Dゾーンのスライサーは構えと上げ方で集中治療可能

Dゾーンに属する人は、アベレージゴルファーの中でもわずか2％と希。欧州のジュニアに多く、低くて風に強い球を打てるので、ゴルフが上手くなる素質があるといえるんです。まず、アッパーブローに打てないのは、構え方の問題です。右肘が伸びて、肩のラインが開いてしまっているので、テークバックの理想的なプレーンよりも上に引いてしまい、上から叩くようにクラブが降りてきてしまうのです。

クラブは上げたところに降りてくる

サイエンスフィットで重視しているのは、ダウンスイングよりもテークバックです。なぜなら、クラブはテークバックした軌道を辿るように降りてくるからです。西川さんの場合、テークバックでシャフトプレーン（アドレス時のシャフトの面）の上に大きく外れているので、ダウンスイングもそこを辿ろうとするのです。

アドレスでの正しい右肘の形を意識せよ

まずは、アドレスでの右腕の形を改善しましょう。グリップの位置は左手よりも右手の方が体から遠いため、左腕と同様に右腕も伸ばしてしまうと、どうしても右肩が前に出るような形になってしまいます。肩のラインをスクエアにして、左手のグリップを決めたら、右腕は方のラインを崩さないように握るべきです。具体的には、右肘が右腰を指すように軽く曲げて、そこから前腕だけを回して、左グリップに添えるだけ。これが正解です。

グリップと体の距離を変えないようにテークバック

西川さんの場合、テークバックでシャフトプレーンよりも上に上がっていました。つまり、グリップがそれだけ体から離れていたということです。ハーフバックまでは、アドレス時のグリップエンドと体の距離を変えず、上半身とクラブの位置関係を変えない、同調したテークバックができれば、フェースも開くことなく上がります。

正しいハーフバックを徹底的に身につけましょう

両脇にものを挟んだり、オヘソにグリップエンドを押しつけて、上半身を腰の高さまでは、アドレスと同じ形のまま、テークバックする練習をして下さい。そうすれば、自然とシャフトプレーン通りに上げることができます。そこに成功すれば、クラブは上げたプレーンに沿って降りてきます。その段階で、強いダウンブローの軌道を描いたり、フェースが開いてしまえば、ダウンスイングで元に戻すことが困難になるんです。

アイアンやフェアウェイウッドで感覚を掴みましょう

正しいハーフバックを身につけるには、まずショートアイアンで練習を重ね、そこからミドルアイアン、フェアウェイウッドと、クラブを長くしながら同じ感覚を保ちます。いきなり長いクラブで練習すると感覚が身につきにくいし、逆に調子を狂わす危険もあります。特にコースだと、ボールに当てようという意識がスイングを乱します。明日のコンペでは、ドライバーは封印した方が良いかも知れませんね…。