打ってみると？（弾道は）

ロフト角を調整できるタイプなので、試打では9.5度のスタンダードポジションをチョイスした。シャフトはグラファイトデザインと共同開発された純正「ツアーAD J-D1」のSフレックス。ワッグルすると手元が硬めで、中間から先端がしなるタイプだ。ウォームアップ後、実際に打ってみた。

「スパン」と乾いた金属音とともに、ボールが低く真っ直ぐ飛び出した。TYPE-2と同様、このTYPE-1もフェースの弾き感が強く、インパクト時の球離れはやや早めである。

試打して印象に強く残ったのがスピン量だ。重心位置が低いのだろう。フェースセンター付近でとらえても、オートマチックで低スピン弾道が打てる。TYPE-2もスピンが少ない弾道が打ちやすかったが、TYPE-1はさらに低スピン弾道が打てる。非力な人にはボールが上がりづらい怖さがあるが、パワーヒッターが使えば低スピンの強い弾道で飛距離が稼げるドライバーだ。

つかまりに関してはニュートラルで、真っ直ぐ打つ感じでスイングすれば、ストレート弾道が打てる。試打した感じではヘッドが大きいTYPE-2よりも、やや小ぶりなTYPE-1の方がつかまりはいい。おそらくTYPE-1の方が重心距離は短くなっているのだろう。

インパクトゾーンではヘッドが返りやすい（つかまりやすい）挙動が手に伝わる。加えて操作性が高く、ドロー、フェードを打ち分けやすく仕上がっている。

ヘッドスピードを46m/sまで上げて弾道計測してみると、打ち出し角度は11～12度でスピン量は2000～2500回転。キャリーだけでなく、ランでも飛ばせるタイプのドライバーだ。フェースのやや上側でとらえると、スピン量は1600～2000回転まで減り、アゲインストに強い弾道が打てた。

標準装着される「ツアーAD J-D1」のSシャフトは、手元剛性が高く中間部分から先端にかけてしなる。トルクも適度にあって癖のないしなり感が手に伝わる。インパクトゾーンでもしなり戻るスピードが速すぎないので、タイミングが取りやすい。

このMP TYPE-1 ドライバーは重心距離が非常に短く感じるので、マッスルバックアイアンのようにシャープな操作性を持つ。調整機能が付いているので、持ち球がドロー系の人だけでなくフェード系の人にも扱いやすい。そして何よりの魅力は、低スピン弾道が打ちやすいこと。スピン量が多くて飛距離をロスしているゴルファーに、さらなる飛びをもたらすだろう。