ドンッ!と押しながら弾く。「ZXi RKT」は個性豊かな4モデルの“ど真ん中”/谷口拓也 #深夜試打
先月、スリクソンの新ドライバーシリーズ「ZXi RKT」が登場した。高強度の「VR-チタン」とi-FLEX設計によるフェース肉厚構造、方向安定性を高める新ロール設計、カーボンクラウンを活用した新REBOUND FRAME(リバウンドフレーム)の3つのテクノロジーで構成される「RKT フェース」を搭載し、ボール初速と直進性を追求している。今回は操作性と寛容性を兼ね備えたコアモデル「スリクソン ZXi RKT ドライバー」を、ツアー通算2勝の谷口拓也プロが試打評価する。
「厚みを感じる新しい弾き感。4モデルの個性ハッキリ」
「4タイプから選べるのが大きい。コアモデルが一番“ど真ん中”」スリクソン ZXi RKT ドライバーを谷口拓也が本気で試し打ち
―率直な印象は?
「僕の中で最近のスリクソンは、国産メーカーなのにかなり“外ブラ(外国産ブランド)”っぽいポジションになってきた印象があります。同シリーズは、前作のフルチタンからカーボンクラウンを使った構造に変化し、打感も軽い金属音がする感じはなく、少し重さというか厚みが感じられるフィーリングに進化しました。一方で、フェースの弾き感はしっかり出ている。4モデルの特性は意外と明確に分かれているのですが、基本的な打感の方向性には統一感が備わっています」
―では、4モデルの違いを具体的に?
「今作コアは大きすぎず小さすぎず、性能的にも一番ニュートラルで、“ど真ん中”といった感じ。『―MAX(スリクソン ZXi RKT MAX ドライバー)』はややシャローな印象で、スピンが少し入りながらもボールはつかまりやすい。『―LS(スリクソン ZXi RKT LS ドライバー)』は打った瞬間にスピン量がかなり減り、コンセプト通りのロースピン性能を感じました。『―TR(スリクソン ZXi RKT TR ドライバー)』は形状も弾道も、コアと『―LS』の間くらい。個人的にはヘッドの見た目ならコア、ボールの飛び方なら『―LS』が好みでした」
―前作(スリクソン ZXi ドライバー)と比べると?
「飛距離は結局、安定したスピン量とボールスピードが重要です。その点で、前作よりインパクトでボールを受けてからドンッ! と強く押しながら弾いてくれる感覚があり、飛距離性能は間違いなく上がっているといえます。前作からボール初速が劇的に変わるということではないですが(平均65.4m/s)、当たりの強さが増した分ビッグキャリーにつながるという意味で、より前に飛んでくれる期待が持てます」
―打感と打音の変化は?
「カーボンクラウンになったことで、少し打感がマイルドになった気がします。インパクト直後すぐにバーン! と離れていくのではなく、一度フェースでパワーを受けてから、ボールを押し込みながら初速を出していける感触。とはいえ、ボールがフェースにくっ付きすぎる悪い感触ではありません。嫌な金属音もなく、適度な弾き感があり、そのバランスがちょうどいい。感じ方は人それぞれ違うと思いますが、ぜひ一度、試打してみることをおすすめします」
-純正シャフト(VENTUS TR ZXi-II 6)の印象は?
「純正でここまで先端の剛性を締めているものは、最近ではかなり珍しい気がします。一般的には先が大きく動いて、楽にボールを上げるものが多いですが、今作は中元あたりがしなり、ヘッドがしなり戻りながら先端部はしっかりしている。フェースの余計な挙動を抑えてくれるため、ヘッド性能を邪魔することなく、しっかり振っていけます。僕くらいのヘッドスピード(平均46m/s)でも、問題なく扱える純正シャフトだと思いました」
―どんなゴルファーに向いていますか?
「今作コアは、幅広いゴルファーに合うと思います。ソールウエートを入れ替えることで、つかまり具合も調整できます。『―MAX』は球が上がりにくい人や、つかまりにくい人。『―LS』はスピン量が多いパワーヒッター。ボールがつかまりすぎる人にも候補になります。『―TR』は、『―LS』ほど難しそうな顔は嫌だけど、コアでは少しスピン量が多くなってしまう人向け。とにかく4タイプがそれぞれ個性的で、さらに調整次第でアジャストもできる。打ち比べながら自分なりにカスタマイズして選べる点は、“新生スリクソン”の大きなメリットだと思います」
“ど真ん中”の完成度を備えたオールラウンドモデル【総合評価4.3】
【試打結果(平均)】
総距離:247.8yd
キャリー:237.1yd
ヘッドスピード:46m/s
初速:65.4m/s
スピン量:3344rpm
打ち出し角:14.7度
【飛距離】4.5
【打感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:VENTUS TR ZXi-II 6(硬さS)
・使用ボール:横須賀グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン、横須賀グリーンゴルフ
谷口拓也(たにぐち・たくや) プロフィール
1979年9月17日生まれ、徳島県出身。2003年のプロデビュー年に賞金シードを獲得。04年『アイフルカップ』で初優勝し、賞金ランク20位で最優秀新人賞を受賞。08年『サン・クロレラクラシック』で2勝目。数多くのトッププレーヤーを指導したコーチ、ピート・コーウェン氏に師事しレッスン技術を学ぶ。妻は国内女子ツアー3勝の一ノ瀬優希。