クラブは“顔”が命! 2018秋の最新ドライバーを見比べ隊
いま気になる! 最新モデル9本を徹底解説
タイトTS、Mグローレ、本間TW、スリクソン…話題の新作が続々と登場した今秋のドライバー市場。粒ぞろいのラインアップを一気に見比べたい! ということで、最新モデル9本をクラブ設計家・松尾好員氏の解説付きで並べてみた。
深低重心の米モデル顔「TS2」
フェース後方が広く、重心位置の深さと慣性モーメントの大きさを感じさせます。また、ヘッド後方が極端に低いシャローバック形状となっており、低重心化を狙っている点がうかがえます。米国モデルらしくオープンフェースで、トウ側の高さを低くすることでアップライトに見えすぎない設計が施されています。
TS2よりレベルに打ちやすい「TS3」
ヘッド後方を広くせず、「TS2」よりオーソドックスな丸型形状。「TS2」と同じくオープンフェース設定で、アップライトに見えすぎないように設計されています。ただ、異なる部分は強いシャローバック形状ではない点。これによりレベルブロー(平らな軌道)のスイングをイメージしやすくできています。
程よいつかまえやすさ「M グローレ」
フェースプログレッション(以下FP:シャフトの中心線とリーディングエッジとの間の距離)が小さいことで、球をつかまえることを意識できる設計となっています。ただ、フェースのトウ先からヘッドのトウ側にかけてが、強い“逃げ感”を持たせていることで、極端なフックフェースに見えないように造られています。
弾道を打ち分けやすい「TW747 455」
全体にオーソドックな形状ですが、「TW747 460」と比べてかなり小ぶりで、時計でいう1時、2時方向にボリューム感があります。「460」とは違いハイバックで小ぶりなヘッドなので、インテンショナルに弾道を打ち分けることができる操作性の高さを感じさせます。
アッパー軌道をイメージできる「TW747 460」
「TW747 455」と同じくプロモデルではあるものの、フェース後方が広く、投影面積も大きいので、安心して構えられる形状になっています。「455」と違い後方にかけて低いシャローバック形状となっているため、アッパーブロー(下から上への軌道)のスイングをイメージしやすい設計と言えます。
従来のスリクソンにないやさしさ「Z585」
従来の「スリクソン」シリーズはやや難しいイメージでしたが、この「Z585」はいくつかやさしさを感じさせる細工が施されています。ヘッドの3時、4時方向が張り出している点は大きな慣性モーメントを狙っており、またトウ側の高さを高くして、つかまえやすい顔に仕上げています。
スッキリ見える逃げ顔「Z785」
「Z585」と比べ4時、5時方向のボリューム感がなく、スッキリして見えるオーソドックスな形状。フェースのトウ側の“逃げ感”により、かぶって見えることを嫌う上級者に好まれるモデルとなっています。また、ヘッドのトウ側の高さが低いので、プロモデルらしくアップライトに見えすぎない設計となっています。
プロモデルを融和する金属弦「XD-3」
オーソドックスな丸型形状で、フェースが“逃げ感”なく直線的。またヘッドのトウ側の高さが低いことで、全体的な構造はプロモデルらしいと言えます。ただ、目を引く「パワーストリング(金属弦)」のラインが曲線にできていることで、つかまえやすいイメージを持たせているのだと思われます。
とにかくつかまえやすい「UD+2」
FPが非常に小さくグースが効いていることで、とにかくつかまえたい人におすすめのモデルです。またほかのクラブに比べ、かなりシャローフェース(上下の高さが低い)であることも大きな特徴。フェース後方が広く投影面積が大きいので、深い重心深度と大きな慣性モーメントを狙っていることが分かります。

松尾好員(まつお・よしかず) プロフィール
神戸大学工学部卒業後、住友ゴム(ダンロップ)に入社し、クラブの設計開発に携わる。世界4大メジャーで最も多くの選手にクラブを提供した日本人クラブデザイナーとして知られる。現在ジャイロスポーツを主宰。