番手が3、4番になると、手ごわさがさらに増すTN-87 アイアン

2014年6月に衝撃的なニュースが流れた。マッスルバックアイアンの歴史的名器『ミズノ TN-87 アイアン』が復刻され、予約受注限定で発売されるというのだ。予約受付は2014年7月31日まで、購入者への納品は約半年後の2015年1月。3番からSWまでの10本セットで、シャフトはダイナミックゴールドのS200のみ。価格は38万円（税抜き）とかなり自信あふれる設定だった。ミズノには、仕様を細かくオーダーできる『ミズノクラブオーダー』というシステムがあるが、この商品においては一切対応しないという、完全オリジナル限定復刻版だ。

全盛期の中嶋常幸のこだわりを形にしたTN-87 アイアン。当時はジャンボ3兄弟が愛用するブリヂストンゴルフのMTN3、ダンロップのDP-201、そしてミズノTN-87が、国産マッスルバックの御三家と言われていた。当時から30万円以上とプレミアム価格で、アスリート志向のアマチュアのあこがれだった。美しく、打感も抜群で、操作性も良い。一方、重心距離が短く、重心深度は浅いので、ミスがそのままの打球に直結するシビアなアイアンだ。

販売から1年以上が経過。中古市場ではどうなっているのか、興味ある方も多いだろう。中古ショップでは、意外にも在庫を見つけることができる。それも未使用状態のものばかりで、価格は26万円前後が多い。プレミアム価値が付いて、価格沸騰することを狙って購入した人が多いのか？ コレクターが衝動買いしたものを手放したのか？ なぜ未使用ばかりなのか？ その理由はわからない。価格が高騰していないということは、限定数での販売ではなかったので、受注生産されたのかもしれない。しかしこの美しいアイアンが未使用。しかもオトクな価格で購入できるので、今が買いどきかもしれない。

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