シャフトの実験隊 もっと飛ばせる最新シャフトを探せ！

シャフトの試打検証を終えての座談会 打ち比べてわかったことは

ゴルファーのスイングタイプによって合う合わないはある。飛距離重視か安定性重視か目的を決めてリシャフトしてみよう

【GDO】今回のテスターのお二人は、スペックは違えど、普段は同じシャフト「アッタスT2」をお使いなんですね。はじめに、お二人がこのシャフトを選ばれた理由についてお聞かせてください。

【田島】手元にしなり感があってタイミングがとりやすく、なおかつ走り感があるところが気に入って使っています。コントロールしやすいうえに弾いてくれるので、打っていて気持ちがいいシャフトなんです。動きが分かりやすいのもいいですね。

【山口】田島さんの言うとおり「アッタスT2」は、弾くのに変な動きをしないんですよ。球を運んでいける感覚のあるシャフトなのに、そのうえ仕事もしてくれるので使っています。

【田島】山口さんは、ヘッドスピードが速いので7Xですが、僕のヘッドスピードは43m/sぐらいなので、スペックは6Rでちょうどいい感じです。シャフト選びは、スペック選びも大事だと思いますよ。自分のスイングに無理のない重さで、なおかつ、しならせられる硬さでないと、シャフトが仕事してくれないので。

【山口】そうですね。シャフトは銘柄だけでなく、フレックス選びも大事だと思います。今回はすべて60グラム台のSでしたが、やはり硬さには違いがありました。しっかり感があったのは、「アッタスT2」、「レクシス」、「レジオ」、「クレイジーCB46 ブラック」あたりでしょうか。特にクレイジーは、かなり硬く感じてスチールみたいな振り心地でした。

【田島】高弾性カーボンを使っているシャフトは、やはりしっかり感がありましたよね。

【山口】それに高弾性のシャフトには、「打ってやった！」というソリッドな感触がありました。トータルの飛距離はそんなに変わらないと思いますが、フィーリングはいいと思いますね。

【田島】高弾性の硬いシャフトは、しならすことさえできれば、そのぶん弾き感が強いので飛ぶような気がします。実際、クレイジーは僕にはオーバースペックでしたが、なぜかよく飛んでいました。

【山口】僕が打っても確かに飛んでいましたよ。でも、タイミングが合わないと曲がりも大きかったです。一発の飛びはありますが、スイングの再現度が高くないと難しいシャフトだと思いました。総合的に、田島さんは今回打った中では何が良かったですか？

【田島】個人的に気に入ったのは、「アッタスT2」、「ツアーAD DJ」、「ファイヤーエクスプレス LD60 Type-S F3」、「レジオ」ですね。DJは左に行きづらいところが、フッカーの僕には心地良かったです。

【山口】なるほど。僕が気に入ったのは、「アッタスT2」、「モトーレ スピーダー VC.2」、「レクシス M-2（青）」ですね。僕は今回の試打で、手元が柔らかいシャフトが苦手なことに気が付きました。「ディアマナ アヒナ」も手元が折れるような感覚で、僕にはまったく合いませんでした。

【田島】山口さんはヘッドスピードが速くて、ダウンスイングでタメが強いからでしょうね。手元がしっかりしていて、全体的にしなるクセのないシャフトのほうがいいんだと思います。シャフト選びは、何を優先するかがポイントですよね。一発の飛ばしか、方向性か。平均飛距離を伸ばすなら「レジオ」、「レクシス M-2（青）」、「Miyazaki（水）」あたりかな。

【山口】それらのシャフトは、スペックが合えば誰にでも使いやすそうです。先調子が好きなら「レクシス M-1（赤）」。長尺で飛ばしたいなら、長くてもしっかり振れる「ファイヤーエクスプレス LD60 Type-S F3」がいいと思います。

【田島】スイングタイプによって、合う、合わないはありますが、今回いろんなシャフトを打ってみて、飛んで曲がらないシャフトはないと感じました。

【山口】そうですよね。結局は使い手であるゴルファーが、飛距離と安定性のどちらを優先して折り合いをつけるかだと思います。

【GDO】なるほど。お二人のコメントで、それぞれのシャフトの特徴がよく分かりましたよ。どうもありがとうございました。お二人には次回の「地クラブ編」でも試打していただきます。引き続き、どうぞよろしくお願いします！