革新的シリーズの“つかまり担当” HS50m/s台のYouTuber評価は！？

パラダイム(PARADYM) X ドライバーをフルスイング系YouTuberが試打したら…【万振りマン】

ヘッド中間部分360度全てにカーボンシャーシを搭載したキャロウェイ「パラダイム」シリーズ。飛距離と安定性の両立を図った同シリーズの中でも、よりボールのつかまりを高めた「パラダイム X ドライバー」は、やさしさを求めるアベレージゴルファーから高い関心を得ている。そんな“つかまり担当”を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は！？

• 1WのHS30m/s台・西川みさとの場合
• 1WのHS40m/s台・筒康博の場合

「抜群の安定感が“飛び”要素としてはマイナスに…」

全体的に弾道は高め&やや左方向の弾道が多く ボールはつかまっていた

―率直な印象は？
「ヘッドサイズが大きく、ミスヒットに強そうな印象で、アドレス時に上から見た際にとても安心感が持てました。逆にクラウンが後方に長い特徴は、他社の一般的モデルと比べ、やや違和感を覚える形状だと感じます」

高慣性モーメントを実現するためフェースから最後部までの距離が長いヘッドデザイン

―違和感を覚える形状…？
「はい。私が大型ヘッドに慣れていないことが一番の要因ですが、スタンダードモデル『パラダイム ドライバー』と比べると重心距離が長く、バックスピン量が予想以上に増えてしまう点に戸惑いは隠せません。後方にかかる比重により、スイング中にヘッド後方が垂れてしまいがちな点も、振り心地という観点ではマイナスに感じる短所となってしまいました…」

前後左右のバラつきを補正するアルゴリズムを採用した新「AIフラッシュフェース」

―予想以上にスピン過多？
「そうですね。インパクト前後でロフト角を立て、ヘッドをコントロールしない限り、弾道の上がり過ぎは抑えることはできません。ただ、同時にボールのつかまりやすさは感じられる分、安定してハイドロー弾道が打てるヘッドに感じます。いろいろ弾道を打ち分ける特性ではない半面、常に同じ弾道を狙えるモデルと言い換えられると思います」

中間部のカーボンシャーシにより前作以上に存在感を増したバックウエイト

―軽量モデル「パラダイム MAX FAST ドライバー」と比べると？
「『―MAX FAST』は、見た目のサイズ感は『―X』と同じですが、振り心地は全く異なります。軽くて振りやすい分、スピン量は増え、弾道の高さは更に上がりやすいように感じました。打感も軽く感じられ、飛距離はよりロスしてしまっている印象。“飛び”という要素を強調して採点するなら、どうしても『―X』より辛めの評価となってしまいます」

総重量が約280g(フレックスS)のシリーズ最軽量・国内限定モデル「―MAX FAST」

―違和感を抱いてしまう要素は大きさによるもの？
「サイズ感は『―トリプルダイヤ』＜『パラダイム』＜『―X』＜『―MAX FAST』と、徐々に大きくなっているため、その分で見た目の違和感の度合いは大きくなります。ですが、実は振り心地での違和感は『―X』のみで、大きくても軽さのある『―MAX FAST』には、そこまでイメージとのギャップは感じません。インパクト前後のヘッドの加速感は十分味わえるため、性能面でブレーキがかかるような、しっくりしない印象は受けませんでした」

「スピンはトラックマンの数値(平均2159rpm)より多く出ている印象」と万振りマン

―どのような人向き？
「『―X』について、飛距離は思い通りに出せなかったのですが、高さはちゃんと出ていたため、ドライバーの弾道が常に低く、ライナー系の球筋に悩みを抱えている人向きといえます。とにかく弾道が低く、高さを出したい人にお勧め。私のようにスピンが多く、吹け上がりに悩みを抱えているゴルファーには、少し不向きな特性だと感じます」

飛距離・構えやすさで3.5点△と辛口評価【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：VENTUS TR 5 for CW(硬さS)
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

• 西川みさとは…「“キャロ顔”が強調された印象」
• 筒康博は…「シリーズ中心はこっちかも」