打ってみると？

試打クラブの3Wのロフト角は15度。装着するシャフトは純正「KUROKAGE TM5 2019」（三菱ケミカル製）のSフレックスで、ドライバー用と同じシャフトだ。

ソールに大きな可動式ウェイトがあるが据わりがいい。ノーマルポジションだとフェースはほんの少しだけ右を向き、つかまりよりも左へのミスが出づらい顔つきである。フェースのトウ上側はツイストフェースが採用されているため、一般的なFWに比べて開く度合いがやや大きめだ。

ワッグルするとシャフトは全体的にしっかりしており、中間部分が少ししなる感じだ。

さっそく打ってみた。一発目からドライバーで打ったかのような低スピン弾道。打ち出しの高さはそこそこ出ているが、スピン量がとにかく少ない。吹け上がる感じはなく、放物線弾道で飛んでいく。65グラムものウェイトがソールに装着されているのだから当たり前だが、重心位置がかなり低いのだろう。

弾道はストレートから軽いフェード弾道。つかまり具合は「M5 ドライバー」と同じぐらいで、左へのミスが出づらい弾道が打てる。インサイドからヘッドを入れても、ドローがかかる度合いが控えめ。反対にアウトサイドからヘッドを入れたら、強めのフェード弾道になった。

ヘッドスピードを43m/sに上げて弾道計測すると、打ち出し角は10.5度前後で、スピン量は2600～2900回転。低くティアップして打ったらさらにスピンが減り、ドライバーのような弾道になった。

「KUROKAGE TM5 2019」は切り返しでシャフト中間部分がしなり、ダウンスイングではしなった分だけしなり戻る。追従性が適度に高く、自分の意図が伝わりやすい。

ノーマルポジションで試打してみたが、低スピン弾道がオートマチックに打てる。高弾道でキャリーを出すにはそれなりのヘッドスピードが求められるが、飛距離性能は相当高いだろう。グリーンに止める球を打つことよりも、キャリーとランで飛距離を稼げるフェアウェイウッドである。

豊富な調整機能を求めつつ、フェアウェイウッドでも「とにかく遠くに飛ばしたい」という人にとっては、期待に応えてくれるクラブだろう。