プロだって中古で探す「FW&UT」の名器たち 見つけたら迷わずポチっ!
“超”が付くほどの有名なツアープロと中古ショップでバッタリ…なんてことは、実は珍しくない。メーカーから最新クラブが提供されるプロでも、手に入れられないクラブがある。今回はトッププレーヤーも探し求める、生産が終了した名作を紹介しよう。
国内ツアーで人気の“絶版モデル”
女子プロきってのギアの“先生”、青木瀬令奈のバッグは発売から5年以上経ったウッド類で溢れている。3Wは飛距離重視のダンロップ「スリクソンZ F85」(2018年)。5W、7W、9Wは球が楽に上がり、ピンが狙える「ゼクシオ テン」(2017年)を愛用。「スリクソン Z H65」の5U(25度)、6U(28度)でチャンスを作る。中古ショップでゼクシオ10は1万円台後半、その他は1万円を切る価格で見つかるだろう。
男子では堀川未来夢もフィーリングを重視するタイプ。3W、5Wはテーラーメイド「M4」(2018年)、7Wがブリヂストン「ツアーB JGR」(2019年)、4UTは(23度)ブリヂストン「J15 HY」(2014年)といずれも古いモデルで、構えただけで弾道のイメージが湧くという。どれも1万円以下が相場だ。
川崎春花は3W、5W、7Wでテーラーメイド「SIMグローレ」(2020年)を握る。ボールがつかまり、上がりやすく、スクエアに構えやすい。1万円台後半から見つかるだろう。
時松源藏のUTはミズノ「GXユーティリティ」(2018年)で、構えやすくボールが気持ちよく上がってくれる。1万円以下で手に入れたい。大里桃子が替えられない3W、5Wはピン「G425 MAX」(2020年)。ミスヒットへの強さを誇る。最新モデルの「G440」シリーズが発表され、2万円台前半から見つかるようになった。
海外ツアー選手の“替えられない”FW
ウィル・ザラトリスが使用する2020年モデルのタイトリスト「TSi2」(2020年)は2万円以内で探せる。ジャスティン・トーマスは3Wが「TS3」(2018年)、5Wは「915Fd」(2014年)で、「915F」(2018年)よりもヘッドが小さくスピンが少ない。レアだが見つかれば1万円を切るかもしれない。
その「915F」はパトリック・カントレーが3Wを愛用中。こちらは1万円前後が相場だ。7Wの「TS2」(2018年)も古め。TS2は特に7Wの人気が高くキャメロン・スミス(オーストラリア)も使っている。1万円台で見つかるが、7Wは入手困難と言える。
コリン・モリカワはテーラーメイド「SIM」(2020年)の3Wが替えられない。テーラーメイドのチタンFWでは最もヘッドサイズが大きく、ティショットでも安心感がある。2万円前後から見つかる。「M5」(2019年)はシェーン・ローリー(アイルランド)やキャメロン・ヤングが手放せない。チタンヘッドだがサイズは小さく、低スピンモデルで手強い。ハードヒッター限定でオススメしたい。1万円台前半から。
そしてタイガー・ウッズの5Wは不動の「M3」(2018年)。決してやさしくはないものの、1万円を切る中古品も珍しくない。また、PGAツアー2勝のロバート・マッキンタイア(スコットランド)は「エアロバーナー」(2015年)をバッグに入れている。ヘッドサイズも大きく扱いやすいが、白い塗装が落ちやすいのが難点。6000円前後で見つかった。
ぶっちゃけ…最新モデルと比べると?
多くのプロゴルファーが長く使っているとはいえ、古いモデルが最新作よりも優れているかと言われれば、答えはNOだ。プロが替えられない理由はフィーリング、慣れが大きい。FWやUTでも1ydでも遠くに飛ばしたいというのであれば、最新モデルをオススメする。
ツアープロが使い続ける絶版モデルに共通しているのは、バランスが非常に優れているか、スピン性能やコントロール性が極めて高いといった、“尖った性能”があるかだ。プロが替えられないという“ストーリー”を持つヘッドには、凝ったシャフトが装着されていることが多いのも特徴。スキマ時間に中古ショップをのぞいてみてはいかがだろう。(文・田島基晴)

田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。