タイトリスト「GTS4」 “難しい4”は大きく変わった。受け入れやすいLSモデル/谷口拓也 #深夜試打
シリーズ内で最もロースピン性能に特化したタイトリスト「GTS4 ドライバー」。低スピンによる力強く前へ伸びる弾道を追求しながら、今作では安定性を高める460ccの大型ヘッドを採用している。強弾道に特化したモデルといえばコンパクトヘッドが定石であったが、その常識を覆す構造の変化は、実際の飛びにどんな変化をもたらしているのか!? そんなシリーズ内では上級者向けとして位置づけられる今作を、ツアー通算2勝の男子プロ・谷口拓也が試打評価した。
「ロフトを感じられるやさしい顔立ち。見た目は同シリーズNo.1」
「ロースピンなのにやさしく見える。GTS4は“難しい4”から変わった」タイトリスト GTS4 ドライバーを谷口拓也が本気で試し打ち #深夜試打
―率直な印象は?
「これまでの“4”のイメージとは少し違い、ロースピンタイプなのに見た目から極端に難しそうな雰囲気はありません。フェース面が見えやすく、ロフト角(10度)も感じやすい。ボールをしっかり上げられる印象がありました。ルックスだけでいえば、兄弟モデル『GTS3 ドライバー』のほうがロースピンモデルらしく見えるほど。今作は、ヘッド後方の形状がなだらかで、前作のような“見るからに難しい印象”は和らいだ印象です。重心を前寄りに設計し、スピン量を抑えながらも、ヘッド形状によって構えやすさや安心感を加えたモデルではないかと感じます」
―実際に構えてみて?
「好みの問題ではありますが、同シリーズの中で一番構えやすく感じられます。ヘッドを地面に置いたときに開きすぎて見えないですし、上からフェース面も適度に見えるので、ボールに対して自然に構えることができる。ロースピンモデルでありながら、構えた瞬間にプレッシャーを感じない。前作『GT4 ドライバー』と比べると、かなり大胆な変化を遂げた印象を受けます」
―他社の「LS」モデルと比べると?
「他社より安心感のある形状になったので、すごく“面白い立ち位置”のクラブになったなというのが感想です。もちろんロースピン性能は、他社の『LS』モデルと引けを取らず、しっかり強弾道で飛ばせる仕様ですが、構えた瞬間に感じるつかまりにくさが払しょくされ、シビアさは一切感じません。ロースピンモデルなのに、見た目でユーザーを限定しすぎない。そこがとてもユニークに映る個性ではないでしょうか」
―振り心地をもう少し具体的に?
「フェース面の弾き感が強く、スピン量も同社の他モデルと比べて抑えられています(平均2557rpm)。初速感があり、スピンも入りにくいため、飛距離性能はかなり高いと感じました。その一方で、ヘッド形状は『GTS2 ドライバー』と同じように安心感があり、やさしさを感じられます。ただ、重心は浅めに設定されているため、インパクトゾーンではヘッドが前へ前へ進むような推進力の強さがあります。その動きに対してフェースをしっかり戻しきれないと、右方向へ抜けるプッシュ系のミスにつながりやすい。スイングが少しでも乱れると、『4』ならではのシビアさが出てくる印象。やはりフェース管理ができるゴルファーほど性能を引き出しやすい、上級者寄りのモデルだと感じました」
―他の兄弟モデルと比べると?
「『GTS2』は、とにかくやさしく、フェース側と後方側に適度な重さが感じられ、全体の構造バランスが秀逸です。今作とは対比になりますが、多少スイングが乱れてもクラブがミスを補ってくれる安心感があります。逆に『GTS3』は、左へのミスを抑え、自ら振りにいっても飛距離を狙えるタイプ。そこがあえてターゲットを広げず、絞っているような印象。単にハードさが『2』<『3』<『4』と順番になっているわけではなく、『2』と『4』が意外に近く『3』が離れているような。それぞれ異なる魅力を訴求しているシリーズにうかがえました」
―どんなゴルファーに合いますか?
「スピン量が多くてボールが吹け上がってしまう人、弾道を強くして飛距離につなげたい人。つかまりすぎる性能ではないので、しっかり振って左を怖がらずに攻めていきたい人でなおかつ『3』で求められている部分も併用したいゴルファーに向いています。もちろんスピンを今より抑えたい中上級者向けという特徴はありますが、今作はそこだけにとどまらず、より幅広いゴルファーが使いやすい意外性もある。これから初めて『LS』モデルに挑戦したい人にとっては“入り口”になる、受け入れやすさを有した“新たな4”といった感じでしょうか」
構えやすさとLS性能を両立した『4』【総合評価4.3】
【試打結果(平均)】
総距離:273.5yd
キャリー:252.0yd
HS:46.3m/s
初速:67.9m/s
スピン量:2557rpm
打ち出し角:12.7度
【飛距離】4.5
【打感】4.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10度
・使用シャフト:Tensei 1K Blue RIP 55(硬さS)
・使用ボール:横須賀グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン、横須賀グリーンゴルフ
谷口拓也(たにぐち・たくや) プロフィール
1979年9月17日生まれ、徳島県出身。2003年のプロデビュー年に賞金シードを獲得。04年『アイフルカップ』で初優勝し、賞金ランク20位で最優秀新人賞を受賞。08年『サン・クロレラクラシック』で2勝目。数多くのトッププレーヤーを指導したコーチ、ピート・コーウェン氏に師事しレッスン技術を学ぶ。妻は国内女子ツアー3勝の一ノ瀬優希。