操作性と寛容性を両立したオールラウンダー ゴルフ知識を学んできた理論派コーチの評価は！？

スリクソン ZXi ドライバーを専門的にゴルフ知識を学んできた理論派コーチが試打したら…【井上真熙】

スリクソンの新シリーズ「ZXi」から生まれたドライバー4機種。今回はその中から、操作性と寛容性を両立したスタンダードモデル「スリクソン ZXi ドライバー」をピックアップする。適度な慣性モーメントとスピン量でオールラウンドな性能を備えた一本を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ゴルフ知識を多角的に学んできた理論派コーチ・井上真熙（いのうえ・まさき）が試打評価を行った。

• HS40未満の女子プロ・西川みさとの場合
• ご意見番クラブフィッター・筒康博の場合

「井上コーチの1W最高得点 欠点が見当たらないトータルバランス◎」

ミスヒットしているものの 曲がり幅は最小限に抑えられた模様

―率直な印象は？
「全てに置いて高水準の性能が備わっていて、トータルバランスが非常に長けた印象です。『ZX』シリーズになってから、特に飛距離性能がアップしている気はしましたが、今作はそこがより明確化され、実戦で武器になり得る要素が十分に備わっています。試合や競技で使うことを考えても候補に挙げられる実戦向きヘッド。高評価をつけざるを得ない（総合評価4.9点/5点満点中）ほど、本当に欠点が見当たらないドライバーです」

程よく緩やかなシャローバック形状

―前作と比べると？
「松山英樹プロが監修されている『ZX』シリーズは、2020年発売の初代『ZX5』『ZX7』もどちらもボールのつかまり具合は抑えめで、初速性能に特化しているイメージでした。2代目『Mk II』になってから、そのつかまり具合はやや強まり、飛距離性能も同時に上がったことで、とてもグレードアップした印象を受けます。今作は、それ以上に全項目がグッと底上げされ、飛距離性能も寛容性も上がりました。トウやヒール寄りにミスヒットしても大きく曲がることなく、前に飛んでくれる。パフォーマンス全体が進化した3代目に仕上がっています」

左からスタンダードモデル、「MAX」「LS」。今回は「TR」を除いた3モデルで試打

―兄弟モデルと比べると？
「実は『ZXi MAX ドライバー』とは大きな差を感じず、ほぼ同じ性格の兄弟といった間柄。ツアーモデルのスタンダードということで、そこまでボールのつかまり具合は強くなく、寛容性とつかまり具合を有した『MAX』のほうがハマるゴルファーは多い気がします。私のような左へのミスが多いドローヒッターには、『MAX』よりスタンダードがお勧め。『ZXi LS ドライバー』は、大きさや形状は他2機種と変わりませんが、低スピン性能に特化している分、対象ターゲットは限られそうです」

センター部がスリクソン史上最薄のフェース面

―あえて気になる点は？
「気になる点？ いやぁ、ないですね。どの項目に関しても満遍なく優秀で、本当に欠点が見つからない。強いて挙げるなら、弾道の高さはある程度のHSがないと出づらいところ。ボールが上がらずに悩んでいる方には、もしかしたらちょっとハードに感じるかもしれません。ですが、そんなときこそカチャカチャ機能を使って、ロフト角を寝かせれば問題ないでしょう。逆にスピン過多で吹け上がりに悩んでいる人には、標準設定でも高さを抑えてくれるモデルです」

装着シャフトは純正「Diamana ZXi50」とLSの純正「VENTUS ZXi6」

―他社でいうと類似モデルは？
「2モデルあります。ひとつはテーラーメイド『Qi10 ドライバー』で、サイズ感や直進性が類似しています。スタンダードモデルとして、シリーズ内の立ち位置も似ている印象です。もうひとつはタイトリスト『GT2 ドライバー』で、サイズ感とハイバランスの性能面が共通しています。『GT2』のほうが少し弾道は高めで、今作ロフト角10.5度なら9度が相当といえます」

「前作のように『5』『7』と区別がなくなり モデル間の行き来がしやすくなった」(井上)

―どのような人向き？
「平均スコア110～120の目下“100切り”を目指している人から、競技に出ている上級者やプロレベルの人まで幅広く使えるヘッドです。ロフト角やシャフトを調整すれば、万人といえるほど対象ターゲットを定める必要はないでしょう。合わない人は、もう少し安定感を得られる『MAX』、強弾道を得られる『LS』と選択が可能なので、シリーズの“窓口的モデル”と把握すると良いでしょう」

操作性4.5点以外4項目で5点◎の最大評価【総合評価4.9点】

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】5.0

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：Diamana ZXi50（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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