【最速試打】キャロウェイ「ELYTE」 Aiフェースが更なるアップデート 高初速かつ“広初速”へ
7日に正式発表され、そのベールを脱いだキャロウェイの新ドライバー「ELYTE(エリート)シリーズ」。抜群の初速性能で話題を集めた21年「EPIC(エピック)」の色合いを髣髴とさせる緑ベースの配色。「ELYTE」「ELYTE X(エックス)」「ELYTE ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」「ELYTE MAX FAST(マックスファスト)」4機種がラインアップされた。早くもPGAツアーでは使用するプロも増えてきている中、今回はスタンダードモデルの「ELYTE」を紹介する。その特徴をギアの知識が豊富なミタさんが特徴を解説。飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
AIの効果を10倍にしたフェース。ヘッドの試作はなんと75回!
【ミタさん】
ついにキャロウェイの2025年モデルが登場しました。今回紹介するのは「ELYTE」です。
【シオさん】
4機種ある中で、スタンダードタイプが「ELYTE」ですね。
【コウタロウ】
前作の「パラダイム Ai-SMOKE」シリーズは、「MAX」とか「MAX-D」というラインアップでしたが、今回はネーミングが違うんですかね。
【ミタさん】
前作と比較するならば、「MAX」に近いのが「ELYTE」で、「MAX-D」を継承しているのが「ELYTE X」です。ただ、「ELYTE」は前作までの「MAX」に比べると形状がスッキリしています。
【コウタロウ】
ちなみに“エリート”というのはどういうコンセプトですか?
【ミタさん】
ドライバーの開発は「ボールスピード=初速(飛距離)」を追求すると、「寛容性(やさしさ)」が落ちてしまう。慣性モーメントを大きくしてやさしさを限界まで高めると、スピードが落ちるという二律背反がひとつの壁になっていました。今作はその壁を突破し“エリート領域”と題したそのエリアに突入したことが由来となっています。
【シオさん】
キャロウェイと言えばボールスピードはトップクラスですが、やさしさの壁は突破できたんですか?
【ミタさん】
今回、一番進化したのはフェースです。前作の「パラダイム Ai-SMOKE」でもAI設計でフェース面上にコントロールポイントを作って、打点がズレたときの弾道を補正していました。「ELYTE」ではコントロールポイントの数を10倍にしています。だから、フェース面の広いエリアで曲がりにくくなりました。
【コウタロウ】
急に10倍になったんですか?
【ミタさん】
今回の開発にあたり、キャロウェイは設備投資にお金をかけています。コンピューターのアップデートやエンジニアの増員はもちろん、チタン製のパーツが作れる3Dプリンターを導入しました。その結果、プロトタイプの制作時間が大幅に短縮されて、「ELYTE」が完成するまで75回もの試作を繰り返すことができました。
スピードも出ているけど、一番変わったのは打感
【コウタロウ】
アドレスしたときの顔が良くなりましたね。マットブラックのクラウンカラーも落ち着いた印象で、とても構えやすい。
【ミタさん】
打った印象はどうですか?
【コウタロウ】
キャロウェイと言えばボールスピードが魅力なので、当然速いですよ。私は60グラム台の純正シャフト(テンセイGREEN 60 for Callaway)で打ちましたが、ボールスピードは70m/s以上が簡単に出ます。ただ、スピンはやや少なめで、打ち出しはロフト(9度)なり。やさしくボールを上げてくれる雰囲気はないので、多くのアマチュアゴルファーはロフト10.5度で落ち着くと思います。
【ミタさん】
ミスヒットに対する強さは感じましたか?
【コウタロウ】
曲がらないというのもあるけど、ミスヒットでもボールスピードがあまり変わらないところがすごい。ちょっとヒール側でもボールスピードが69m/s以上出ていました。ただ、印象としては打感が一番変わった。前作よりもチタンドライバーのような食いつく柔らかさがあります。
【ミタさん】
「ELYTE」はクラウン素材も新しくなっています。航空分野などでも使われているサーモフォージドカーボンを採用したことで、より精度の高い設計や最適重心を叶えただけではなく、打球音も心地よくなっています。
【シオさん】
私は50グラム台の標準シャフト「ベンタスGREEN 50 for Callaway」で打ちましたが、気持ちよく振り切れます。さすがに僕のヘッドスピード(40m/s)だと、ボールスピードに大きな変化は感じられませんでしたが、打感は確かに良くなりましたね。前作よりこもる感じがなくなりました。ただ、ロフトが10.5度とは思えないほど、打ち出しが低く、かなりのロースピン弾道でキャリーが思ったほど出ませんでした。エリート領域に達するには打ち手の問題もありそうです。
【ミタさん】
おそらくシオさんは、「ELYTE X」とか「MAX FAST」向きかもしれませんね。
【シオさん】
低スピンだけど、曲がらない感じは体感できました。すごくポテンシャルの高いドライバーで、アスリートに人気のあった「エピックシリーズ」に似ている雰囲気を感じましたよ。
【ミタさん】
スタンダードの「ELYTE」はキャロウェイらしいボールスピードに、AIフェースによる弾道補正機能を融合し、適度な寛容性と操作性を持たせたモデルです。ただし、決して万人向けのドライバーではありません。ヘッドスピードで言えば42m/s以上あって、ドロー系の球筋が打てる人と相性が良いでしょう。1モデルで幅広い層をカバーするというよりも、4モデルで全てのターゲット層をカバーしようとしていると思います。
【コウタロウ】
純正シャフトで60グラム台と50グラム台から選べるのがいい。「テンセイGREEN 60 for Callaway」はアスリートゴルファーでも十分使えるシャフトです。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイ ELYTEドライバー
●ロフト角:9度、10.5度 ●シャフト: ベンタスGREEN 50 for Callaway(シオさん)、テンセイGREEN 60 for Callaway(コウタロウ) ●硬さ:共にS
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
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