「100が切れる」セットを中古で組んでみた “予算別 A or B” アナタならどっち?
初心者だった頃、「ゴルフショップって入りにくい」と感じなかっただろうか? まず何から買えばいいかわからない。試打をしようにも、他のクラブとの違いだって分からない。中古ショップはさらにハードルが高いと聞く。だからこそ“僕たち先輩ゴルファー”は頼られるべき存在。初心者が効率的に上達し「100切りを目指せるセット」を考えてみた。
そもそも14本必要なのか?という素朴な疑問
1ラウンドで使っていいクラブ(キャディバッグに入れていいクラブ)は、14本までというのがゴルフのルール。だが実際には、14本をフルに使ってコースを攻略するのは上級者と言える。2021年の国内男子ツアー「ミズノオープン」ではツアープロのジュビック・パグンサン(フィリピン)が11本で優勝した。
初心者が扱いにくいクラブをいきなりそろえる必要はないはず。例えば3番ウッドや、アイアンのロフト角がストロング化した最近の5、6番アイアンで上級者のように打つのは難しい。打てないクラブは使わない、買わないがスコアメークの秘訣。100切りをテーマにするなら14本は必要ないと言い切ろう。
まずは高い確率で良いショットができるクラブを増やして欲しい。アイアンセットは7~PWの4本で充分だと考えるが、市場では5本や6本セットが主流。今回は中古ショップで買取り時に高く売れる6本セットを選んだ。計12本の購入を想定し、予算10万円のAコース、15万円のBコースを提案する。
ウッド系のAとB
初心者がまず悩むのはスライスだろう。つかまりが良く、手打ちを助長しないよう軽すぎず(300g前後)、ボールが上がりやすく、ミスヒットに強いというキーワードで選んだ。Aコース予算1万5000円の設定だとPRGR「RS E」(2019年)、ヤマハ「RMX 220」(2019年)などがオススメ。Bコースは2万5000円以内でテーラーメイド「ステルス HD」(2022年)、ピン「G400 SFテック」(2017年)にした。
続いてフェアウェイウッド。ボールが上がりやすく、ウエイトフローを考えてクラブ総重量が320~325gに収まる5Wを探してみた。Aコースだと1万円以内で手に入るテーラーメイド「M2」(2016年)やキャロウェイ「スティールヘッド XR」(2017年)。Bコースだと1万5000円以内で手に入るコブラの「KING RADSPEED」(2021年)、キャロウェイ「エピック SPEED」(2021年)。飛距離を落としてでも、打ちやすい7Wのほうが使い勝手がいい場合もある。
グリーンを狙うUTとアイアン編
シャフトが軽すぎるものは避け、ミスヒットに強いロフト25度前後のウッド型UTがオススメ。古いモデルはロフトバリーエーションが少なく、該当するものが極端に減る。Aコースは予算1万円で本間ゴルフ 「ツアーワールド TW737」(2016年)やミズノ「Sure DD MI」(2019年)など候補が限られる。Bコースだと予算1万5000円でピン「G400」(2017年)、ヤマハ「RMX VD」(2021年)など選択肢が増えた。
5番からPWまでの6本セット。5番は練習用にしてラウンドでは使わないのもアリだろう。シャフトは80g~100gの軽量スチールが良い。ヘッドはやや大きめ。できればゴルファーの体形やスイングに合ったライ角調整ができるものが理想だ。Aコースだと4万円の予算で、ブリヂストン「ツアーB JGR HF2」(2017年)テーラーメイド「グローレ F2」(2016年)など。Bコースだと6万円以内で、ダンロップ「スリクソン Z585」(2018年)、プロギア「02」(2020年)などが候補になる。
グリーン周りの相棒はどっちにする?
ヘッドは大きめで、ソール幅も広いウェッジを選ぼう。ロフト角は50~52度が1本、54度~56度が1本合計2本。シャフトはアイアンと同じモデル、同じ硬さが理想的だ。Aコースだと予算は2本で1万5000円、例えばクリーブランド 「CBX」(2017年)キャスコ 「ドルフィンウェッジ DW-118」(2018年)。Bコースだと予算は2本で2万円程度、候補はフォーティーン「DJ-4」(2019年)、キャロウェイ「MACK DADDY CB」(2020年)などはどうだろう。
ターゲットに対して合わせやすい、打ちやすいパターというのは人それぞれ。中古ショップで徹底的に試打しよう。Aコースは1万円の予算が残った。Bコースだと1万5000円。あえてここでは選択肢を提示しない。他のクラブに比べて試し打ちのハードルは低いから、どうか実際に手に取って、お気に入りの1本を見つけてほしい。
A案かB案か全てを受け入れるも良し 一部を真似するも良し
今回は12本のセッティングを考えてみた。あえて、もう1本入れるとしたら、ロフト22度前後のユーティリティもしくは、20度前後のフェアウェイウッド(7W)が便利。自信を持って使えるクラブを1本、1本増やしていけばベストスコアは更新していけるはず。頑張りましょう!(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。