クラブは“顔”が命! 2020春の最新ドライバーを見比べ隊
一目惚れする1Wは? 激動の新作10本を解説
SIM、マーベリックと過去シリーズから名称を切り替え、新たな話題作が登場した2020年春のドライバー市場。打感も特性も重要だが、何といっても見た目でしょ! “顔”でしょ!! ということで、外見重視のゴルファーにお送りする今企画。クラブ設計家・松尾好員氏の解説付きで最新モデル10本を並べてみた。
フェードを連想させる「SIM」
テーラーメイド「SIM ドライバー」は、ヘッドの輪郭が兄弟モデル「MAX」とほぼ同じ形状です。ただ、同社の特徴であるクラウン1時2時方向の張り出しがより大きい印象です。オープンフェース設定とフラットなライ角で、ツアープロが求めるつかまりすぎないフェード弾道を、連想しやすい形状に仕上がっています。
「SIM」より重心の深い「SIM MAX」
テーラーメイド「SIM MAX ドライバー」は、兄弟モデル「SIM」と同じフェード弾道をイメージしやすい形状です。「SIM」と違う点はフェース上下の厚みがあり、ソールにスライド式ウエイトが装着されていない点。これにより「SIM」より重心深度が深く、球を上げやすい設計であることがうかがえます。
3兄弟の真ん中「マーベリック」
キャロウェイ「マーベリック ドライバー」は、3兄弟(他「MAX」「サブゼロ」)の中で、投影面積が中間的なモデルといえます。ヘッド後方が高いハイバック形状に仕上がっており、レベル(水平)にスイングしやすいイメージがもてます。米国製らしくオープンフェース設計になっていることも特徴です。
やさしいけれどつかまり感抑えめ「マーベリック MAX」
キャロウェイ「マーベリック MAX ドライバー」は、3兄弟の中で投影面積が最も大きく、やさしい印象を受けます。ヘッド後方が低いシャローバック形状で、アッパースイングの軌道がイメージしやすいです。やさしいモデルではあるものの、つかまりすぎないオープンフェースなところが大きな特徴といえます。
国産なのに強烈オープンフェース「ST200」
ミズノ「ST200 ドライバー」は、兄弟モデル「ST200X」と比べてヘッドの輪郭がやや縦長で、米国ユーザーを意識したのか、強烈なオープンフェースとなっています。やや小ぶりに見えるサイズ感は、操作性の良さを想像させます。ディープバック(後方が高い)モデルが多いミズノにしては、シャローバックな形状です。
トウ側の出っ張りを抑えた「ST200X」
ミズノ「ST200X ドライバー」は、「ST200」に比べてトウ側の出っ張りが抑えられ、ヘッド全体の横幅が広く、投影面積がやや大きい印象です。アップライトなライ角とフックフェース設計のため、球をつかまえるイメージが出ており、ミズノにしてはシャローバックでアッパースイング軌道を連想させます。
スピード感を与える三角形「SPEEDZONE」
コブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」は、同社の特徴であるヘッドの輪郭が三角形で、文字通りスピード感を想像させるシャープな造りとなっています。米国製モデルらしくオープンフェース設定ですが、ライ角でアップライトになっていることで、球をつかまえるイメージを出しているといえます。
幅広い層に受けそうな「オノフ 赤」
グローブライド「オノフ ドライバー 赤」は、ヘッドの投影面積が大きい割にメリハリのきいた輪郭で、アベレージゴルファーだけでなく上級者にも好まれそうな雰囲気をもたせています。シャローバックすぎず、アップライト+フックフェース設計になっていることで、球をつかまえるイメージが出ているといえます。
本格派の460cc「TR20」
本間ゴルフ「ツアーワールド TR20 460 ドライバー」は、同社らしいシンプルな形状で、体積460ccと大きめではあるものの、本格派な雰囲気が出ています。シャローバックすぎない造りで、どのようなタイプの人でも構えやすく感じさせる設計。プロモデルの割にアップライト&フックフェースなのも特徴のひとつです。
挑戦的なグースネック「egg エクストリーム」
プロギア「egg エクストリーム ドライバー」は、縦も横も非常に幅が広めで、とても大きな投影面積のヘッドに仕上がっています。前作「egg 5500」よりFP値(シャフトの中心線とリーディングエッジとの間の距離)が小さく、ヘッドの横幅が広くて強いグースネックという、「egg」シリーズらしい異形状なチャレンジを感じさせます。
投影面積&操作性でグラフ化
今回の10本を投影面積(縦軸)と操作性(横軸)でグラフ化。単純に「投影面積」が大きければ、構えた時の安心感に。逆に小さければ、操作性の高さにつながる。「操作性」はさまざまな要素が含まれるが、慣性モーメントの数値と操作イメージの出しやすさで記載。最新ドライバーの購入を考える際に参考にしていただきたい。
■ 松尾好員(まつお・よしかず) プロフィール
神戸大学工学部卒業後、住友ゴム(ダンロップ)に入社し、クラブの設計開発に携わる。世界4大メジャーで最も多くの選手にクラブを提供した日本人クラブデザイナーとして知られる。現在ジャイロスポーツを主宰。
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