インプレス ドライブスター TYPE/S ドライバーを井上真熙が試打「チタン派でもイケるフィーリング」
全方位ミス打点に強い8軸カーボンフェース ゴルフ知識を学んできた理論派コーチの評価は!?
ヤマハ インプレス ドライブスター TYPE/S ドライバーを専門的にゴルフ知識を学んできた理論派コーチが試打したら…【井上真熙】
カーボンフェースドライバーの常識を覆(くつがえ)すべく、8枚のカーボンを向きを変えて重ねたヤマハ「インプレス ドライブスター」シリーズ。約9000g・cm2の縦横合計慣性モーメント値を実現し、全方位の打点ブレに強さを発揮するという。そんな新シリーズのスタンダードモデル『TYPE/S』を、ドローモデル『TYPE/D』と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ゴルフ知識を多角的に学んできた理論派コーチ・井上真熙(いのうえ・まさき)が試打評価を行った。
「『TYPE/D』とはかけ離れた性格 チタン風味のフィーリングは◎」
―率直な印象は?
「ヘッドカラーもデザインもシックな雰囲気で、格好よく感じられて所有感を得られる部分は、今作の大きな特徴といえます。特に『TYPE/S』は、構えた際のサイズ感も引き締まって見え、小振りなシルエットが操作性の高さを連想させます。一方の『TYPE/D』は、ヘッド後方の膨らみが大きくなっている分、安定感とボールのつかまりやすさをイメージできる。それぞれ個性のあるタイプの異なる2モデル構成となっています」
―前作・22年発売モデルと比べると?
「ヘッドの大きさは『TYPE/S』<前作<『TYPE/D』の順となっています。小振りな『S』は操作性の高さをイメージでき、中間の前作はバランスの取れたスタンダードモデル、大型の『D』は安心感とつかまり具合が強く、打点ブレに強い印象を受けます。ことし24年発売の2モデルだけで判断するのではなく、前作を含めた3機種構成で考えると最適なモデルが見つかる気がします」
―そのくらい『S』と『D』の性能差を感じる?
「結構離れている印象はありますね。もちろん『S』はロースピン(LS)クラスとまでとは言えないまでも、ボールのつかまり具合はやや抑えめで、意図した球筋のボールを打ちたい人に向けた性能となっています。逆に『D』はつかまり具合がけっこう強め。前作がちょうど中間のスタンダードモデルとして、そこのギャップを埋めてくれる感じです」
―カーボンフェースの打感は?
「前作までチタンフェースで結構弾き感は強かったですが、今作からカーボンフェースになり、ちょっと弾いているというより食いついてる感触に変わっています。既存の『インプレス』ユーザーにはかなり驚かれる変化だと思います。同じカーボンフェースを採用しているテーラーメイドは、『ステルス』からガラリと大きく変化した印象を持ちましたが、この『インプレス』ではチタンの弾き感を残しながら、カーボン特有の重厚感を加えた感じ。チタン派の私でも違和感なく使えるフィーリングに仕上がっています」
―カスタムするならどういうセッティングがいい?
「シャフト長を短くするべきだと思います。これは私の持論で、『インプレス』に限った話ではないのですが、市販で売られているクラブの長さ(ドライバー平均45.5インチほど)は、日本人の体格には少し長いと感じています。ゴルフテックの生徒さんにも0.5~1インチをカットすることを勧めています。最大飛距離がその分落ちる可能性はありますが、短くしてミート率を上げることで曲がらず、安定感が増す。結果的にトータル飛距離が伸びるというわけです。ただし、基本的に1インチカットするとワンフレックスは硬くなるといわれているので、フレックス選びは慎重に検討するべきでしょう」
―どのような人向き?
「スコア100切りを達成した中級者から、プロや上級者まで使える性能といえます。HSも持ち球も問わず、ある程度芯に当てることができるアスリートゴルファーなら、誰にでも適応してくれるでしょう。ミート率に自信のない人は前作を、スライスをどうしても抑えたい人は『D』を。球筋と外観の好き嫌いにフォーカスを当て、3つのタイプから選んでみてください」
全項目4.5以上 操作性が上がった部分を評価 【総合評価4.7点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX for YAMAHA M-425D(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
井上真熙(いのうえ・まさき) プロフィール
1998年生まれ、茨城県出身。ゴルフコーチを行っていた叔父の誘いで10歳からクラブを握る。高校ではゴルフ部に入り、ゴルフの楽しさを伝える仕事に就きたいと考えるように。卒業後、東京ゴルフ専門学校に入学してルール論、ゴルフ歴史学、心理学、用具論、用具メンテンナンス、トレーニング論、スイング論を学ぶ。PGAティーチングプロ資格取得済み。現在は「ゴルフテック by GDO」六本木店にて勤務。
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