ボールスピードにワクワクする!25年最新モデル中の最速か?!キャロウェイ「ELYTE ◆◆◆」試打
PGAツアーで多くの選手に人気なのが「ELYTE ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」。2月7日に発売されてからすでにカスタムオーダーの注文が殺到している様子。やはり上級者やアスリートゴルファーは、「ELYTE」シリーズで最も気になっているモデルなのだろう。新型のトリプルダイヤモンドはAIの力でどのように進化したのか。その特徴をギアの知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
360°カーボンシャーシを唯一継承。フェースは10x!
【ミタさん】
今回紹介するのはアスリートゴルファー大注目の「ELYTE トリプルダイヤモンド」です。
【コウタロウ】
これは楽しみ!前作の「パラダイム Ai-SMOKE トリプルダイヤモンド」もボールスピードがヤバかったです。
【シオさん】
今回の特徴は?
【ミタさん】
まず「ELYTE トリプルダイヤモンド」は「ELYTEシリーズ」で唯一、360°カーボンシャーシを継承しています。ボディ部分はソールからクラウンまでグルッとカーボン構造になっています。
【コウタロウ】
確かに、「ELYTE」はソールがチタンでしたね。
【シオさん】
その理由は何ですか?
【ミタさん】
「トリプルダイヤモンド」は日本でも海外でもプロからの評価が高く、使用者も多いことから、大幅に設計を変えるのは難しかったみたいです。
【シオさん】
それだけ完成度が高かったのですね。フェースは10倍の10xですか?
【ミタさん】
もちろんです。他の「ELYTEシリーズ」同様にコントロールポイントが10倍以上になった「Ai 10x FACE」を採用しています。
【コウタロウ】
何回聞いてもコントロールポイントがよくわからないんですけど……。
【ミタさん】
わかりやすく言うとミスヒットしたときにボールの矛先を変えてくれるポイントのことです。コウタロウの場合、フェースを返しすぎてインパクトするとボールは左に飛ぶけど、コントロールポイントがたわむことによって右方向に飛ぶ力を加えてくれます。その結果、左方向への曲がり幅を抑えてくれる効果があります。
【コウタロウ】
インパクトでそんなすごいことが起きているんですね。
【シオさん】
さすがAI!
飛距離性能はトップクラス!打音もとてもイイ
【コウタロウ】
えっ!? これだけクラウンがマットブラックじゃない。個人的にはマットの方が構えやすいのに。
【ミタさん】
他の3モデルはマット加工ですが「トリプルダイヤモンド」だけ光沢のあるグロス処理です。
【シオさん】
高級感があって、こっちが好きな人もいると思うけど…。
【コウタロウ】
クラウンの仕上げは気になったけど形状はすごくイイ。逃げ顔というか、少しフェースが右を向いているので、アスリートゴルファーが叩ける顔です。
【ミタさん】
打った印象はどうですか?
【コウタロウ】
打感がとても良くなりましたね。少しこもった打球音が心地よく、前作よりも打っていて気持ちがいい。ボールスピードも文句なしですね!「ELYTE」の他の3モデルと比べても2~3m/sくらいは速い。あと、前作の「パラダイム Ai-SMOKE トリプルダイヤモンド」より若干つかまりが良くなったのか、右に抜ける感じがしません。
【ミタさん】
シオさんはいかがでしたか?
【シオさん】
私の場合、全くボールが上がらないことを予想していたのですが、思っていた以上に打ち出しが高いことに驚きました。また、コウタロウ君も触れていましたが、私も右に抜けることがなく、イメージに近いドローボールが打てました。確かにスピン量は少なめですが、プロやアスリートだけが扱えるようなそこまで難しいモデルではない気がします。打感も他の3モデルと違いますし、明らかに球離れは速いですね。
【コウタロウ】
もっとボールスピードが出たらワクワクするかも。
【ミタさん】
ソールのウエートを逆にしてみますか? 通常は前方に4g、後方が9gですけど、逆にしたら浅重心化されてボールスピードが上がるかもしれません。
【コウタロウ】
ウエート逆バージョンはヤバい!平均でバックスピンは150回転下がりましたが、ボールスピードはさらに1m/s上がりました。ボールスピードは完璧にエリート領域に入っています。飛距離性能は間違いなく2025年モデルのドライバーのなかでトップクラスでしょう。ただ、全く寛容性は期待できません。シオさんも打ってみますか?
【シオさん】
無理無理、私はやめておきます。
【ミタさん】
360°カーボンシャーシを採用している「ELYTE トリプルダイヤモンド」は、良い意味で歴代の「トリプルダイヤモンド」を継承しています。今まで「トリプルダイヤモンド」を使っていた人は違和感なくスイッチできると思います。ヘッド体積450ccのディープフェースはアスリートが好きな形状で、操作性が高く中弾道の強い打球が打ちやすい。通常のウエートポジションであればヘッドスピード42m/sあれば打ちこなせるでしょう。前方が9g、後方が4gになると48m/s以上のパワーヒッター仕様です。
【コウタロウ】
キャロウェイにボールスピードを期待しているアスリートゴルファーはコレでしょ!
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイ ELYTE ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)ドライバー
●ロフト角:9度、10.5度 ●シャフト:TENSEI GREEN 60 for Callaway ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。