クラブは“顔”が命!クラブは“顔”が命! 2019春の最新ドライバーを見比べ隊
一目惚れする1Wは? 新作10本を並べて解説
M5・M6、エピックフラッシュ、G410…話題の新作が続々と登場した今春のドライバー市場。粒ぞろいのラインアップをズラーッっと一気に見比べたい! ということで、最新モデル10本をクラブ設計家・松尾好員氏の解説付きで並べてみた。
米国のプロモデルらしい「M5」
ヘッドの縦(トウからヒールにかけて)が長く、1時2時(右斜め上)方向に形が張り出した米国のプロモデルらしいオープンフェースです。フェースプログレッション(以下FP※)値が小さく、球をつかまえやすい設計ではありますが、フェースの見え方でつかまりすぎない印象にしています。
M5より慣性モーメント大きめ「M6」
輪郭は「M5」とほぼ同じで、1時2時方向がより張り出していることで、より慣性モーメントを大きく狙っていることが分かります。「M5」と同様にオープンフェース設定で、小さなFP値、トウ側のフェース面に“逃げ感”を持たせ、全体的につかまりすぎない印象を持たせています。
アップライトに構えやすい「エピックフラッシュ スター」
キャロウェイらしい丸みのある輪郭ですが、フェース後方が広く、シャローバック(フェース後方が低くなる設計)にできているため、アッパーブロー(下から上の軌道)のスイングに合うイメージが持てます。また、クラウン頭部の盛り上がりが強めで、アドレスの際にアップライトに構えやすいと言えます。
操作性の高さを感じる「エピックフラッシュ サブゼロ」
「スター」に比べてオーソドックスな輪郭で投影面積が小さく、目標に対して素直に構えやすく設計されています。プロモデルらしい球のつかまりを抑えたイメージを持たせつつ、「スター」より重心距離は短く、重心深度も浅めになっていることで、インテンショナルに弾道を操作しやすいモデルに仕上がっています。
スターと見た目は一緒「エピックフラッシュ(スタンダード)」
ヘッドの持つ全体的な雰囲気は「スター」とほぼ同じです。フェース後方が広くシャローバックという特徴は「スター」と変わりません。唯一異なる点は、ネック部分の弾道調整機能が付いていること。ネックの太さによって、見える印象は異なってくると思います。
操作性と安定感の融合「G410 PLUS」
ピンらしい、全体的にやや三角形に見える輪郭。ヘッド後方が低いシャローバック形状で、強めのオープンフェース。FP値が小さいのでシャフトとフェースのつながり感はありますが、長い重心距離と深い重心深度により、慣性モーメントが大きいため、ヘッドの返しはやや遅めになることが予想できます。
PLUSより操作性は上「G410 SFT」
輪郭形状、大きな投影面積、シャローバック形状、小さなFP値、オープンフェース設定など、ほぼ「G410 PLUS」と同様です。ただ、「SFT」のほうが少しヒール寄りに重心が位置し、より重心距離が短く、重心深度が浅くできているため、ヘッドの操作性がより高いのが特徴です。
和製のやさしい顔「ミズノプロ モデル-E」
ヘッドは丸型形状でシャローフェース、フェース面が平らに見えて逃げ感のないクラブ。FP値が大きく、やさしく球をつかまえられ、上がりやすい。いかにも“日本のシニア向けモデル”といった雰囲気が出ています。トウ側が低くなっていてアップライトに見えすぎないように設計されています。
パーシモン時代を彷彿させる「ミズノプロ モデル-S」
小さめの投影面積、ヘッドの後方が高いハイバック、大きなFP値など、パーシモン時代の雰囲気を残す日本のプロモデルらしい形状です。ヘッド体積が350cc前後の頃(10~15年前)の操作性と言っても過言ではないほど。レベルブローのスイングがマッチしやすい設計とも言えます。
強めのフックフェース形状「ゼクシオ プライム」
4時5時(右斜め下)方向が張り出していて、強めのフックフェース形状と言えます。ネックの位置を少し内側に付けるインセットホーゼルで、標準「ゼクシオ」シリーズより重心距離を短めに設定し、操作性を良くしています。クラウンのトウ側が高く、構えた時にアップライトに見える仕様にできています。
※フェースプログレッション:シャフトの中心線とリーディングエッジとの間の距離のこと
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松尾好員(まつお・よしかず) プロフィール
神戸大学工学部卒業後、住友ゴム(ダンロップ)に入社し、クラブの設計開発に携わる。世界4大メジャーで最も多くの選手にクラブを提供した日本人クラブデザイナーとして知られる。現在ジャイロスポーツを主宰。
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