マトリックス図話題の“外ブラ”をヘッド性能で比較! 新作ドライバーのマトリックス図(2020年版)を大公開【前編】
2020/03/01
2020年春の新作ドライバーが出そろい、買い替えを検討するゴルファーも多いのでは? 19年下半期から20年に発売された10社19本のモデルを対象に、レッスンスクール「ゴルフテック」羽田空港店でクラブフィッティングを行う三田貴史コーチにマトリックス図を作成してもらった。同氏の解説で海外と国内メーカーに分け、前後編で紹介する。
今回は、すでに欧米ツアーで多くのトップ選手が投入している海外メーカー編。テーラーメイド、キャロウェイ、ピン、タイトリストの4社7本のクラブをまとめた。(※可変ウェイトモデルはニュートラルの状態に設定)
「TS1」と「G410 LST」は“やさしい”クラブに
縦軸は「バックスピン量」で、上に行くほどスピン量が多く、下に行くほど少なくなる。横軸は「球のつかまり」を示し、左に行くほどつかまりが良く、右に行くほど抑えられた性能となる。
左上の「バックスピン量が多く、つかまりやすい」に位置するクラブは、スライスのミスを減らし、球も上がりやすく、初心者には心強い。
最も左上にあるタイトリストの「TS1 ドライバー」は、多くのトッププロが使う「TS」シリーズの中では最もやさしいクラブ。三田氏はその理由について「ヘッドの重量が大きいと思います。軽くて振り抜きやすく、さらにヘッドが返りやすい設定なので、スライスのミスはある程度防げるでしょう」と、解説する。
右上の「バックスピン量が多く、つかまりすぎない」に位置するピンの「G410 LST ドライバー」は、昨年発売された「G410」シリーズの低スピンモデル。「前作の『G400 LST ドライバー』は上級者向けという印象でしたが、今回のクラブは難しいイメージはありません。同シリーズの『G410 PLUS ドライバー』よりも、低スピンを求めたい人に合っているクラブです」(三田氏)
話題のSIM、マーベリックは低スピン+高打ち出しに
右下の「バックスピン量が少なく、つかまりすぎない」に位置するクラブは、ツアープロの使用率も高い、低スピンで左へのミスを軽減してくれるタイプとなる。
テーラーメイドの「SIM」シリーズ、キャロウェイの「マーベリック」シリーズは、それぞれ図の下の方に位置しているが、その性能はヘッドのマテリアル(素材)やデザイン変更が大きく影響しているようだ。
「軽い素材をヘッドに使うことで、重量の配分が効きやすくなりました。そのため、重心位置が深く、低くなったので、前作よりも打ち出し角が高くなります」。特にテーラーメイドの「SIM MAX ドライバー」とキャロウェイの「マーベリック MAX ドライバー」は、ともにヘッドの慣性モーメントがシリーズ中、最も高くなっているため、インパクト時のヘッドのブレが少なく直進性も高いクラブという。
一方、キャロウェイの「マーベリック ドライバー」、「マーベリック サブゼロ ドライバー」、テーラーメイドの「SIM ドライバー」は、中でも低スピンモデルに位置付けられ、球の吹け上がりが少なく、飛距離性能も高くなっている。
試打の際は飛距離よりもスピン量に注目
以上の“外ブラ”4社は、「全体的にやさしいエッセンスが加わった印象」と三田氏。「前作よりもオフセンターヒットで曲がりにくくなっているので、打点がフェイスセンター付近に安定して打てる中・上級者は、適切な打ち出し角とスピン量にすることで、より遠くに飛ばせる可能性があります」と、平均的な飛距離アップが望めるクラブとなりそうだ。
ただ、下に位置するクラブは低スピン設計のため、「初心者や非力な人だと、スピン量が少なくなりすぎて、球がドロップしてしまう場合も多く見られます。そのような人にはこれらのモデルは厳しいかもしれません」と注意を促す。
買い替えの際の判断基準について「低スピン系のモデルは試打した際、一発の飛距離は伸びる可能性があります。ただ、自分に合ったスピン量を出せるクラブの方が安定して距離を出せるので、スピン量と平均的なキャリーの距離を見ましょう」と説明した。
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