マトリックス図国産ブランドに見られる変化は? 新作ドライバーのマトリックス図(2020年版)を大公開【後編】
2020/03/06
新作ドライバーを性能別に分類する2020年版のマトリックス図・後編では、19年下半期から20年に発売された国産メーカーを紹介。レッスンスクール「ゴルフテック」羽田空港店でクラブフィッティングを行う三田貴史コーチが解説する。
前編の海外メーカー(4社7本)に続き、ヤマハ、グローブライド、ミズノ、本間ゴルフ、ブリヂストン、住友ゴム工業の6社12本のクラブをまとめた。(※可変ウェートモデルはニュートラルの状態に設定)
ブリヂストン、ゼクシオなど多くが「日本人好み」
前編と同様、縦軸は「バックスピン量」で、上に行くほどスピン量が多く、下に行くほど少なくなる。横軸は「球のつかまり」を示し、左に行くほどつかまりが良く、右に行くほど抑えられた性能となる。
左上の「バックスピン量が多く、つかまりやすい」に多くのクラブが集中しているのが特徴的だが、これは日本人が好むタイプだという。
「これらのクラブは、楽に高い球を打て、しっかりつかまるという、ゴルフの根幹を守るようなもの。ミスを防ぎ、フェアウェイに置くためのクラブです」(三田氏)
住友ゴム工業の「ゼクシオ イレブン ドライバー」、「ゼクシオ エックス ドライバー」、ブリヂストンの「ツアーB JGR ドライバー」は過去のシリーズを踏襲し、つかまりが良く、右へのミスが少なくなるクラブと言えそうだ。
三田氏は2モデルの「ゼクシオ」について、「『ゼクシオ イレブン』は前作の『ゼクシオ テン ドライバー』よりも初速が出るクラブ。つかまりも抑えられている印象です。一方で『ゼクシオ エックス』は『テン』と『イレブン』の中間ぐらいのつかまりです。この差はグリップに搭載されたウェートによる影響で、『エックス』は『イレブン』ほど効いていないということでしょう」と説明する。
グリップ側に重量を配置するカウンターバランスの効果により、ヘッドの過度な動きが抑えられ、左への曲がり幅が減るそうだが、「カウンターバランスが合うか合わないかは個人差が出やすいので、しっかり試打して確認した方が良いでしょう」とのこと。買い替えの際には注意が必要だ。
進む高慣性モーメント化&イメージ一新
ほかの国産ブランドは大きくリニューアルしているものが多い。ヤマハの「RMX 120 ドライバー」、「RMX 220 ドライバー」は慣性モーメントが大幅にアップし、直進性の高い球を打てるモデル。グローブライドの「オノフ ドライバー 赤 RD5900」もルール上限に近い慣性モーメントにより、インパクト時のヘッドのブレが少ない性能を備えている。
「昨年発売されたピンの『G410 PLUS ドライバー』が、これらと同様に高い慣性モーメントで人気のモデルでした。このクラブをかなり意識しているようで、打ち出した方向に真っすぐ飛んでいくクラブです」(三田氏)
本間ゴルフの「TR20 440 ドライバー」、「TR20 460 ドライバー」は、前作から大きくイメージを変えた。「前作までの『TWシリーズ』は、低い打ち出しと強い弾道が特徴的で、上級者向けのイメージが強いです。今作はヘッドにカーボン素材を多く取り入れ、その余剰重量をソールウェイトを配置することで低重心化が進み、ヘッドがアッパーに動きやすくなりました。楽にボールが上がり、つかまる仕様に変わったと思います。またウェートを変更できるので、低弾道や捕まりを抑えた仕様にもできます」とのこと。
一方、国産6メーカーで唯一、右下の「バックスピン量が少なく、つかまりすぎない」に位置したのが、ミズノの「ST200X ドライバー」と「ST200 ドライバー」だった。「ヘッドデザインが米国で企画されたものなので、性能も従来の“外ブラ”仕様と言えます」と三田氏が解説する通り、海外ブランドを意識した低スピンモデルとなったようだ。
本間ゴルフとミズノの最新シリーズは、「世界で戦うツアープロが使うことを意識したクラブ」として、日本で初展開することも特徴だ。
マトリックス図 記事一覧
- 2024-05-01春の新作ドライバーをマトリックス図で比較 「国産MAX」と「海外MAX」明らかな違いとは
- 2023-12-24秋の新作ドライバー「マトリックス図」で比較 国産ブランドの逆襲が始まった
- 2023-01-29「ステルス2」と「パラダイム」の性能をマトリックス図で比較
- 2022-12-2622年秋の新作ドライバーのトレンドは? マトリックス図で比較
- 2022-05-1122年春の新作ドライバーの主流は? マトリックス図で比較
- 2022-01-26「ステルス」&「ローグ ST」1Wの性能をマトリックス図で比較
- 2021-12-172021年秋の新作ドライバーは「ラクに飛ばせる」 マトリックス図を大公開
- 2021-03-212021年春は人気シリーズが進化 新作ドライバーのマトリックス図を大公開
- 2020-11-19注目クラブ目白押しの2020年秋モデルを比較! 新作ドライバーのマトリックス図を大公開
- 2020-03-06国産ブランドに見られる変化は? 新作ドライバーのマトリックス図(2020年版)を大公開【後編】
- 2020-03-01話題の“外ブラ”をヘッド性能で比較! 新作ドライバーのマトリックス図(2020年版)を大公開【前編】
- 2019-09-30新作FWの選び方は? 一目で特徴が分かるマトリックス図を大公開
- 2019-05-12ウェッジの選び方は? 最新マトリックス図を一挙公開
- 2019-03-31新作ドライバー10本の特徴が一目瞭然 マトリックス図(2019年版)を大公開
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
- ルール マナーゴルフ規則 マナー