クラブは“顔”が命! 最新ウェッジを見比べ隊
2018年 ウェッジ8本の “見た目”を徹底解説
ウェッジを購入する際、何をポイントに置いて選んでいるだろうか。打感、振り抜き、スピンの掛かり具合…いや、まずは“顔”でしょ! ということで、最新モデル8本をクラブ設計家・松尾好員氏の解説付きで並べてみた。
シャープで球を拾いやすい「ボーケイ SM7 ウェッジ」
「ボーケイデザイン SM7 ウェッジは、トップライン(フェースの頭)からネックにつながる線が直線的で、シャープにカットに入れたくなるイメージを持っています。またFP値(シャフトの中心線とリーディングエッジとの間の距離)が大きいため、球を拾いやすく感じさせる顔と言えます」
名器を彷彿とさせる「フォーティーン FH フォージド V1 ウェッジ」
「FH フォージド V1 ウェッジは、全体的にオーソドックスな形状で、丸みを帯びた顔立ち。適度にリーディングエッジに丸みがあるため、フェースを開いてもあまりイメージが変わりません。フェース面は、1960年代に発売され、多くのプロが愛用したウィルソン『ダイナパワー』を思いおこさせる形状です」
アイアン感覚で打てる「ピン GLIDE 2.0 ウェッジ」
「GLIDE 2.0 ウェッジ SSは、一番下のスコアラインがリーディングエッジに近く、白色で強調されていることで、アイアンセット(特にPW)と同じ感覚でスクエアに構えやすいと言えます。ボーケイ SM7と同じく、トップラインからネックが直線的で、フェースを開いてカットしやすいイメージも持っています」
トウ側のミスに強い「ドルフィンウェッジ DW-118」
「ドルフィンウェッジ DW-118は、フェース全体が三角形型で、またトップラインも薄くできているため、今回の8本の中で一番シャープな形に感じるモデルとなっています。スコアラインがトウ側に長いため、フェースのトウ側寄りにミスヒットしてしまっても、しっかりカバーしてくれる印象を与えてくれます」
低弾道が打てる和顔「クリーブランド RTX F-フォージド ii」
「F-フォージド ii ウェッジ は、ほかのモデルに比べヒール側に高さがあり、フェース全体でボールを包み込むイメージが持てます。トウとヒールの高さの差が少ない“和顔”な形状。FP値が小さいため低めに抑えた弾道を打ちやすい印象です。リーディングエッジが直線的なので、スクエアに構えて使いやすいタイプです」
オールドファンも納得「クリーブランド CBX ウェッジ」
「CBX ウェッジは、ネックの下部を絞り込み、リーディングエッジの丸みを出した形状です。タイガー・ウッズが使っていた頃の“オールド・クリーブランド”的モデルといった印象。この丸みのおかげで、フェースを開いても、スクエアで構えても、イメージが変わりにくいウェッジと言えます」
フェースとネックが分離「キャロウェイ マックダディ 4 ウェッジ」
「マックダディ 4 ウェッジは、スコアラインのないヒール側の空白部分が広く造られているため、フェースとネックが分離したようなイメージを持つことができます。フェースはフェースで動かしたいという人向き。また全体の大きさに比べてスコアラインが短めなので、自然とフェース中央に意識を集中させてくれます」
ヒール側から入れやすい「ヤマハ RMX ツアーモデル ウェッジ」
「RMX ツアーモデル ウェッジは、スコアラインがヒール寄りに位置していることで、フェース中央からややヒール側寄りで打つイメージを持たせてくれます。ヒール側からカットに入れやすいモデル。開いても扱いやすいので、プロや上級者が好む顔。まさに“ツアーモデル”と呼べる形状です」
開閉イメージ&弾道の高さでグラフ化
今回の8本を、開き具合でイメージが大きく変わるor変わらない(横軸)と、球を上げやすいor低く抑えやすい(縦軸)でグラフ化してみた。上図を参考に、自分の理想の打ち方とイメージが合うモデルを選んでほしい。
解説/松尾好員
神戸大学工学部卒業後、住友ゴム(ダンロップ)に入社し、クラブの設計開発に携わる。世界4大メジャーで最も多くの選手にクラブを提供した日本人クラブデザイナーとして知られる。現在ジャイロスポーツを主宰。