2019年新作ドライバー“兄弟モデル”の差を徹底検証
兄弟モデルでも違いは大小さまざま
兄弟モデルであっても激似と思うほど似ているものもあれば、まったく別物と思えるものもある。どのような違いがあって、どちらを選べば良いのか? 人気クラフトマン鹿又芳典氏に最新ドライバーの兄弟モデル2本の違いを解説してもらった。
―兄弟モデルで違いはある?
「一口に兄弟モデルと言っても、性能がすべて類似しているとは限りません。大まかには1本はアベレージ向け、もう1本は上級者向けというカテゴリーで販売するメーカーが多いですが、その中でもどちらにも当てはまる類似したモデルもあれば、違いを明確にして個々の特徴を立たせているものもあります」(鹿又、以下同)
両者つかまる高弾道「M5/M6」
―テーラーメイド「M5」「M6」の違いは?
「アスリート向けとされる『M5』は前作の『M3』より打感がソフトになり、弾道も高く球を上げやすい印象に変わりました。またフェードが打ちやすかった前作と比べるとストレートに近い球筋で打ちやすくなったとも言えます。一方、『M6』も『M4』より重心が深く低くなっているので、弾道は高くなり、つかまり度も増しています。進化の方向は同じ。どちらかと言えばMの奇数(『M1』『M3』)シリーズの中で『M5』のつかまり度が偶数シリーズに近づいたことで、兄弟モデルの差は縮まった印象を受けます」
初速No.1でも性格は違う「エピックフラッシュ」
―「エピックフラッシュ」シリーズは?
「『スター』も『サブゼロ』も、各社勢ぞろいした2019年発売モデルの中で、とにかく初速の速さが特徴といえます。兄弟モデルとしては、大きなコンセプトの違いを維持している印象です。『スター』は打ち出しが高く、つかまりも良いのでヘッドスピード40m/s前後の人でもドローが打てるタイプ。『サブゼロ』はアスリートモデルなのでミスヒットにはシビアで、ヘッドスピードは45m/s前後はないとやや厳しいと感じるでしょう」
万人受けの「PLUS」、よりつかまる「SFT」
―ピン「G410」シリーズは?
「今回、打ったモデルの中で最も平均的だったのが『G410 PLUS』です。もちろん高慣性モーメントによるやさしさはありますが、すごく万人向けでバランスがとれたモデルになりました。兄弟モデルの『G410 SFT』はつかまりが良いだけではなく、弾道も高めの打ち出し角になりやすいため、前作『G400』の時と比べて兄弟モデルの差は広がった印象を受けます」
形状はまったくの別物「ミズノプロ」
―「ミズノプロ」シリーズは?
「両モデルともヘッド体積が小さく、また重心距離を短くしてヘッドターンをスムーズにするコンセプトは同じです。『モデル-E』は形状がシャローバック(フェース後方が低い設計)で弾道は高く、いまどきの強い棒球が打てます。一方の『モデル-S』はディープバック(フェース後方が高い設計)で、スピンを抑えた強い球の打ちやすさに特徴があります。どちらも大型ヘッドが苦手という人にマッチすると思いますが、今回比較した中では最も差が明確な兄弟モデルだと思います」
どちらも寛容性がアップ「TS」シリーズ
―タイトリスト「TS2」「TS3」は?
「以前のシリーズに比べてどちらも大きく変化しましたが、『TS2』と『TS3』、兄弟モデルの差は大きくないと思います。特に『TS2』はミスヒットに寛容で、すごくオートマチックに進化。また『TS3』も前作の『D3』シリーズと比べてだいぶ寛容性が上がりました。違いは弾道の高低差。『TS2』のほうが出球は高いです。ただ、どちらであっても、昔のタイトリストのイメージをもっている人にとっては“上がりやすさ”を感じるモデルになっていると思います」
高弾道&つかまり系が多数! 例年になく差がない傾向
―全体的な傾向は?
「全体的にツアーモデルなのに意外とつかまり度の強いモデルや、弾道が高めのモデルが多いという印象を受けました。兄弟モデルの差に関しては、例年になく詰まっているように感じます。その点でスライスで悩んでいる人、球が上がらず悩んでいるという人には、ことしの新作ドライバーは打ってつけなのかもしれません。ドライバー選びに迷っている人は、自分好みのブランドを見つけ、両者の違いをしっかり見極めてから購入することをおすすめします」
撮影協力/ジャパンゴルフスクール
鹿又芳典(かのまた・よしのり) プロフィール
豊富なギア知識と年間2000本以上にも及ぶ試打経験を生かし、クラブフィッターとして数多くのゴルフ媒体で活躍中。ゴルフショップ マジック主宰。
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