知れば知るほど好きになる 「ディアマナ」でシャフト史を学ぶ
【2限目】製造技術 素材メーカーだからできる
講座の2つ目のテーマとして、シャフトの製造やテクノロジーについて学ぶ。
カーボンシャフトの原料となるのは、主にアクリル繊維を高温で焼いて炭化させることでできる炭素繊維。それをフィルム状の樹脂で挟み、繊維の隙間に樹脂を浸透させ、炭素繊維シート(プリプレグ)を生成する。それをカットし、マンドレルと呼ばれる芯金に巻き付けることで成形し、加熱して樹脂を固めることで強靭なシャフトが生まれる。
さらに仕上げとして、ミラー調の高級感のある見た目を生み出すイオンプレーティング加工などが行われ、最終的にはデカール(転写シール、ステッカー)によってモデルごとにカスタマイズされたデザインが施される。
素材と巻き方の技術で「スパイン問題」も解決
三菱ケミカルでは材料開発の強みを生かし、さまざまな新素材を最新シャフトに採用している。今年4月に復活した「ディアマナ スティンガー」には、スムースフィールを実現するため、46インチのフルレングスに渡ってボロンファイバーを採用。また、軽量モデルの「ヴァンキッシュ」では30g台の超軽量帯でも当たり負けを防ぐため、アモルファスファイバーを採用している。
昨年9月に発売された「TENSEI Pro Black 1K Core」には、従来の1Kシリーズで使用している「1Kクロス」をシャフトのシャフトの外層ではなく内層に配置し、狙った剛性分布を実現したかたちだ。シャフトは素材だけでなく、巻き方の技術によっても性能に変化を加えている。
講座の中では「スパイン問題」についても触れられた。スパインとは、カーボンシートの巻き始めと巻き終わりの部分が重なることで、他の部分よりも硬くなり、フィーリングやバランスが崩れるというシャフト特有の課題。これについて三菱ケミカルでは、巻き始めと巻き終わりが一点に集中しないよう、巻き位置を分散するほか、より薄い素材を多層巻きにすることで、スパインが極力できないように工夫しているそうだ。
近年はヘッドの弾道調整機能が当たり前になり、シャフトがさまざまな方向で使用されるようになった。スパイン問題の解決は、コストは高くなるが、より良い品質を守るためにシャフト製造に必須の取り組みとなっている。
【3限目】最新ラインアップ 完成形を目指した第6世代
“ディアマナの完成形”を目指した現行の第6世代は「ディアマナ BB(ブルーボード)」、「ディアマナ WB(ホワイトボード)」、「ディアマナ RB(レッドボード)」と3色ラインアップに。名前の通りサーフボードのデザインも復活している。こちらは高慣性モーメントヘッドに対応するため、新チップ設計でねじれを最適化しているのが特徴となる。
ディアマナが伝統を継承する一方で、2015年に米国で誕生した『TENSEI』もまた、革新的なブランドとして大ヒット。10年を超えるロングセラーとなっているが、現在は1Kクロスを使ったシリーズとして、「TENSEI Pro Blue 1K」「TENSEI Pro Red 1K」「TENSEI Pro Orange 1K」「TENSEI Pro White 1K」「TENSEI Pro Black 1K Core」の5モデルが出そろっている。
ブランドで言うと、クロカゲ、フブキ、バサラ/グランドバサラなどが誕生しているが、現行モデルとしてはヴァンキッシュ(軽量帯シリーズ)、エルディオ(レディスシリーズ)が継続している。
【放課後トーク】20年を超えるディアマナの歴史に驚き
講座の後、それぞれの参加者に感想を聞いた。
森山コーチ
「今回の講義のために改めて勉強すると、ますますディアマナが好きになりました。私のレッスンを受ける方には『〇〇さんは白系が合いますね』という話はよくするのですが、色別でシャフトを区切るのが、ディアマナがその元祖なのかと改めて驚きました(笑)。デザインも大きく変わっていないと思っていましたが、歴代のモデルを並べてみると、こんな変遷があったのかという気づきもあり、歴史を感じました。ヒッコリーの時代から最も進化したのはシャフトだと言われているので、これからも三菱ケミカルには先端を走ってほしいです」
三浦プロ
「高校1年生でツアーに出た時にテストして以来、三菱ケミカルのシャフトはずっと使っています。今回、初めてシャフト製造の工程の話を聞いたのですが、こんなに精密に作られているから、性能も良いということに納得しました。改めてラインアップも学べたので、アマチュアの方におすすめのシャフトを聞かれたときに提案しやすくなりました」
紺野さんの感想
「5年ぐらい前に撮影でフィッティングをしてもらってから三菱ケミカルのシャフトを使っています。今回、講義を受けまして、改めてシャフトのことを全然知らなかったなと思いました。スパイン問題も知らなかったし、ゴルフって繊細で奥深いなと思いました。デザインについても三菱ケミカルはこだわりがあるということが分かったので、改めて自分の持っているシャフトを眺めてみようと思います」
コウタロウの感想
「ディアマナは常に新しいものを取り入れているイメージがあったのですが、初代からの伝統を受け継いでいることを知り意外でした。歴代モデルだと『ディアマナ アヒナ』が印象に残っています。まだ弾道測定器もそこまで浸透していない時代に、特に根拠もなく『このシャフトで曲げているようじゃまだまだだ』と(笑)。プロを目指していたころの思い出なので、懐かしいですね」






















