打っているプレーヤーが感じられるフィーリングの良さが向上しています。ミート率でビッグチェンジを感じた『TSi』、直進性と寛容性の高さ、デザインがもう一段精悍になった『TSR』を、足して2で割っていない感じ。何かと何かを足して2で割るとか、合体しているという表現はあると思うのですが、今作は両方の良さが何も減らずに加わっています。ネーミングの変化に納得してしまうほどの性能の変化を誰でも実感できる好フィーリングだと思います」
―モチッとした打感をもう少し具体的に?
「打音がヘッドの奥に抜けていくように聞こえ、インパクト前後でボールの芯をヘッドの重心が通過していくイメージが持てる。自分でうまく打ち抜けている感覚をヘッドが演出してくれます。スピン量は減っていたので、たぶん重心は浅く低くなっていると思うのですが、打感は全くシビアに感じない。今までの同社製にはない大きな変化を体感できる。『TSi』シリーズが比較的に打感がやわらかめで、前作『TSR』になったときにちょっとソリッドになった変化を感じましたが、その『TSi』よりもう一段モチッとしている感触です」
―他の兄弟モデル(「GT3」「GT4」)と比べると?
「『GT3』は、本当に『GT2』を少しだけヘッド後方がシャープになっているだけといった印象です。『TS』シリーズの頃は、『2』か『3』で検討する際は顔や操作感、弾道調整機能の有無など、情報で選べていたと思うのですが、今作は実際に打つまで選びきれないほど近しいイメージ。歴代『3』を選んできた私でも、今シリーズは『2』に移行したくなるほど類似しています。デザインは『3』のシュッとした精悍な形状に、『2』が少し寄った感じ。逆に直進性は『3』と『4』が『2』に寄った感じ。これまで使っていた番号や、なんとなく合っていると思っていた数字を、単純にそのまま移行するのではない。じっくり3機種を吟味してフィッティングルームで大いに迷っていただきたいと思います」
―同社開発のシャフトがラインアップになくなりましたが?
「同社のドライバーを購入される方は、純正オリジナルシャフトを使う前提で購入される方が少数派だったので全く問題ないと思います。純正シャフトを購入する割合はおそらく他社より少ないのではないでしょうか。それだけヘッド単体に同社の自信が詰まっている。性能の高さを物語っている気がします。ただ、ひとつ懸念点を挙げるなら、重心が変わった分のボールのつかまり具合が前作から大きく変わったため、毎年更新される新シャフトとの組み合わせも含め、複雑化して選びにくく感じる人もいるでしょう。ただ、私も含め、そこを楽しみに思っているユーザーが大半だとは思います…」
―どのような人向き?
「過去に同社ドライバーを使ったことがある人であれば、絶対に一度は試してみるべきでしょう。これまでの固定観念でイメージしていた『2』とはちょっと違う雰囲気を味わえると思います。つかまり具合、打ち出しの高さ、球質の変化、どれを感じるかは人それぞれですが、以前までの適正スペックが通じないほど刷新されたイメージ。新たな気持ちで自分に合った新しい黄金スペックを探すべきではないでしょうか」
全項目で4.5以上 「2」でも即買い検討レベルの高評価【総合評価4.7点】
【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10度
・使用シャフト:TENSEI 1K BLUE 55(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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