打ってみると？

試打クラブはロフト角9度、シャフトはフジクラ ランバックス6Y09（S）。クラブ重量は315.6gでバランスがD2.5。長さは45インチ（ヒールエンド法で計測）。硬さの目安となる振動数は258cpm。アスリート向けだけあって、クラブ重量は重めの設定でシャフト重量が60g台。ワッグルすると手元がしっかりしていて中間から先端側が大きめにしなる。市販のランバックスの中では「Vシリーズ」に近い印象だ。ねじれ感はかなり少なめ。リアルロフトを計測すると、表示9度に対してリアルロフトは9.25度。フェースの向きは－0.25度。ヘッドは見た目通りかなりハードなスペックだ。

アイアンでしっかりウォームアップ後、1球目からフルスイング。「ボコッ」とやや鈍めの音、フェースにボールが吸いつくような感触を手に残しつつ、ボールはやや低めの弾道で飛び出す。軟鉄鍛造アイアンのように吸い付き感が強いのが特徴だ。

球筋的には、ストレート軌道で打って軽いフェード。操作性が高いのでドローも打ちやすい。オートマチックにフェアウェイに飛ばすことよりも操作性を優先。ドロー、フェードを打ち分けて、ピンポイントにボールを運べるドライバーだ。

弾道も見た目通り低スピン系だ。フェースの中央で捕らえても吹き上がる気配はまったくなく、やや上部で捕らえるとスピン量は2000～2200回転。市販ドライバーの中でも低スピン弾道の打ちやすさはトップクラス。キャリーよりもランを使って飛ばしやすく、風に吹き上がりづらい弾道をオートマチックに打っていける。そしてフェード系の弾道でも吹き上がりづらいので、パワーフェードで飛距離を稼げる。ただし、9度のヘッドだとボールを高く上げるにはかなりのパワー（ヘッドスピード48m／s以上）が必要だ。スイートエリアは見た目通り。操作性を重視しているので、460CCドライバーの中ではミスに強いタイプではない。

ヘッドに比べるとシャフトはややソフトな仕上がり。振動数は260cpm近くあるが、中間から先端側のしなりがかなり大きい。ゆっくり切り返しても、シャフト中間部分がかなりしなる。そして、ダウンからインパクトにかけてはシャフトがシャープにしなり戻る。フジクラのランバックスシャフトであるが、イメージ的にはスピーダーに近く、シャフトでヘッドスピードを上げてやろうという意図を強く感じた。