渋野日向子「シャフトでスイングが変わる」 14本のクラブをセルフ解説
◇米国女子◇ファウンダーズカップ 事前(5日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6465yd(パー71)
米女子ツアー4年目の開幕をフロリダの地で迎える渋野日向子。ことしからクラブ契約フリーとなり、「ピンさん以外のクラブを打ったのは高校以来」と、新しい14本のクラブで初戦に挑む。
「ほぼほぼ全部(パター以外)替えたのでまだ100%じゃないかもしれないですけど、今の自分には合っていると思ってやってきたので信頼感はある」。オフの間に各社のドライバー、アイアンなどを打ち比べ、自信を持って打てるクラブを見つけてきた。いろいろなメーカーのモデルを打ち比べるのは、渋野にとっても新鮮だった。「構えやすさもあるので、まず顔で合格したものを打って。パッと見たときにあんまり好きじゃないのは、いいボールが出ないんですよね。そんなもんなんだなって」とテストを振り返った。
クラブ変更のテーマは、「ねじれの少ない球を打ちたい」ということ。「右のミスも嫌だし左のブリン(チーピンのような球)も嫌なので、そういう球を減らせるようにしたかった」。昨年まではクラブの不安がスイングに影響したこともあった。「シャフトでスイングが変わるなっていうのは、去年身に染みて分かりました。今はクラブに不安がないので、思い切って振っていける。ミスショットしたら自分のせいにできる」
厳選した結果、ドライバーはタイトリストの「GT2」に決まった。「曲がりが少ないですね。右のミスが少なめだったのは大きい。あと、飛びます。初速も出ているように感じたし、やっぱりキャリーが出ていましたね」と、まさに距離と安定性が両立したモデルを見つけた。シャフトも「ねじれが少ない。しっかり振っていったほうが曲がらなそう」と新しく藤倉コンポジットの「24 VENTUS BLUE」(5S)に。
アイアンも各社打ち、スリクソン「ZXi5」のヘッドの大きさが決め手になった。「(ZXi)7も試したけど、やっぱり5のほうが安心感がありました。球も飛ぶし、ストレートからドローにかけてが打ちやすい」。装着する「MCI」シャフトも「球のねじれが少なかった」とRからSに硬さをマイナーチェンジした。
3本入れるタイトリストのウェッジ「SM10」は「簡単そうかなと思って選びました。打った中でしっくりきたのがボーケイだった」とプロ入り後初めてボーケイウェッジを使う。ロブウェッジ(58度)のソールは万能感の高いMグラインドで、渋野の言う「簡単さ」を演出する。ただし、ウェッジに関しては試合を重ねていく中で、「今後もいろいろ打ってみてもいいかな」と余白を残していた。
ギアの中で唯一契約をしたスリクソンのボール「ZスターXV」に関しては、「元々高校のときに、学校の関係でスリクソンを使わせていただいていました。自分でボールを買いに行っていたのもスリクソン。ゴルフを始めてから高校まで、スイングを習いに行っていたのもダンロップゴルフスクールだったので、すごく初心に帰った感じ」と話す。ダンロップのクラブを使っていた時期もあり、「中学校のときめちゃくちゃ飛んでいた。ドライバーはスリクソンで、アイアンはゼクシオでした。(ゼクシオの)イメージないでしょ?」と笑顔がこぼれる。
なお、火曜日(4日)の時点では、5番ウッド2本、ユーティリティ3本が入り、計16本のクラブが入っていたが…。「今のところはスリクソンの5番ウッド(ZXi)を入れます。3Uもいいんですけど、強い球が出た時の左が怖いので」と、初日は5番ウッドを1本抜き、UTも1本抜いた14本で挑む予定だ。
「試合始まってアドレナリンが出たらどうなるかはありますが、しっかり振っていけたほうがいいボールは出ると思う」。クラブへの不安が減り、思い切って振り切れるのは選手にとって大きなアドバンテージだろう。果たして幸先のいいスタートが切れるか。(フロリダ州ブラデントン/服部謙二郎)
<渋野日向子の14本>
ドライバー:タイトリスト GT2(9度)
シャフト:藤倉コンポジット 24 VENTUS BLUE (5S)
フェアウェイウッド:テーラーメイド Qi10(3番15度)、スリクソンZXi(5番18度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS TR BLUE (3W/5S、5W/6S)
ユーティリティ:テーラーメイド Qi35 MAX ユーティリティ(4番23度、5番27度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS HB BLUE(7S)
アイアン:スリクソンZXi5(6番~PW)
シャフト:藤倉コンポジット MCI(80S)
ウェッジ:タイトリスト ボーケイ SM10 (50、54、58度)
シャフト:日本シャフト NSプロ 950GH neo(硬さR)
パター:ピン アンサープロトタイプ