球筋と飛距離を自在に操れる「ZXi4」 ゴルフ知識を学んできた理論派コーチの評価は！？

スリクソン ZXi4 アイアンを専門的にゴルフ知識を学んできた理論派コーチが試打したら…【井上真熙】

シリーズ最大の飛距離と寛容性を兼ね備えたダンロップ「スリクソン ZXi4 アイアン」。新たにやわらかい新素材ソフトステンレスをボディに採用した2ピース中空構造で、優れた打感を実現しているという。そんなやさしく飛ばせるアイアンを、同時発売の「ZXi ユーティリティアイアン」と比べながら、HSの異なる有識者3人が採点。ゴルフ知識を多角的に学んできた理論派コーチ・井上真熙（いのうえ・まさき）が試打評価を行った。

• HS40未満の女子プロ・西川みさとの場合
• ご意見番クラブフィッター・筒康博の場合

「『5』『7』と変わらない形状なのに強さ&高さが得られる不思議なアイアン」

井上コーチ持ち前のやや右方向&緩やかドローでまとまっていた

―率直な印象は？
「兄弟モデル『ZXi5』は全項目でバランスが取れた性格と評しましたが、今作はそのバランスの良さを保ったまま、少しだけ飛距離性能を持たせたモデルという印象を受けました。単に飛距離に特化したモデルだと全体的にボテッと、見た目で操作しにくいデメリットを生んでしまうのですが、シルエットは『ZXi5』や『ZXi7』ともそれほど変わらず、同シリーズとして全く違和感なく構えられます」

同社独自の鍛造工程・熱処理「i-FORGED」によりスリクソン史上最高の打感を実現

―それほどスマートな形状？
「はい、面白いくらい同じように見受けられ、性格がこれほど異なるのに不思議に感じるほど、シュッとした形状です。シリーズとして全く違和感なく構えられるので、コンボして使う場合も最適と感じました。初代『ZX』シリーズの『4』は、今よりもうひと回り大きく、他の兄弟モデルと並べて試した際には違和感を覚えた記憶を持っていたのですが、今作は操作性をも感じさせるフォルムに仕上がっています」

V字ソールに加え ヒールとトウ側に段差を付けた形状

―試打中に「“抜け感”がいい」と仰っていましたが？
「具体的に言うと、よくウェッジの評価などで表現されるソールの抜けというよりは、インパクト時の打感での振り抜き感がいいという意味で発言しました。もちろんボール手前にヘッドが入った際の抜け感という表現も含まれますが、今作ではその直後のフェース内部での感触が心地よく、気持ちよく振り抜けます。打感がやわらかいとも球持ちが長いとも違い、良い意味でインパクトの衝撃が少ない。ボールに当たっていることを感じないほど、軽快に振り抜ける。ストレスが最小限に抑えられ、とても体に負担の少ない印象を受けました」

それほど分厚く見えないトップブレード&バックフェース

―体に負担の少ない…？
「はい、回りくどい言い方をしましたが、とにかくスイートエリア（芯）が広範囲に感じられ、多少打点がズレも気持ちいい打感が失われることなく振り抜けます。芯が広いアイアンは、その半面で打感がボヤるデメリットを有しますが、今作はそこを全て帳消しにしてしまうほど感触がいい。『ZXi5』とほぼ同じ形状なのに、弾きの強さと弾道の高さを生む秘密の性能が内部に隠されている。他社モデルと比べてもかなり稀な存在で、新たな境地に達したアイアンといった印象です」

「ZXiU」4U(ロフト23度)のアドレスビュー

―「ZXiU」はかなり性格は異なる？
「そうですね。同シリーズのラインアップと並べると、ちょっと別枠な気はします。アドレスして上から見た印象は、さすがにバックフェースの厚みが気になり、サイズは3モデルのアイアンよりひと回り以上大きい。『ZXi4』の4～5番（ロフト角21～23度）のロングアイアンでは少し安心感を得られない人には最適なクラブといえるでしょう（3Uは21度、4Uは23度）。前に前に強く伸びる弾道は似ているので、あとはシャープな外観かワイドな安心感か。顔の好みで選べるところが同シリーズの強みといえます」

「やさしいからといって 単に初心者向けとは呼べないアイアン」(井上)

―どのような人向き？
「この人向きと断定できないほど汎用性が高く、かなり幅広い層に向けた扱いやすいモデルです。ただ厳密にいうなら、ゴルフを始め立ての初心者向けといった感じでもない。もちろん寛容性も飛距離性能も高いので、初心者に打ってつけではあるのですが、中上級者にも好まれるスッキリした顔立ち。弾道の高さを楽に出せるのに、初心者向けのお助け要素だけではないところが、今作の面白い特徴だと感じました」

5点満点がズラリ 「買い替えようかな」納得の高得点【総合評価4.8点】

「」(井上)

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0

・ロフト角：32度（7I）
・使用シャフト：Diamana ZXi（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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